2 / 5
天国…1
しおりを挟む
天国照明(白や青の明るい感じ)
天人は舞台の真ん中に座っている。頬杖ついて。
閻魔は衣装をシンプルなものに変え、袖からテンション高く走ってくる。
閻魔「初の天国キター。おっファーストエンジェル発見!」
天人「私は天使ではありません。現世で言う死人であり、天国の住人です」
閻魔「いいじゃん別に」
天人「テンション高いですね、死んだくせに」
閻魔「死んでないけど?」
天人「さっき天国って言ったくせに死んだ自覚ないんですか?」
閻魔「あーああ。死んだわ。大丈夫、死んだ」
天人「なにそれ」
閻魔「そんなことより俺、神様に会いたいんだけどさ、どこに行ったら会えるんだ?」
天人「いません」
閻魔「いないの?」
天人「いません」
閻魔「本当に?」
天人「いませんってば…しつけぇな」
「しつけぇな」は小声で。
閻魔「おい、聞こえてんぞ」
天人「チッ、地獄耳が」
閻魔「言葉遣い!」
天人「てか、神がいたとして、どうするんですか?」
閻魔「ツーショット撮ろうと思って」
天人「たぶんですけど、いたとしても、その願いは叶えてもらえなさそうですね」
閻魔「じゃあいいか、ここの景色と俺を撮ってくれ」
天人はカメラを受けとる。
天人「はぁ、御愁傷様でーす」
閻魔「はい、チーズじゃなくて?」
天人「こんな感じです」
閻魔「あ、かっこいい」
天人「あなたは死んだ悲しみがないんですね。もう現世に未練はないんですか?」
閻魔「未練もなにも、生まれも育ちもじご…閻魔ってばれたらやばいか」
天人「じご?」
閻魔「じごー…く谷出身だし?」
天人「登別の?」
閻魔「それ、それ」
天人「へー、だから?」
閻魔「いや、いいとこで育ったから、未練も残らず、天国来られて良かったなーと思って」
天人「住んでみればわかると思いますけど、天国は地獄よりも残酷ですよ」
閻魔「どういうこと?」
天人「住めばわかりますよ」
閻魔「おい、ちょっと待てよ!」
閻魔は立ち上がり去ろうとした天人を引き留める。
天人「なんですか?」
閻魔「…オススメの、天国スポット教えてください」
天人「…これ見てください」
天人はポケットから本を取り出し、渡す。
閻魔「これは?」
天人「聖書です」
閻魔「聖書?…天国のガイドマップ的な?」
天人「聖書に書いてある天国と、実際の天国を比べてみてください。海ないとか書いていますけど、ここまっすぐ歩いたらありますから」
閻魔「えーなんか、うーん。夢がない」
天人「天国なんて、地平線が続きますよ。たまに、誰かの建物はありますが」
閻魔「いいじゃん、いいじゃん。ごちゃごちゃしてなくて。後は?」
天人「言っておきますけど、私だって数日前に来たばかりですから」
閻魔「へー結構知ってそうなのに」
天人「まぁ、色々調べてはいますけど、特に何もないんですよ」
閻魔「調べているなら楽しめばいいのに」
天人「どこかの王妃ですか?あなたみたいな能天気な人と一緒にしないでください」
閻魔「いや、アドバイス程度に」
天人「ああ、欲しいものは願ったら、貰えますから。今度こそ、さよなら」
天人退場
閻魔「まぁ、天国でも謳歌するか。初の休日だし」
天人は舞台の真ん中に座っている。頬杖ついて。
閻魔は衣装をシンプルなものに変え、袖からテンション高く走ってくる。
閻魔「初の天国キター。おっファーストエンジェル発見!」
天人「私は天使ではありません。現世で言う死人であり、天国の住人です」
閻魔「いいじゃん別に」
天人「テンション高いですね、死んだくせに」
閻魔「死んでないけど?」
天人「さっき天国って言ったくせに死んだ自覚ないんですか?」
閻魔「あーああ。死んだわ。大丈夫、死んだ」
天人「なにそれ」
閻魔「そんなことより俺、神様に会いたいんだけどさ、どこに行ったら会えるんだ?」
天人「いません」
閻魔「いないの?」
天人「いません」
閻魔「本当に?」
天人「いませんってば…しつけぇな」
「しつけぇな」は小声で。
閻魔「おい、聞こえてんぞ」
天人「チッ、地獄耳が」
閻魔「言葉遣い!」
天人「てか、神がいたとして、どうするんですか?」
閻魔「ツーショット撮ろうと思って」
天人「たぶんですけど、いたとしても、その願いは叶えてもらえなさそうですね」
閻魔「じゃあいいか、ここの景色と俺を撮ってくれ」
天人はカメラを受けとる。
天人「はぁ、御愁傷様でーす」
閻魔「はい、チーズじゃなくて?」
天人「こんな感じです」
閻魔「あ、かっこいい」
天人「あなたは死んだ悲しみがないんですね。もう現世に未練はないんですか?」
閻魔「未練もなにも、生まれも育ちもじご…閻魔ってばれたらやばいか」
天人「じご?」
閻魔「じごー…く谷出身だし?」
天人「登別の?」
閻魔「それ、それ」
天人「へー、だから?」
閻魔「いや、いいとこで育ったから、未練も残らず、天国来られて良かったなーと思って」
天人「住んでみればわかると思いますけど、天国は地獄よりも残酷ですよ」
閻魔「どういうこと?」
天人「住めばわかりますよ」
閻魔「おい、ちょっと待てよ!」
閻魔は立ち上がり去ろうとした天人を引き留める。
天人「なんですか?」
閻魔「…オススメの、天国スポット教えてください」
天人「…これ見てください」
天人はポケットから本を取り出し、渡す。
閻魔「これは?」
天人「聖書です」
閻魔「聖書?…天国のガイドマップ的な?」
天人「聖書に書いてある天国と、実際の天国を比べてみてください。海ないとか書いていますけど、ここまっすぐ歩いたらありますから」
閻魔「えーなんか、うーん。夢がない」
天人「天国なんて、地平線が続きますよ。たまに、誰かの建物はありますが」
閻魔「いいじゃん、いいじゃん。ごちゃごちゃしてなくて。後は?」
天人「言っておきますけど、私だって数日前に来たばかりですから」
閻魔「へー結構知ってそうなのに」
天人「まぁ、色々調べてはいますけど、特に何もないんですよ」
閻魔「調べているなら楽しめばいいのに」
天人「どこかの王妃ですか?あなたみたいな能天気な人と一緒にしないでください」
閻魔「いや、アドバイス程度に」
天人「ああ、欲しいものは願ったら、貰えますから。今度こそ、さよなら」
天人退場
閻魔「まぁ、天国でも謳歌するか。初の休日だし」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる