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ちょっと前まで処女だったのにね

【9話】スルトのセックスは痛いだけ

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「ケーゴ!戻ったぞ」

「おかえりなさい。帰ってこなくても良かったのに」

「お前はどうしてそんなに口が悪いんだ?見た目と話す言葉のギャップがありすぎて困惑する」

スルトとエドガーに飼われて一週間が経った。毎夜仕事から帰ってきた順番で二人が僕の部屋を訪れる。今日はスルトの方が先だった。ノックもせずにズカズカと僕の部屋へ入ってきて、僕が何をしていようがおかまいなしだ。今日もスルトが部屋に来た時、ちょうど紅茶を淹れていたのにスルトが後ろから抱きつき僕の匂いを嗅ぐ。

「この匂いにも慣れてきた」

「じゃあクンクン嗅ぐのやめてください」

「この匂い、心地いいんだ」

いつも偉そうにしてるくせに、こんな甘えた声を出されて僕は赤面した。かわいいなんて思ってない。絶対。

「ちょっと、僕紅茶淹れてるんですけど」

スルトの手が僕のシャツの中に伸びる。弱いところを引っ掻かれて体がこわばった。

「っ!」

「紅茶なんてあとで淹れ直せばいいだろう」

「いやですよ今飲みた…」

スルトが僕の顎に指を添えそっとキスをする。僕がキスが好きだって気づいてから、ことあるごとにしてくるんだ。ずるい。体の力が抜けとろりとした目をしていると、スルトが僕を強く抱きしめて舌を絡めてきた。こいつ、初めてのときは余裕なかったのに、今じゃ僕の悦ぶことばっかりしてくる。匂いに慣れてきたってのは本当なんだ。

「スルトっ…」

「お前はほんとうに口づけが好きだな」

スルトは僕と一歳しか違わないのに、背が僕より10センチ以上高い。体もがっしりしていて、まるで自分が女になってしまったんじゃないかと錯覚してしまう。スルトのキスで力が抜けてしまった僕を抱きかかえ、余裕のある表情で問いかけた。僕の意見なんて聞く気ないくせに。

「紅茶はあとでいいか?」

「…スルトが淹れてよね」

「。貴族の俺がお前に茶を?おもしろいこと言うな」

そう言いながら傍にあったソファに押し倒される。シャツのボタンをちぎるように外し、舐めるように僕の上半身を見つめている。

「…そんな見ないでくださいよ」

「何度見ても美しいなお前の体は」

「息するように甘い言葉吐かないでくれますか」

「それにしてもお前の口だけはかわいくない」

そう言って僕の乳首を舌でつつく。それだけで甘い声を出してしまう。

「敏感になったものだな。はじめの頃と大違いだ」

「エドガーが…いっつもしつこいくらい触るから…ん…」

「おいケーゴ、今は俺としてるんだぞ。エドガーの名前なんか出すなよ」

「スルト、舐めながらしゃべらないで…」

スルトの左手が下に伸びる。つん、と指で触れ、くすりと笑った。

「口づけと胸でこんなになるんだな」

「なんでいっつもそういうこと口に出すかなあ?!僕は言葉責めとか好きじゃないから!」

「顔を真っ赤にしているお前がかわいいからだ」

ズボンをずらし、そっと握りゆっくりと手を上下させた。スルトの大きい手の感触は嫌いじゃない。

「あ…っ、はぁ…ん…」

「お前のその顔、たまらんな」

「ん…んん…ふっ…」

僕が手を伸ばすと、スルトは何も言わずに唇を重ねた。スルトの首にしがみつき、必死に舌を絡め合わせる。何かが体の奥から押し寄せてきて腰が浮いた。しかしその瞬間、またもスルトの手が止まる。

「~~~~!!!」

憎しみを込めた目でスルトを睨むと、「前も言っただろう。俺より先に達するなど許さん」と当然のように言い放った。

「ほんとっ!自己中!ドS!人でなし!」

「む。意味の分からん言葉ばかりだが良い意味ではないのは分かる」

「あのさ!普通だいたい受けの方が先イカせてもらえるの!知らんけど!」

「知らん。俺はいつもこうだ」

「文句とか言われなかったわけ?!」

「言うわけないだろう?相手が俺だぞ?」

「あああ甘やかされて育ったんだなあ!!!」

「お前くらいだぞ。俺にそんな口きくやつは」

「もうやだあこの人やだあ」

「文句は言い終わったか?そろそろ入れるぞ」

「頼むからゆっくりいれ…ひぐぁっ!」

いっつもこうだ。スルトは挿れるとき一気に奥まで突っ込む。しかもほとんどならしてくれない。今日なんて指一本すら入れなかった!おしり以外の前戯はわりと丁寧なのに、なぜか穴には厳しい。なんだこいつ。
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