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婚約者の妹に階段から突き落とされたので婚約破棄
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登場人物
ダナ・・・19歳。伯爵令嬢。
エリーズ・・・19歳。侯爵令嬢でダナの幼馴染。
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○エリーズの別荘・居間(夕)
別荘の居間で、ソファに座って談笑しているダナ(19)とエリーズ(19)。
エリーズがふと思い出したように、
エリーズ「あ、そういえば、ダナ。婚約のことはどうなったの?」
と訊く。
ダナ「婚約?破棄になったよ」
エリーズ「え?!なんで?イケメンの侯爵との縁談だったんでしょ?」
ダナ「婚約者は良い人だったけど……」
エリーズ「けど?」
ダナ「婚約者の妹がね。問題大ありだったの」
エリーズ「何よ。問題って?」
ダナ「ブラコンだったのよ。お兄様大好きって感じの方でね」
エリーズ「お兄様大好きすぎて、嫌がらせしてきたり?」
ダナ「そう、そうなのよ。本当にめんどくさい子で、わざわざ言う必要ありますか?って感じの嫌み言ってくるのよ。兄はそんな服を着る女は嫌いだとか」
エリーズ「あらー。それは面倒ね」
ダナ「そうなのよ!両家の食事会の時も婚約者の隣に座って、嫁なのですかってくらい世話を焼くの」
エリーズ「ブラコンもそこまで行ったら気持ち悪いよ」
ダナ「でしょう?それに、妹の行動に何もおっしゃらない婚約者とご両親にもイラつくのよね」
と手で太ももを叩きながら言う。
ダナ「しかもね。私、石段から突き落とされたことあるの」
エリーズ「え?妹が?ダナ、大丈夫だったの?」
ダナ「玄関前の短い石段だったのが幸いして、大けがにはならなかったわよ。だけど、危ないじゃない」
エリーズ「そうね」
ダナ「こんな人の義姉にはなりたくないと思って、丁重に婚約破棄させていただきました」
エリーズ「そりゃそうだ」
ダナ「婚約者とご両親は謝ってくださったのよ。だけど、妹がまず謝るべきなのに何も言わず……」
エリーズ「酷い妹ね」
ダナ「大好きなお兄様から怒られて、しぶしぶ謝ったからそこはスッキリしたかしらね。あと、凄く厳しい学校に行かせる予定だって」
エリーズ「あらあら。大変ねぇ」
ダナ「刑務所と言われているほどの学校らしいわ。妹が耐えられるのか分からないけれど」
エリーズ「じゃあ、妹が更生して帰ってくる可能性もあるわけじゃない」
ダナ「でも、私は婚約破棄を撤回するつもりはないのよ」
エリーズ「なんで?」
と、訊く。
ダナ、間を置いて答える。
ダナ「一度破棄したものを撤回したくないのよ」
エリーズ「そう。ダナがそういうなら良いけど。あ、お茶注ぐわね」
と、ダナのカップにお茶を注ぐ。
ダナ「ありがとう。で、エリーズは良い人いないの?」
エリーズ「私のことはいいのよ」
ダナ「はぐらかしたわね」
と言い、笑い合う。
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