上 下
6 / 6

6

しおりを挟む
私はミラナとフィデルの結婚式に向かった。

「あ、来たのね」

ミラナが私を見つけて、近寄ってくる。

「来ないんじゃないかと思っていたわ」
「どうして?」
「だって、あなたは私にフィデル様を奪われたわけでしょ?立ち直れないくらい傷ついたんじゃないの?」

フフッとどこか勝ち誇ったように言うミラナ。

「大丈夫よ。私は婚約者がいて幸せなの」
「は?あなた、婚約したの?」
「そうよ」
「へぇ。でも、また誰かに略奪されてしまうんじゃないの?」
「そんな性格が悪いことをする令嬢はあなたくらいよ」

私が言うと、ミラナは目を吊り上げた。

「何よ!私が性格悪いって言うわけ?」

ミラナが大声を出したため、フィデルがこちらに近寄ってきた。

「どうしたの?」

フィデルはミラナにたずねた。

「リーリヤが私のことを性悪と罵ったの!」
「何だって?!リーリヤ、どうしてミラナを罵ったんだ?婚約破棄のことなら、ミラナではなくて俺の方が悪いんだよ?」
「はい。そうですね。でも、フィデル様。いつか分かると思いますよ、ミラナの性格の悪さが」

そう言って、私は式場から出ていった。




その後、私はマルクスと結婚した。
彼と幸せに暮らしている。


ちなみに、フィデルとミラナは結婚して半年で離婚した。
原因はミラナが侍女をいじめていたと知ったフィデルが、ミラナに幻滅したからだそうだ。
性格の悪さを知り、一緒に暮らしていけないとなったらしい。

その後、フィデルから「復縁したい」という手紙が来たが、すぐに断った。

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

鴨南蛮そば
2023.04.14 鴨南蛮そば

リーリアの親は、なんでミラナと仲良く
しなさいって言うんだろう?🤔

ほったげな
2023.04.14 ほったげな

感想ありがとうございます。家同士の関係もあって、そういうふうに言ったんだと思います。

解除

あなたにおすすめの小説

政略結婚で結ばれた夫がメイドばかり優先するので、全部捨てさせてもらいます。

hana
恋愛
政略結婚で結ばれた夫は、いつも私ではなくメイドの彼女を優先する。 明らかに関係を持っているのに「彼女とは何もない」と言い張る夫。 メイドの方は私に「彼と別れて」と言いにくる始末。 もうこんな日々にはうんざりです、全部捨てさせてもらいます。

王太子殿下が好きすぎてつきまとっていたら嫌われてしまったようなので、聖女もいることだし悪役令嬢の私は退散することにしました。

みゅー
恋愛
 王太子殿下が好きすぎるキャロライン。好きだけど嫌われたくはない。そんな彼女の日課は、王太子殿下を見つめること。  いつも王太子殿下の行く先々に出没して王太子殿下を見つめていたが、ついにそんな生活が終わるときが来る。  聖女が現れたのだ。そして、さらにショックなことに、自分が乙女ゲームの世界に転生していてそこで悪役令嬢だったことを思い出す。  王太子殿下に嫌われたくはないキャロラインは、王太子殿下の前から姿を消すことにした。そんなお話です。  ちょっと切ないお話です。

心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。

木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。 そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。 ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。 そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。 こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。

10日後に婚約破棄される公爵令嬢

雨野六月(旧アカウント)
恋愛
公爵令嬢ミシェル・ローレンは、婚約者である第三王子が「卒業パーティでミシェルとの婚約を破棄するつもりだ」と話しているのを聞いてしまう。 「そんな目に遭わされてたまるもんですか。なんとかパーティまでに手を打って、婚約破棄を阻止してみせるわ!」「まあ頑張れよ。それはそれとして、課題はちゃんとやってきたんだろうな? ミシェル・ローレン」「先生ったら、今それどころじゃないって分からないの? どうしても提出してほしいなら先生も協力してちょうだい」 これは公爵令嬢ミシェル・ローレンが婚約破棄を阻止するために(なぜか学院教師エドガーを巻き込みながら)奮闘した10日間の備忘録である。

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

王妃となったアンゼリカ

わらびもち
恋愛
婚約者を責め立て鬱状態へと追い込んだ王太子。 そんな彼の新たな婚約者へと選ばれたグリフォン公爵家の息女アンゼリカ。 彼女は国王と王太子を相手にこう告げる。 「ひとつ条件を呑んで頂けるのでしたら、婚約をお受けしましょう」 ※以前の作品『フランチェスカ王女の婿取り』『貴方といると、お茶が不味い』が先の恋愛小説大賞で奨励賞に選ばれました。 これもご投票頂いた皆様のおかげです! 本当にありがとうございました!

婚約者の心の声が聞こえるようになったけど、私より妹の方がいいらしい

今川幸乃
恋愛
父の再婚で新しい母や妹が出来た公爵令嬢のエレナは継母オードリーや義妹マリーに苛められていた。 父もオードリーに情が移っており、家の中は敵ばかり。 そんなエレナが唯一気を許せるのは婚約相手のオリバーだけだった。 しかしある日、優しい婚約者だと思っていたオリバーの心の声が聞こえてしまう。 ”またエレナと話すのか、面倒だな。早くマリーと会いたいけど隠すの面倒くさいな” 失意のうちに街を駆けまわったエレナは街で少し不思議な青年と出会い、親しくなる。 実は彼はお忍びで街をうろうろしていた王子ルインであった。 オリバーはマリーと結ばれるため、エレナに婚約破棄を宣言する。 その後ルインと正式に結ばれたエレナとは裏腹に、オリバーとマリーは浮気やエレナへのいじめが露見し、貴族社会で孤立していくのであった。

離婚してもよろしいですが、後悔するのはあなたの方ですよ?

hana
恋愛
「悪いけど、離婚してくれ」 驚くほどにあっさりとその言葉は告げられた。 公爵令息のバルシュと結婚して二年、よく晴れた朝の出来事だった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。