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ピーターとの週末
はじめてのラブホ
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残念ながら、精液まみれのスーツを着てる僕を乗せてくれるタクシーはなかった。複数の精液の匂いと僕のΩ臭を嗅いで、「すみませんが別のタクシーで…」とドアを閉められる。3回連続で断られて心が折れた僕とピーターは、近くにあったラブホで一泊することにした。
「はあ。踏んだり蹴ったりだよ」
「すまぁぁん…」
「もう、気にしないで!ピーターが助けに来てくれたから中に出されずに済んだし」
「うぅぅ…」
「それよりさ、せっかくラブホ来たんだし楽しまない?僕ちょっと興味あったんだよね」
実は僕はラブホに行ったことがない。エドガーに出会うまではずっと僕かスルトの部屋(か大学)でいちゃいちゃしてたし、エドガーと出会ってからはずっとタワマンで致してたから。一緒に住んでるからそういうところ行く必要もないしね。
「ああ、そうだな…」
「ピーターは来たことあるんでしょ?」
「う…」
「ねえ、この際教えてよ」
僕はニヤニヤしながらピーターを小突いた。ピーターは顔を真っ赤にしながらボソボソと話す。
「…あるよ」
「何回くらい?」
「分からない…。数えてない」
「10回くらい?」
「それ以上は行ってるかな…」
「えー!すごー!」
「すごくない。行ったってどうせ最後までできなかったから」
「あー…」
「だから泊まったことないんだ。気まずくてささっと帰ってたから」
「あーー……」
「……」
「……」
気まずい沈黙が流れた。も、申し訳ない…。それ、僕のせいだし…。僕のせいでピーター、不能になっちゃってたし…。僕は雰囲気を変えたくて明るい声を出した。
「で、でも、今日は最後までできるよっ」
「えっ?」
「え?」
「……」
「……」
「し…していいのか…?」
「え?なんで?」
「いや…なんか…タワマン以外…というかエドガー様とスルト様の見えないところでするのは…その…悪いことをしている気になる…」
「ええ。どこでしたって一緒でしょ…」
ちなみに僕とピーターの部屋にはカメラが取り付けられてて、僕たちがセックスしてる動画をスルトとエドガーがオカズにしてるのを僕たちは知ってる。二人は僕たちの情事を「子犬の戯れ」と呼んでいる。なんだそれ。
ピーターはカメラがないところでするのはルール違反なんじゃないかと気にしてるようだった。
「あのさ、ピーター…」
「ん?」
「僕のわがままで悪いんだけどさ…。その…」
「?」
「僕、おっさんのちんこの感触まだ残ってるんだよね…」
「あ…」
「できたら上書きしてほしいんだけど…」
「……」
「だめ、かな…」
ピーターはぶんぶんと首を振った。よかった…。レイプ慣れしてるとはいえ、このまま一日を終えるのはちょっとつらい。っていうかレイプ慣れってなに。そんなことに慣れさせないで。
「俺で良ければ…消させて欲しい」
「うん…ありがとう」
ピーターがちゅ、とキスをした。それだけでおへそのあたりがヒュンとする。おっさんらに何されたって、なんの感情も湧き起らなかったのに。僕がちろっと舌を出すと、ピーターの舌が包んでくれた。長いキスをしているとどんどん体が熱くなってくる。僕を抱きしめるピーターの腕にも力が入り、僕のおへそにかたくなったものが当たった。
「ん…っ。ピーター…」
「ん?」
「先、お風呂入りたい…。体、おっさんの精液と唾液まみれなんだ、僕…」
「そうだな。早くきれいにしよう」
「うん」
「風呂溜めてくる。入浴剤入れる?」
「入れる!!泡風呂!!」
「えー」
「ラブホって言えば泡風呂でしょ!?」
「分かった。ちょっと待っててくれ」
「うん」
待ってる間、僕は暇つぶしにテレビを付けた。大音量でAVが流れちゃって慌てて消した。知らない人のセックス見たってなにも興奮しないし…。
次に食事のメニューをペラペラめくった。ラブホってこんなにおいしそうな料理あるの?うわー。おなかすいたなあ。なにか食べたい。僕は浴室にいるピーターに呼びかけた。
「ピーター!」
「なんだケイゴー」
「ごはん頼んでいいー?」
「ああ、頼もう。俺の分も頼んでくれるか?」
「分かった!なんでもいいー?」
「和食系があったらそれがいいー」
「はーい!」
和食系…和食系…あんまりないな…。あ、あった。ちなみに僕はパスタ。
タブレットで注文すると、しばらくして物音がした。ピーターが慣れた様子で入り口に行き、料理を持ってくる。
「ケイゴ…?」
「なに?」
「パスタは…ケイゴのだよな」
「うん」
「もしかして俺の食事って…」
「おかゆ」
「どうしてだケイゴ…」
「和食それしかなかった」
「俺は病人か?」
「だって和食がいいって言ったから…」
「ああ…うん…そうだな。うん、ありがとう…」
