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妹に婚約者を略奪されたのですが…。
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私の婚約者はパーシヴァルという侯爵令息だ。
中性的な顔立ちのイケメンで、低くもなく高くもない優しい声をしている。
その声で名前を呼ばれるのが好きだった。
政略結婚ではあったけど、彼は私に、
「愛してる」
とよく言ってくれた。
もちろん、私も彼のことが好きだった。
ある日、私は用事があって外出した。
それから数時間後、帰宅したところ……。
私の妹・ロザリンダの部屋から、パーシヴァルが出てくるのが見えた。
「パーシヴァル様?」
声をかけると、彼の顔が強張った。その彼の背後から、妹が顔を覗かせた。
「どうして、ロザリンダの部屋から出てきたのですか?」
訊ねても、パーシヴァルは無言のままだった。
なんて言おうかと頭を絞っているのだろう。
「パーシヴァル様はお優しいから、本当のことを言えないのね」
ロザリンダがこの場の雰囲気にそぐわない明るい声色で言う。
「彼は、お姉さまよりも私を愛しているのよ。ねえ、そうですよね?」
そう言って、ロザリンダはパーシヴァル様の肩に手をそっと置いた。
彼がロザリンダの手に自分の手を重ねる。
「すまない。私は君との婚約を破棄したいと思っている」
頭を打たれたような感覚になった。
嘘だと思いたい。
でも、彼らの間に流れる甘い雰囲気から、本当のことなのだろうと思う。
後日、私とパーシヴァルの婚約は破棄となった。
そして、パーシヴァルはロザリンダと結婚した。
ロザリンダは結婚してからというもの、パーシヴァルにかなり溺愛され、大切にされているらしい。
「パーシヴァル様に高いネックレスを貰った」「何でもない日に花束を貰った」などの自慢を書いた手紙が彼女から送られてきて辟易とする。
だが、ロザリンダは実家に戻ってきた。
なんと、手紙に書いていたパーシヴァルに貰ったネックレスや花束は、ロザリンダがパーシヴァルにおねだりした物だったそうだ。
パーシヴァルはロザリンダのわがままに呆れ、離縁を言い渡した。
そして、パーシヴァルから私に「復縁したい」という手紙が届いた。
もちろん、断る。
だって、私には他に好きな人がいるから。
パーシヴァルとの婚約が破棄となって落ち込んでいた私は、侯爵のレアンドルとパーティーで知り合い親しくなった。
そのレアンドルと結婚する予定なのだ。
パーシヴァルと復縁するつもりはない。
中性的な顔立ちのイケメンで、低くもなく高くもない優しい声をしている。
その声で名前を呼ばれるのが好きだった。
政略結婚ではあったけど、彼は私に、
「愛してる」
とよく言ってくれた。
もちろん、私も彼のことが好きだった。
ある日、私は用事があって外出した。
それから数時間後、帰宅したところ……。
私の妹・ロザリンダの部屋から、パーシヴァルが出てくるのが見えた。
「パーシヴァル様?」
声をかけると、彼の顔が強張った。その彼の背後から、妹が顔を覗かせた。
「どうして、ロザリンダの部屋から出てきたのですか?」
訊ねても、パーシヴァルは無言のままだった。
なんて言おうかと頭を絞っているのだろう。
「パーシヴァル様はお優しいから、本当のことを言えないのね」
ロザリンダがこの場の雰囲気にそぐわない明るい声色で言う。
「彼は、お姉さまよりも私を愛しているのよ。ねえ、そうですよね?」
そう言って、ロザリンダはパーシヴァル様の肩に手をそっと置いた。
彼がロザリンダの手に自分の手を重ねる。
「すまない。私は君との婚約を破棄したいと思っている」
頭を打たれたような感覚になった。
嘘だと思いたい。
でも、彼らの間に流れる甘い雰囲気から、本当のことなのだろうと思う。
後日、私とパーシヴァルの婚約は破棄となった。
そして、パーシヴァルはロザリンダと結婚した。
ロザリンダは結婚してからというもの、パーシヴァルにかなり溺愛され、大切にされているらしい。
「パーシヴァル様に高いネックレスを貰った」「何でもない日に花束を貰った」などの自慢を書いた手紙が彼女から送られてきて辟易とする。
だが、ロザリンダは実家に戻ってきた。
なんと、手紙に書いていたパーシヴァルに貰ったネックレスや花束は、ロザリンダがパーシヴァルにおねだりした物だったそうだ。
パーシヴァルはロザリンダのわがままに呆れ、離縁を言い渡した。
そして、パーシヴァルから私に「復縁したい」という手紙が届いた。
もちろん、断る。
だって、私には他に好きな人がいるから。
パーシヴァルとの婚約が破棄となって落ち込んでいた私は、侯爵のレアンドルとパーティーで知り合い親しくなった。
そのレアンドルと結婚する予定なのだ。
パーシヴァルと復縁するつもりはない。
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