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私が嬉しさのあまり固まってしまっていると、エリアが私の肩をトントンと軽く叩いた。

「イレーネ!ほら、両想いよ!プロポーズされたわよ!」
「え、エリア、本当に?夢じゃない?」

エリアがはぁーとため息をついて、私の頬をつねった。

「痛っ!」
「ほら、夢じゃないでしょ?」
「夢じゃない」

と思ったら、顔がぐーっと熱くなる。胸の鼓動も早くなって苦しい。
嬉しくて苦しいなんてことがあるんだと今初めて知った。

「返事、聞かせてもらえる?」

エックハルトの声には緊張の色が混じっていた。

「私も、好きです。よろしくお願いいたします」

私の声は小さくて震えていたけれど、エックハルトの耳にはきちんと届いたようだ。

「ありがとう」

彼が私の手を握った。私より大きくて温かい手のひらに包まれて、めまいがしそうだ。

「私の方こそ、ありがとうございます」

エックハルトに向かって頭を下げた。

「おめでとう!嬉しいわ!お兄様と友達が結婚だなんて!」
「ありがとう」

エリアに祝ってもらえて、私は幸せだった。



彼と婚約はトントン拍子に話がまとまり、結婚式まで行った。

結婚パーティーまですることになって、幸せだった。

初めての夜は、彼に、

「僕がイレーネちゃんのことを幸せにするからね。一緒に幸せになろうね」

と言われて目頭が熱くなった。

「はい。エックハルトさんと一緒にいるだけでも、私は幸せなので」

私が微笑むと、彼は嬉しそうに目を細めた。
ギュッと私を抱きしめて、彼がはぁーっと大きく息を吐いた。

「どうしたんですか?!」
「大好きって思ったら、体が勝手に動いて抱きしめてた」
「わ、私も大好きです」

私も彼の背中に腕を回す。
すると、彼の腕の力が強くなって、さらにギューッと抱きしめられた。
苦しいけれど、胸が温かくなって嬉しかった。

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