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一年:二学期期末考査~二学期最終日
第十八話
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慣れない外出なんぞしたから疲れたのだろうか。それとも凪にちゅっちゅちゅっちゅされてあまり眠れなかったからだろうか。先生の話が全然頭に入ってこない。
「……」
頭重い。集中できない。思考がうまくできない。
「……く」
「……」
「理玖」
「……」
「おい、理玖っ」
「はっ」
肩を揺らされ、意識が戻った。凪が心配そうにこちらを見ている。
「授業終わったぞ」
「あ、ああ……」
「次、体育」
「おう……」
凪はじっと俺の顔を見つめてから、俺の額に手を当てた。
「もしかして熱ある?」
「分からん……」
「授業中も様子変だったよな」
「そうか……?」
「体育休んだ方がいいんじゃね? 保健室で寝といた方が……」
「あー……。そうしようかな。ちょっとしんどいし……」
「連れてこうか?」
「いや、いい。一人でいける」
だからちょっと離れてくれないか。女子も男子もこっち見ているからさ。お前の距離感バグッてんだよ。
俺はよろよろと立ち上がり、保健室に向かった。
保健室に入ってきた俺を見て、高梨先生がゆったり目じりを下げる。
「今日は仮病じゃなさそうだね」
「すみません。ちょっとしんどくて……」
体温を計ってみると、微熱程度でたいしたことはなかった。
「念のため、少し聴診するよ」
「はい……」
カッターシャツのボタンを外し、聴診器を当てられる。そのとき聴診器が乳首に当たり、冷たさに体がビクついた。
「つめたっ」
「わ、ごめん」
「いえ、大丈夫です。冷たかっただけなので」
「そう。……まあ、ちょっとした風邪だろうね。早退する? それとも一時間だけ休む?」
「ちょっと休ませてもらって、それから様子みてもいいですか」
「いいよ。無理はしないように」
カーテンで遮られたベッドで横になり、まどろんだ。
正直、体育の授業は嫌いだから休めて嬉しい。でもそれ以外の授業は休みたくない。休んでいる間に、凪にどんどん置いていかれそうで……
「理玖。りーく」
「ん……」
眠っている間に授業が終わったようだ。体操着のままの凪が俺を覗き込んでいた。
「凪……」
「熱あるんだって? 大丈夫?」
「うん……。ただの微熱だから……」
凪が俺の顔に手を当てる。すごく心配そうな顔をしている。大げさなヤツ。
「……俺のせい、かも」
「え……?」
「理玖、昨日疲れた顔してただろ? 慣れない外出なんかしたから……」
「まあ……疲れてたけど……」
「それなのに俺、理玖の服脱がせてさ……」
んー。その話は今してほしくないかな。
「理玖、イッたとき汗だくになってただろ。それなのに俺、そのまま上に乗っかって……」
「うん……そんなの気にしなくていいから黙れ……」
「それにシャワー浴びたあとも、髪乾かすよりも先にフェラさせたりしてさ……」
「うん。お前はここをどこだと思ってるんだ? 黙れ?」
「そのあともベッドの中で乳首舐めたりしてたし……。理玖、ずっと腹出してたもんな……」
「なあ、それわざとやってんの? 頼むからその口を閉じてくれねえかなあ?」
凪は泣きそうな顔で俺にキスした。
「なっ……。おま、ここ学校だぞっ。なにして……」
「ごめんなあ、理玖……」
「昨日のことはもういいから、今の素行を改めてほしい」
「今日看病しに行ってもいい? エロいことしないから……」
「いや、いらない。お前に移したくないし」
「じゃあ部活終わってから行くから……」
「なあ、さっきから俺の話全然聞いてなくない? 俺の声聞こえてる?」
そのとき、カーテンが開いた。高梨先生だ。
「鳥次くん。具合はどうかな?」
「あっ、大丈夫ですっ。ありがとうございましたっ」
「そう。お大事に」
俺はその場から逃げるように出て行った(凪を置いて)。
「……」
頭重い。集中できない。思考がうまくできない。
「……く」
「……」
「理玖」
「……」
「おい、理玖っ」
「はっ」
肩を揺らされ、意識が戻った。凪が心配そうにこちらを見ている。
「授業終わったぞ」
「あ、ああ……」
「次、体育」
「おう……」
凪はじっと俺の顔を見つめてから、俺の額に手を当てた。
「もしかして熱ある?」
「分からん……」
「授業中も様子変だったよな」
「そうか……?」
「体育休んだ方がいいんじゃね? 保健室で寝といた方が……」
「あー……。そうしようかな。ちょっとしんどいし……」
「連れてこうか?」
「いや、いい。一人でいける」
だからちょっと離れてくれないか。女子も男子もこっち見ているからさ。お前の距離感バグッてんだよ。
俺はよろよろと立ち上がり、保健室に向かった。
保健室に入ってきた俺を見て、高梨先生がゆったり目じりを下げる。
「今日は仮病じゃなさそうだね」
「すみません。ちょっとしんどくて……」
体温を計ってみると、微熱程度でたいしたことはなかった。
「念のため、少し聴診するよ」
「はい……」
カッターシャツのボタンを外し、聴診器を当てられる。そのとき聴診器が乳首に当たり、冷たさに体がビクついた。
「つめたっ」
「わ、ごめん」
「いえ、大丈夫です。冷たかっただけなので」
「そう。……まあ、ちょっとした風邪だろうね。早退する? それとも一時間だけ休む?」
「ちょっと休ませてもらって、それから様子みてもいいですか」
「いいよ。無理はしないように」
カーテンで遮られたベッドで横になり、まどろんだ。
正直、体育の授業は嫌いだから休めて嬉しい。でもそれ以外の授業は休みたくない。休んでいる間に、凪にどんどん置いていかれそうで……
「理玖。りーく」
「ん……」
眠っている間に授業が終わったようだ。体操着のままの凪が俺を覗き込んでいた。
「凪……」
「熱あるんだって? 大丈夫?」
「うん……。ただの微熱だから……」
凪が俺の顔に手を当てる。すごく心配そうな顔をしている。大げさなヤツ。
「……俺のせい、かも」
「え……?」
「理玖、昨日疲れた顔してただろ? 慣れない外出なんかしたから……」
「まあ……疲れてたけど……」
「それなのに俺、理玖の服脱がせてさ……」
んー。その話は今してほしくないかな。
「理玖、イッたとき汗だくになってただろ。それなのに俺、そのまま上に乗っかって……」
「うん……そんなの気にしなくていいから黙れ……」
「それにシャワー浴びたあとも、髪乾かすよりも先にフェラさせたりしてさ……」
「うん。お前はここをどこだと思ってるんだ? 黙れ?」
「そのあともベッドの中で乳首舐めたりしてたし……。理玖、ずっと腹出してたもんな……」
「なあ、それわざとやってんの? 頼むからその口を閉じてくれねえかなあ?」
凪は泣きそうな顔で俺にキスした。
「なっ……。おま、ここ学校だぞっ。なにして……」
「ごめんなあ、理玖……」
「昨日のことはもういいから、今の素行を改めてほしい」
「今日看病しに行ってもいい? エロいことしないから……」
「いや、いらない。お前に移したくないし」
「じゃあ部活終わってから行くから……」
「なあ、さっきから俺の話全然聞いてなくない? 俺の声聞こえてる?」
そのとき、カーテンが開いた。高梨先生だ。
「鳥次くん。具合はどうかな?」
「あっ、大丈夫ですっ。ありがとうございましたっ」
「そう。お大事に」
俺はその場から逃げるように出て行った(凪を置いて)。
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