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プロローグ

【2話】天上人

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『あっ…ぶなー…』

『やばいよーこのままだと死んじゃうよー』

「…?」

目を覚ますと、二人の女性?が僕の様子を伺っている。にしてもこの二人おかしい。光ってないか…?

『あ!目が覚めたー』

『ぎゃーーーよかったーーー!あんた!ストーカー相手に喧嘩売ってどうすんのーーー?!バカすぎない?!もうちょっと自分のこと大事にしてよぉ』

「え…誰ですか…?」

突然泣きわめきながら光ってる謎の人たちに抱きつかれ、僕はジトッとした目で尋ねた。二人は目を見合わせて苦笑いしている。僕に向き直ったかと思えば、てへっと舌を出してごまかした。うわぁなんかはらたつー…。

『ごめん!名前は言えないの!』

「そうですか。じゃあ別に言わなくていいです」

『あっさりさっぱり~!さすがケイゴ~』

「?どうして僕の名前を?」

『知ってるに決まってるじゃーん!!この有名人♡』

「有名人…?たしかに読モしたことありますけど…SNSでめっちゃバズってたみたいですけど…。本名は出してなかったはず…。え、もしかして特定された…?」

『読モ!!あったあった!!そんなこともあった~!』

『でも君はそんなレベルの"有名"じゃないよ~。下界でいくら有名だって、私たちには意味ないもーん』

「下界…?」

『ふっふっふー。ケイゴ、私たちが光ってるの気付いてないの~?』

「初めから気付いてましたけど…」

『気付いててスルーしてたの?!さすがケイゴ~』

「そのノリやめてください…」

なんだこのハイテンションでよく喋る人たち…。なんか疲れてきた。

『ケイゴぉ…。普通こういう場所に来たらね?"こ、ここどこだよ!!俺死んだはずじゃ…?!"って反応するのがセオリーなんだよぉ…?』

『塩対応すぎて話全然進まないよー…』

「なんかすみません。もう疲れたんでそのあたりささっと教えてくれますか?」

『わぁー…』

『さすがケイゴ~。そういうとこだぞー?』

光る人たちにおでこをツンツンされてイラっとした僕は、舌打ちをしてそいつらを睨みつけた。二人は『あははは…』とひきつった笑みを浮かべてやっと説明を始めた。

『私たちは天上人。人間を生み出した世界の者。天から人間を眺めて楽しんでる者』

「は…?」

『で、ケイゴはこの世界で一番偉い者、人間界が言う「神」ね。神の一番のお気に入りなわけ』

『そんなあなたが、神様が出かけて目を離しているときに死にそうになってたからさー。まじ焦ったわ』

「はぁ…」

この人たち、ほんとに何を言ってるんだろう。

『思わず天上に引っ張ってきたけど。この傷どうしよう?』

『地球でほっといたら死ぬよねえ。あそこは?あそこなら生命エネルギーに溢れてるからこんな傷すぐ治るよ』

『そうね!そうしましょ。じゃあ、神様のお気に入りクン。ばいばーい』

『ちょっと地球と違う環境だけど、ケイゴなら大丈夫だから~』

「説明が足りなさすぎじゃないですか?!」

僕の言葉を最後まで聞かず、天上人と名乗る女性は僕に両手を向け何かを唱えた。その瞬間僕の意識は遠くなり、目の前が真っ暗になった。
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