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7.仮説
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「もしかしたら、出てないんじゃなくて出てるんだけど一定の人しか匂わなくなったんじゃない?」
「どう言う事?」
あくまで仮説という話だ。
医師が言った通り稀に解消されたΩの性質が変わり抑制剤が効かなくなるパターンがある様に番になったΩのフェロモンの性質が変わっただけで実はフェロモン自体は出ていたのかもしれない。
ただ、それを感じ取れるαがいるかいないかと言うだけで。
もしかしたらそれから【運命の番】と言う話が作られたのではないだろうか。
「そう考えると、俺が洋君の匂いに当てられたって話もおかしくない話だろ?」
「······って事は?」
その運命の番とやらが目の前にいるホストという事になるのだが·····。
「どう思います?」
「思いますって····」
信じられるわけが無いだろうと言うのが正直な答えだ。
「まぁ、普通はそう思うわな」
けれど、実際に解消後にヒートに当てられた人物は昊一人だけだ。
「これを運命って思ってもいいんじゃない?」
「····さぁ、どうでしょうね」
信じるのは簡単だなんて世間では言うが、今では疑う事の方が簡単だと洋は思う。
「それに運命の番って出会ってからすぐ気付くものじゃないの?」
一般的に運命の番と言うのはすれ違っただけで番だと感じる運命の糸の様なものがあると囁かれている。
「そんなドラマチックな話あるかよ」
すれ違っただけで本能的に感じるなんてどんな第六感を発揮しているんだと昊は笑う。
それならまだ昊の仮説の方が現実味があるだろう。
「まぁ、項噛んだだけで番成立するこの世の中も十分バグってんなって思うけどね」
少し皮肉じみたその言葉は最もだと思うだろう。
この世はΩには不利すぎると言っても過言ではない世界だ。
ヒエラルキーのある世界であ始めから勝ち組になれやしない。なれるとしたらαと言う生まれつきエリートな人生を約束された者達だけだろう。
「αだからって俺みたいに適当にホストやってる奴もいるけどね」
「何でホストやってんの?」
「え?」
楽しそうだったから。
「どう言う事?」
あくまで仮説という話だ。
医師が言った通り稀に解消されたΩの性質が変わり抑制剤が効かなくなるパターンがある様に番になったΩのフェロモンの性質が変わっただけで実はフェロモン自体は出ていたのかもしれない。
ただ、それを感じ取れるαがいるかいないかと言うだけで。
もしかしたらそれから【運命の番】と言う話が作られたのではないだろうか。
「そう考えると、俺が洋君の匂いに当てられたって話もおかしくない話だろ?」
「······って事は?」
その運命の番とやらが目の前にいるホストという事になるのだが·····。
「どう思います?」
「思いますって····」
信じられるわけが無いだろうと言うのが正直な答えだ。
「まぁ、普通はそう思うわな」
けれど、実際に解消後にヒートに当てられた人物は昊一人だけだ。
「これを運命って思ってもいいんじゃない?」
「····さぁ、どうでしょうね」
信じるのは簡単だなんて世間では言うが、今では疑う事の方が簡単だと洋は思う。
「それに運命の番って出会ってからすぐ気付くものじゃないの?」
一般的に運命の番と言うのはすれ違っただけで番だと感じる運命の糸の様なものがあると囁かれている。
「そんなドラマチックな話あるかよ」
すれ違っただけで本能的に感じるなんてどんな第六感を発揮しているんだと昊は笑う。
それならまだ昊の仮説の方が現実味があるだろう。
「まぁ、項噛んだだけで番成立するこの世の中も十分バグってんなって思うけどね」
少し皮肉じみたその言葉は最もだと思うだろう。
この世はΩには不利すぎると言っても過言ではない世界だ。
ヒエラルキーのある世界であ始めから勝ち組になれやしない。なれるとしたらαと言う生まれつきエリートな人生を約束された者達だけだろう。
「αだからって俺みたいに適当にホストやってる奴もいるけどね」
「何でホストやってんの?」
「え?」
楽しそうだったから。
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