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初恋の人と結婚前提の交際をしているのに、皇太子にプロポーズされた…。②

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数日後のこと。

皇太子から花やドレスが届いた。

「綺麗ですね」

侍女が言う。

「そうね」

と返事したものの、私は複雑だった。

ロドリグにも、皇太子にプロポーズされたが丁重にお断りしたという話をした。

「そうなの?良かったの?」

と言われた。

「良かったよ。私は、ロドリグと付き合っているんだもの」

私が言うと、ロドリグは嬉しそうに笑った。


その後、また皇太子から父と共に招待された。
食事をしたのだが、そこで再度、

「私との結婚を考えてくれませんか」

とプロポーズされた。

「私には交際している人がいますから」

と、丁重に断った。

「そうですか」

皇太子は微笑んで頷いた。




その後、私はロドリグと別れることになった。
ロドリグから、

「もう別れよう」

と言われたのだ。私はなぜ別れたいのかを訊いた。

「皇太子に求婚されているんだろう?とても凄いことじゃないか。俺と結婚なんてもったいないよ」
「そんなことない。私はちゃんとプロポーズ断ったよ!」

と言うが、ロドリグは「別れよう」というだけだった。



また、皇太子に父と共に招待された。
そして、三度目のプロポーズをされた。

私は、ロドリグと別れて自棄になっていた。

「分かりました。お受けします」

皇太子のプロポーズを受けることにした。


それから、トントン拍子に結婚式を挙げたのだが、ロドリグへの想いはまだ断ち切れなかった。

それを皇太子は分かっているのだろう。

「ロドリグのことがまだ好き?」

と訊いてきた。
なんで、彼のことを?と思っていたら。

「ちょっと、調べたから」

皇太子はニコッと笑って言う。

私はこの人とこのまま結婚生活を続けていくのかと思ったら、絶望しかなかった。


≪終≫


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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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