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19.受side
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真尋達とは午後から会うからと昨日の夜から呼び出されて泊まる羽目になって
朝も行為を強いられた。
「····ぁ····ふぁ····」
「今から用意しねぇと間に合わねぇんじゃねぇの?」
分かっている。
言う事を聞かない身体を鞭打って引き摺るように準備を始める。
久しぶりの友人達との約束。
ノロノロとした動作で着替えてフラフラのまま玄関に向かう。
後ろからの痛い視線を感じる。
靴を履いて玄関ドアを開けようとした時に後ろから腕を引っ張られた。
「っな-···んぅ···っ!」
突然唇を奪われて口の中に甘くて冷たいものが流れてくる。
「····っは·······」
「脱水でぶっ倒れるぞ」
そう言えば朝から何も飲んでいない事を思い出した。
「持っていけ」
冷たいスポーツ飲料を手渡されて見送られた。
「·············」
たまにこう言う気遣いをしてくるのは一体何なのだろうか。
「·····クソッ····」
訳が分からない。
--------
13時駅前カフェで真尋を待っていたら先にある人物がやってきた。
「久しぶり!元気ー···してる?」
「俺、そんなに病人見てぇな顔してる!?」
久しぶりに会った中学の時の友人【日下部大智】が心配した面持ちで見てくる。
「うん。病弱そうな見た目になってる」
「まじか」
「·····なんかあった?」
真尋にも同じ事を言われた言葉を大智にも言われるとは思わなかった。
「別に大したことじゃねぇよ」
「····そうか」
何かあったら言ってくれと心強い事を言ってくれる。
普通のイジメや嫌がらせならオブラートに包んで相談しているかもしれない。
「ありがとな」
笑って言ったつもりなんだが、大智はなにか言いたそうな顔をしていた。
その後、直ぐに真尋が到着して少し雑談の後に映画に行ったりゲーセンに行ったりと久しぶりに休日を楽しんだ。
放課後も休日もずっと福山の家に行っていたから忘れていた。
こう言う楽しい時があったんだって。
ファミレスで晩飯を食べて「そろそろお開きだな」と、真尋が行った時に咄嗟に
「····え····帰りたくない」
と、本音を漏らした。
自分の家庭環境を知っている真尋達は「家で何かあったのか?」と、聞いてくる。
家はいつも通り放置だ。
そうじゃないんだ。
友人と別れたら戻ってこいと言われている。
「帰りたくない」
あれ?
いつから福山の家が自分んの家と認識していたのだろうか。
いつも行くからきっと間違えただけ
嫌な間違えだ。
「庵。家に帰りたくないなら今日うち泊まる?」
どうせ明日も休みだからと大智が提案してくる。
大智のおばさんにも会いたいしすごく有難い言葉だったが、それは出来ないから断った。
「でも····」
本当に帰りたくなさそうな自分に大智は「来いよ」と、畳み掛ける。
大智の誘いに心が揺らめきそうになった時だ。
「相川」
「·········」
後ろから聞こえた声に身体が固まった。
何でお前がいるんだよ。
「帰るぞ」
後ろから福山がそう言った。
朝も行為を強いられた。
「····ぁ····ふぁ····」
「今から用意しねぇと間に合わねぇんじゃねぇの?」
分かっている。
言う事を聞かない身体を鞭打って引き摺るように準備を始める。
久しぶりの友人達との約束。
ノロノロとした動作で着替えてフラフラのまま玄関に向かう。
後ろからの痛い視線を感じる。
靴を履いて玄関ドアを開けようとした時に後ろから腕を引っ張られた。
「っな-···んぅ···っ!」
突然唇を奪われて口の中に甘くて冷たいものが流れてくる。
「····っは·······」
「脱水でぶっ倒れるぞ」
そう言えば朝から何も飲んでいない事を思い出した。
「持っていけ」
冷たいスポーツ飲料を手渡されて見送られた。
「·············」
たまにこう言う気遣いをしてくるのは一体何なのだろうか。
「·····クソッ····」
訳が分からない。
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13時駅前カフェで真尋を待っていたら先にある人物がやってきた。
「久しぶり!元気ー···してる?」
「俺、そんなに病人見てぇな顔してる!?」
久しぶりに会った中学の時の友人【日下部大智】が心配した面持ちで見てくる。
「うん。病弱そうな見た目になってる」
「まじか」
「·····なんかあった?」
真尋にも同じ事を言われた言葉を大智にも言われるとは思わなかった。
「別に大したことじゃねぇよ」
「····そうか」
何かあったら言ってくれと心強い事を言ってくれる。
普通のイジメや嫌がらせならオブラートに包んで相談しているかもしれない。
「ありがとな」
笑って言ったつもりなんだが、大智はなにか言いたそうな顔をしていた。
その後、直ぐに真尋が到着して少し雑談の後に映画に行ったりゲーセンに行ったりと久しぶりに休日を楽しんだ。
放課後も休日もずっと福山の家に行っていたから忘れていた。
こう言う楽しい時があったんだって。
ファミレスで晩飯を食べて「そろそろお開きだな」と、真尋が行った時に咄嗟に
「····え····帰りたくない」
と、本音を漏らした。
自分の家庭環境を知っている真尋達は「家で何かあったのか?」と、聞いてくる。
家はいつも通り放置だ。
そうじゃないんだ。
友人と別れたら戻ってこいと言われている。
「帰りたくない」
あれ?
いつから福山の家が自分んの家と認識していたのだろうか。
いつも行くからきっと間違えただけ
嫌な間違えだ。
「庵。家に帰りたくないなら今日うち泊まる?」
どうせ明日も休みだからと大智が提案してくる。
大智のおばさんにも会いたいしすごく有難い言葉だったが、それは出来ないから断った。
「でも····」
本当に帰りたくなさそうな自分に大智は「来いよ」と、畳み掛ける。
大智の誘いに心が揺らめきそうになった時だ。
「相川」
「·········」
後ろから聞こえた声に身体が固まった。
何でお前がいるんだよ。
「帰るぞ」
後ろから福山がそう言った。
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