上 下
26 / 39
第三章

大地の精液

しおりを挟む
「ふ……っ、ふぁっ……んっ……」

気持ちいいよ。めっちゃくちゃ気持ちいい。ぶっちゃけマリカちゃんとセックスするより、大地にケツいじられているときの方が興奮している。
でも、同じくらい虚しい。四つん這いになって幼馴染にケツ向けている自分を、快感の隙間に客観的に見て、羞恥心で死にたくなる。

うん、やっぱりこれはセックスじゃなくてオナニーだ。
一人でするよりもずっと虚しいオナニー。

「……大地っ……」
「ん?」
「この体位……すげーいやだ……っ。なんか、虚しすぎる……っ」
「そうか? 俺のこと見えねえほうがいいと思ったんだけど……。じゃあ、前からする?」
「ん……」

仰向けになった俺の隣に大地が寝そべった。大地はケツをいじりながら俺に顔を近づける。

(あ、キスするときの顔だ……)

って思って俺は微かに顎を上げた。
でも、途中で思いとどまったのか、大地は俺の首筋に顔をうずめただけだった。

「あぶねー。キスするとこだった」
「はは、やめろよな?」

……なんか初めて、浮気するヤツらの気持ちが分かった気がした。
俺、大地にせまられたら拒める気がしねえや。

「爽、ちんこパンパンだけど、流石に指じゃイケねえか?」
「ああ……さすがに……」

ちんこキツい。じんじんする。
大地は申し訳なさそうに笑う。

「ちんこもいじってやりてえけど、今のソウタロウはマリカちゃんのモンだしなあ……。触るわけにはいかねえよな」
「……あたりめーだろ」
「じゃあ、悪いけどちんこは自分でシゴいてくれよな」
「……まじかあ……」
「しょうがねえだろ」
「……」

大地に見られながら自分のちんこシコるとか考えらんねえ。
……って頭の中で毒づいていたのに、いつの間にか俺は必死にシゴいていた。快感って麻薬だな。一度知ったら、自制なんてできなくなる。

「あっ……! んっ、ふぁっ……っ、気持ちい……っ」
「……えっろ。お前、自分のちんこそうやっていじるんだな」
「見るなぁっ……、あぁ……っ、ん……っ、あっ、出るっ……」

自分の手に精液がかかる。
ビクビクしている俺から、大地はゆっくりと指を抜いた。

「満足したか?」
「ん……。付き合わせて悪いな……」
「気にすんなって! よがってる爽見るの好きだし。またやってやるから、自分でやるくらいなら俺呼べよ?」
「おう……」
「じゃ、俺、自分の部屋戻るわ。あー、ちんこきっつぅ」

そんなことをぼやきながら部屋を出ようとする大地を、俺は呼び止めた。

「あ? なんだ?」
「……お、おまえも、ここでシコッてけば」
「は? そんなのお前、嫌だろ?」
「べ、別に。俺のせいでそうなったんだし、ちょっとくらい……礼させろよ」
「礼って……」

大地は戸惑いながらもベッドに戻って来た。

「じゃあ、お前が俺のちんこシゴいてくれんの?」
「……おう」
「どういう風の吹きまわしだよ、お前ー」
「うるせぇ! 握ってやるから、さっきのことは忘れろ! いいな!?」
「さっきって……お前が自分のちんこシゴいで喘ぎまくってたことか?」
「言うなぁ! 忘れろぉぉっ!」

ゲラゲラ笑ったあと、大地はクソデカちんこを取り出した。わー、一カ月ぶりの大地ちんこ……。すっげ……。挿れられてぇ~……。……いや落ち着け俺。勃つなちんこ疼くなケツ。

俺はおそるおそる大地のちんこを握った。でけぇ~……。あったけぇ~……。挿れられてぇ~……。せめて舐めてぇ~……。
……せめて舐めたいってなに? ほんと落ち着け俺。興奮しすぎだ。

慣れない手つきでにゅこにゅこシゴくと、大地は目をつむったまま苦笑いに近い表情を浮かべた。

「おー。前に一回握ってもらったときも思ったけど、お前下手だなー」
「悪かったなあ! お前と違ってシゴき慣れてないもんでね!!」
「お前はオナニーするときもケツばっかだもんなあ」
「ひぅっ……う、うるせぇぇっ!」

