私の好きな人と結婚したのに浮気なんて、あなたは何を考えているの？

私の好きな人と結婚したのに浮気なんて、あなたは何を考えているの？

私の友人であり、侯爵令嬢の、ヘルヴィが結婚した。
結婚相手は、伯爵令息であり切れ長の目と高い鼻とすっきりした薄い唇が魅力的なイケメンだ。

名前はケルネールス。

実は私はケルネールスのことがずっと好きだった。

ヘルヴィから結婚の話を聞いた時は、頭をガンッと殴られたような衝撃があった。

さらに友人は、

「あなたって彼のことが好きだったのよね。ごめんね」

とニヤリと笑った。

なんで？知ってたの？

「そんなのわざわざ言う必要あるの？」

「まあ、そうね。ちょっと、からかいたくなったのよ」

といたずらっ子のような笑顔を見せた。




ケルネールスとヘルヴィの結婚から1年。
私の失恋の傷も癒えてきた頃。


ケルネールスとヘルヴィが離婚した。

ヘルヴィの浮気が原因らしい。

何を考えてるの？私の好きな人と結婚したくせに、他の男と浮気なんて。
腹が立つ。


ヘルヴィの浮気相手は既婚者だったそうで、その妻に悪い噂を流されて社交界では軽蔑されている。


ある日、友人が訪ねてきた。

「みんなに縁を切られたの。あなただけよ。私の友達は」

なんてあほらしいことを言う。

「そう思ってるの、あなただけだから。私を傷つけたことを忘れたの？」

と追い出した。



それから数年後、私は結婚した。

ケルネールスも結婚したらしい。

ヘルヴィは独身のまま。