「た、足りなかったらまた注文したらいいよ」
「そうだな、うん」
結局ピーターは追加でからあげとかポテトとかたくさん頼んでた。おなかすいてたんだな。ちなみに僕はデザートにパフェを頼んだ。けっこうおいしかった。
「はあ。踏んだり蹴ったりだよ」
「すまぁぁん…」
「もう、気にしないで!ピーターが助けに来てくれたから中に出されずに済んだし」
「うぅぅ…」
「それよりさ、せっかくラブホ来たんだし楽しまない?僕ちょっと興味あったんだよね」
実は僕はラブホに行ったことがない。エドガーに出会うまではずっと僕かスルトの部屋(か大学)でいちゃいちゃしてたし、エドガーと出会ってからはずっとタワマンで致してたから。一緒に住んでるからそういうところ行く必要もないしね。
「ああ、そうだな…」
「ピーターは来たことあるんでしょ?」
「う…」
「ねえ、この際教えてよ」
僕はニヤニヤしながらピーターを小突いた。ピーターは顔を真っ赤にしながらボソボソと話す。
「…あるよ」
「何回くらい?」
「分からない…。数えてない」
「10回くらい?」
「それ以上は行ってるかな…」
「えー!すごー!」
「すごくない。行ったってどうせ最後までできなかったから」
「あー…」
「だから泊まったことないんだ。気まずくてささっと帰ってたから」
「あーー……」
「……」
「……」
気まずい沈黙が流れた。も、申し訳ない…。それ、僕のせいだし…。僕のせいでピーター、不能になっちゃってたし…。僕は雰囲気を変えたくて明るい声を出した。
「で、でも、今日は最後までできるよっ」
「えっ?」
「え?」
「……」
「……」
「し…していいのか…?」
「え?なんで?」
「いや…なんか…タワマン以外…というかエドガー様とスルト様の見えないところでするのは…その…悪いことをしている気になる…」
「ええ。どこでしたって一緒でしょ…」
ちなみに僕とピーターの部屋にはカメラが取り付けられてて、僕たちがセックスしてる動画をスルトとエドガーがオカズにしてるのを僕たちは知ってる。二人は僕たちの情事を「子犬の戯れ」と呼んでいる。なんだそれ。
ピーターはカメラがないところでするのはルール違反なんじゃないかと気にしてるようだった。
「あのさ、ピーター…」
「ん?」
「僕のわがままで悪いんだけどさ…。その…」
「?」
「僕、おっさんのちんこの感触まだ残ってるんだよね…」
「あ…」
「できたら上書きしてほしいんだけど…」
「……」
「だめ、かな…」
ピーターはぶんぶんと首を振った。よかった…。レイプ慣れしてるとはいえ、このまま一日を終えるのはちょっとつらい。っていうかレイプ慣れってなに。そんなことに慣れさせないで。
「俺で良ければ…消させて欲しい」
「うん…ありがとう」
ピーターがちゅ、とキスをした。それだけでおへそのあたりがヒュンとする。おっさんらに何されたって、なんの感情も湧き起らなかったのに。僕がちろっと舌を出すと、ピーターの舌が包んでくれた。長いキスをしているとどんどん体が熱くなってくる。僕を抱きしめるピーターの腕にも力が入り、僕のおへそにかたくなったものが当たった。
「ん…っ。ピーター…」
「ん?」
「先、お風呂入りたい…。体、おっさんの精液と唾液まみれなんだ、僕…」
「そうだな。早くきれいにしよう」
「うん」
「風呂溜めてくる。入浴剤入れる?」
「入れる!!泡風呂!!」
「えー」
「ラブホって言えば泡風呂でしょ!?」
「分かった。ちょっと待っててくれ」
「うん」
待ってる間、僕は暇つぶしにテレビを付けた。大音量でAVが流れちゃって慌てて消した。知らない人のセックス見たってなにも興奮しないし…。
次に食事のメニューをペラペラめくった。ラブホってこんなにおいしそうな料理あるの?うわー。おなかすいたなあ。なにか食べたい。僕は浴室にいるピーターに呼びかけた。
「ピーター!」
「なんだケイゴー」
「ごはん頼んでいいー?」
「ああ、頼もう。俺の分も頼んでくれるか?」
「分かった!なんでもいいー?」
「和食系があったらそれがいいー」
「はーい!」
和食系…和食系…あんまりないな…。あ、あった。ちなみに僕はパスタ。
タブレットで注文すると、しばらくして物音がした。ピーターが慣れた様子で入り口に行き、料理を持ってくる。
「ケイゴ…?」
「なに?」
「パスタは…ケイゴのだよな」
「うん」
「もしかして俺の食事って…」
「おかゆ」
「どうしてだケイゴ…」
「和食それしかなかった」
「俺は病人か?」
「だって和食がいいって言ったから…」
「ああ…うん…そうだな。うん、ありがとう…」
「た、足りなかったらまた注文したらいいよ」
「そうだな、うん」
結局ピーターは追加でからあげとかポテトとかたくさん頼んでた。おなかすいてたんだな。ちなみに僕はデザートにパフェを頼んだ。けっこうおいしかった。
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