でも……と、大地は俺を抱き寄せた。

「なんか幸せだからいいや」
「……」
「はあ……キスしてぇ……舐めてえ……挿れてえ……」
「……」

全部やればいいじゃん。無理矢理やってくれたらよかったのに。そうしてくれたら、俺は抵抗するふりだけして、被害者ぶれたのに。

お前が良いヤツなのが、この日だけは憎かった。

三十分シゴいても、大地の絶頂は一向に訪れない。

「爽~……悪いがお前の手コキじゃ一生イケねえわ……」
「うぅぅ……お前のちんこ強すぎだろぉ……」
「お前が下手すぎるんだわ……。……いつぞやみたいに、お前のケツいじりながらシコッてもいい?」
「……お前がその方がいいなら、別にいいけど……」

俺が四つん這いになると、早速大地がケツに指を突っ込んだ。

「ふ……んん……っ」
「だはは、一回じゃ満足できなかったのか? 一晩中いじってやろうか」
「うるせぇっ、さっさと自分のちんこの処理しやがれえ……っ」

そこに大地がいるのに、大地のちんこがあるのに、なんで抱き合えないんだよ。
っていうか大地を忘れようと思ってマリカちゃんと付き合ったのに、なんで俺はまた大地とこんなことやってんだ。

「んっ……爽、イキそ……っ」

大地の声が聞こえ、俺の口から心の声が突いて出てしまった。

「ケツにかけて……っ」
「っ……」

大地は何も応えず、俺のケツの穴を指で拡げ、そこに精液をぶちまけた。
俺のケツが、大地の精液を呑み込もうとヒクヒクしているのが分かる。

「爽、お前さ……」
「……!」

ケツに大地のちんこが当たる。ぐ……と押さえつけられる感覚に、全身がぞわぞわして、ちんこが勃った。
大地に挿れてもらえる。ずっと待っていた、大地のちんこ。

でも、すぐに大地はちんこをケツから離した。

「え……?」

狼狽えている俺に、大地はバツが悪そうに笑った。

「っぶねー……。 悪い! お前があんまり可愛いこというもんだから、思わず挿れそうになっちまったわ!」
「あ……うん……」
「お前にはマリカちゃんがいるんだから、さすがにセックスはしたらダメだよな」
「うん……」
「あー、今日の爽最高だったわー! しばらくオカズに困らねえわ! じゃあな、おやすみー!」
「おう……おやすみ……」

大地がいなくなった部屋で、俺は精液まみれのままベッドで横になっていた。
ケツについた大地の精液を掬い取り、光に当ててまじまじと見る。
ペロッと舐めて見ると、苦くて不味くて、とても呑めたもんじゃねえ。
俺は、大地の汗が沁み込んだシーツに顔をうずめながら、大地の精液でまみれた指で、もう一度自分でケツをいじってから寝た。

自分でやっててまじで気持ちわりい。いつからこんな変態になったんだ、俺。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

脅されて壁穴にアナルを10回押し付ける事になった俺

うずみどり
BL
いじめっ子が脅されて壁穴にアナルを10回押し付ける事になった。 脅迫の内容は「ホモだって言い触らされたくなければケツの中を洗ってローションを仕込み、壁に空いた穴にアナルを押し付ける事」そして「良いと言うまで尻を壁から離さない」、「こちらの言い付けを破ったらペナルティ」、「ちゃんと守れたら10回で終わらせてやる」。 こんな事で処女を散らすなんて……。けれど選ぶ余地はなかった。証拠写真をバラ撒かれたら人生が終わる。 10回だけ我慢するんだ……。 俺は相手が誰かもわからず、尻穴を差し出す事になった。 ヤッてるだけのエロ妄想短編……の筈が拗らせマンになりました。 そんな訳ねえよ! というツッコミはひとまず押さえてお読み下さい。 ※)少スカ、無理やり注意です!(今さら) ※)ムーンライトノベルズ様にも投稿してます。

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話

さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ) 奏音とは大学の先輩後輩関係 受け:奏音(かなと) 同性と付き合うのは浩介が初めて いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく

嫌がる繊細くんを連続絶頂させる話

てけてとん
BL
同じクラスの人気者な繊細くんの弱みにつけこんで何度も絶頂させる話です。結構鬼畜です。長すぎたので2話に分割しています。

処理中です...