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34話

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 ヴァルア様が僕のペニスを手で包む。先を指で撫でると、ぬち……と音がした。

「ちょっとイタズラが過ぎたかな。今日はする気がないんだけど」
「えっ……。しないんですか……?」
「だって君、疲れているだろう? 親父の〝調査〟に付き合って」
「そりゃ、まあ……。でも……」
「俺とは明日の夜してくれるかい。今日はこのまま添い寝をしたい」

 僕は上体を起こし、ヴァルア様に顔を向けた。

「分かりました。では、先ほどのあなたのように、僕もあなたの体に触れていいですか」
「かまわないよ」

 ヴァルア様はバスローブを羽織っていた。少し胸元がはだけている。そういえば、ヴァルア様の服を脱いだ姿を見たことがない。

「え?」

 僕はヴァルア様の腹の上に乗った。ヴァルア様が変な声を上げていたけれど気にしない。
 バスローブの帯をほどき、胸元を開く。思っていたよりも筋肉質な体だ。ぷにぷにだった司祭様よりも硬くて厚い。

「ナスト……ちょっと」
「どうしましたか」

 乳首を指でなぞっていると、ヴァルア様が弱々しく僕の名前を呼んだ。返事をしても、続きの言葉は返って来ない。意味もなく呼んだだけのようだ。

 腰をズラしたとき、僕の尻にヴァルア様のペニスが当たった。バスローブに阻まれて窮屈そうにしていたので、そこから出してあげた。屹立したペニスは、時折ひくひくと痙攣している。
 口に含みたくなったので、ヴァルア様に尻を向けてペニスを咥えた。ペニスはまた痙攣して、カウパーを垂らす。

「ナスト……っ。ちょっと、君……」
「なんでしょうか」

 また返事がない。代わりにヴァルア様が両手で僕の尻をさすった。「こんなことをされて、こんなものを見せられて……」とボヤいたかと思えば、指を尻に差し込んだ。

「あうっ!?」
「どうして親父の精液が垂れている尻を間近で見なきゃいけないんだ」

 この感覚はよく知っている。中に溜まった精液を掻き出されているときの感覚だ。

「まったく面白くない」

 そう言って、ヴァルア様が肛門に吸い付いた。

「あぁぁぁっ……」
「君が始めたんだからね。今日は優しくできないよ。ほら、口と手が動いてないよ、ナスト」
「ふぅぅ……っ」

 僕は必死に快感に耐え、ペニスを口に含んだ。いつもと違う角度だから舐めづらい。

「ふっ……」

 気持ちがいいのか、ヴァルア様から微かに声が漏れた。だが、仕返しをするかのように、倍の快感を僕に与える。

「ふぁぁっ……あぁっ、あぁっ、んん~……っ」

 吸い付いては指を差し込んで、力任せに前立腺を刺激される。さらにはもう一方の手でペニスまで擦られた。

「あっ、あぁっ、そこはダメッ、なっ、舐められなくなっちゃうからぁっ、あぁ、んあぁっ」
「そんなことを言いながら腰が揺れてるよ、ナスト」
「あっ、出るっ、出るっ――……、っ、っ、」

 僕の精液がヴァルア様の腹にかかった。ヴァルア様は精液をすくい、そのぬめった指を再び肛門に挿入した。

「よく滑るようになった。気持ちいいかい、ナスト?」
「あっ、ちょっ、イッたばかりだからっ……」
「ふうん」
「あぁぁっ!?」

 あざ笑うかのように前立腺を刺激され、下腹部が痙攣する。僕はまだ反り返っているヴァルア様のペニスの前に、ぐったりと倒れ込んだ。

「満足したかい?」
「は……はい……。でも、ヴァルア様のペニスがまだ……」
「それは明日にとっておくよ。さあ、寝るよ。こっちにおいで」

 僕はよたよたと元の位置に戻り、ヴァルア様の胸の中におさまった。

「あの、ヴァルア様」
「ん? まだなにか?」
「キスがまだです」

 僕がそう言うと、ヴァルア様「ふうん?」と興味なさそうに呟き、口元を緩めた。

「俺とのキスは嫌なんじゃなかったのかい?」

 意地悪を言いながらも、ヴァルア様は長く優しいキスをしてくれた。
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