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20歳の冬 就活(※)
就活
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一方スルト、エドガー、ピーターは、金曜から連絡がつかなくなった圭吾を必死に探していた。圭吾が行きそうな場所は全て探したが見つからず途方にくれていた。GPSも全て外されていたので探しようがない。彼らにはもう電話をかけ続けることしかできなかった。
そして日曜日の朝、やっと圭吾が電話に出た。…と思ったのだが、繋げられたテレビ電話に映る映像に3人は言葉を失った。
《はぁっ…あ…っ》
《おいしそうに舐めるね、圭吾くん》
《も…挿れてぇ…っ》
《私のものが欲しいのかい?》
《ほしい…あぁっ、あっ…!》
《分かった。じゃあおいで》
「っ…」
スマホに映されたのは、圭吾が自分たち以外のものを咥えこんでいる映像だった。映像の中の圭吾はそれから口を離したかと思えば、自らその男にまたがり屹立したものを受け入れる。受け入れただけで圭吾は射精していた。
《あぁぁっ…あぁっ…!》
《ふふ。もう出たのかい?我慢のできない子だね》
《あっ…、あぁっ…!》
《もうそんな夢中になって腰を振って…。きもちいいかい?》
《きもちい…っ、ん、あっ、あぁぁ…っ》
他人に激しく腰を振り快感に喘いでいる恋人。あまりのことにスルトがぽとりとスマホを落とした。エドガーも落としたスマホを拾おうとしない。二人の目から涙が一筋流れている。
ピーターはそんな二人を見て顔をしかめた。落ちたスマホを拾い、二人の肩を掴んで強く揺らす。
「スルト様!エドガー様!!なにを泣いているんですか?!お気を確かに持ってください!!どう見たってケイゴは今強いヒートになっています!!理性が保てないほど強い発情期です!!」
「っ!」
「電話口の声、聞き覚えがありませんか?!おそらくボーイズバーで飲んでいたイソザキとかいう人です!彼はα性が異常に強いんでしょう?!それに彼はあのときからケイゴを狙っていました!!きっとイソザキにホテルかどこかへ連れ込まれて発情期にされたんですよ!!発情期になったケイゴが彼のようなαに逆らえるわけがありません!!そうでしょう?!」
「っ…そ、そうだ、な…」
「お二人のお気持ちは分かります…、きっとすごくショックでしょう。でも…でも!傷ついたり泣くよりもっと先にすることがあるでしょう!ケイゴを助けに行かないと!!」
《…おやおや。君、バーで二人の保護者をしていた子かな?余計なことを言ってくれたねえ。今の圭吾くんを見せたら諦めてくれると思ったのに》
彼らの会話を聞いていた磯崎がめんどくさそうな声を出しているのが聞こえた。ピーターはムッとした顔で磯崎を怒鳴りつけた。
「貴様!!エドガー様とスルト様の大切なケイゴをそのような目にあわせて!!万死に値するぞ!!」
《見て分からないのかい?圭吾くんは自分から私を求めているんだよ》
「どうせ無理矢理発情期にして理性を失わせたんだろう!!この〇■×※!!!」
《心外だな。私は別に薬で彼を発情期にさせたわけではないよ。圭吾くんの体が私の精液を求めて勝手に発情期になったんだ。ねえ、圭吾くん?私の精液がほしいんだろう?》
《はやく出してぇ…っ!》
《私の精液が欲しいのかい?》
《欲しいっ…欲しいからはやく…!!》
《分かった。では彼らに君が私の精液を受け入れる姿を見てもらおうか》
磯崎はそう言うと、スマホをどこかに立てかけてベッド全体が映るようにした。圭吾をベッドへ横たえ、磯崎が覆いかぶさる。圭吾は彼の首に腕を巻き付け、激しいキスをした。スルトとエドガーはスマホから顔を背け歯を食いしばった。
「ぐ…っ、う…」
「もう…見たくないこんな…」
「見ないでください。ケイゴだってこんなところお二人に見られたくないでしょう…」
《あっ!!あぁっぁっ!!!》
《圭吾くん、出すよ。ずっとずっと君が欲しかったもの》
《あぁぁっ…!!!あ…ぁあ…》
それから圭吾の声が聞こえなくなった。どうやら気を失ったようだ。しばらくして息をきらせた磯崎の声が聞こえた。
《おや。見てくれていなかったのかい。残念だな》
「貴様いい加減にしろよ!スルト様とエドガー様にこのようなものを見せてどういうつもりだ!!」
《ああ、そうだった。話をしたくて電話に出たのに、圭吾くんが気持ち良すぎてセックスに夢中になってしまった。すまないね》
「…貴様ぁ…」
《ふふ。元気なのは君だけで、婚約者くんたちはだいぶこたえてるみたいだね。えーっと、スルトくんとエドガーくん、だっけ?》
「……」
「……」
《単刀直入に言おう。圭吾くんを私に譲ってくれないかな。譲ってくれたらお礼になんでもあげよう。圭吾くん以外のものをね。お金でもいいし、代わりの上質なΩを何人か紹介してあげてもいい。君たちならΩも喜ぶだろうしね》
「ふざけん…」
《おっと、君は静かにしていてくれるかな。私は今婚約者くんたちと話をしているんだ》
「うるさい!!俺だってケイゴを特別大切に思ってる!!貴様のようなものにケイゴは渡さない!!」
「…ピーター、ありがとう。あとは僕が話すよ」
今にもスマホを叩き割りそうなピーターを止め、エドガーがやっと口を開いた。スルトも目をごしごしこすったあと「俺もいける」とはっきりした声を出した。
そして日曜日の朝、やっと圭吾が電話に出た。…と思ったのだが、繋げられたテレビ電話に映る映像に3人は言葉を失った。
《はぁっ…あ…っ》
《おいしそうに舐めるね、圭吾くん》
《も…挿れてぇ…っ》
《私のものが欲しいのかい?》
《ほしい…あぁっ、あっ…!》
《分かった。じゃあおいで》
「っ…」
スマホに映されたのは、圭吾が自分たち以外のものを咥えこんでいる映像だった。映像の中の圭吾はそれから口を離したかと思えば、自らその男にまたがり屹立したものを受け入れる。受け入れただけで圭吾は射精していた。
《あぁぁっ…あぁっ…!》
《ふふ。もう出たのかい?我慢のできない子だね》
《あっ…、あぁっ…!》
《もうそんな夢中になって腰を振って…。きもちいいかい?》
《きもちい…っ、ん、あっ、あぁぁ…っ》
他人に激しく腰を振り快感に喘いでいる恋人。あまりのことにスルトがぽとりとスマホを落とした。エドガーも落としたスマホを拾おうとしない。二人の目から涙が一筋流れている。
ピーターはそんな二人を見て顔をしかめた。落ちたスマホを拾い、二人の肩を掴んで強く揺らす。
「スルト様!エドガー様!!なにを泣いているんですか?!お気を確かに持ってください!!どう見たってケイゴは今強いヒートになっています!!理性が保てないほど強い発情期です!!」
「っ!」
「電話口の声、聞き覚えがありませんか?!おそらくボーイズバーで飲んでいたイソザキとかいう人です!彼はα性が異常に強いんでしょう?!それに彼はあのときからケイゴを狙っていました!!きっとイソザキにホテルかどこかへ連れ込まれて発情期にされたんですよ!!発情期になったケイゴが彼のようなαに逆らえるわけがありません!!そうでしょう?!」
「っ…そ、そうだ、な…」
「お二人のお気持ちは分かります…、きっとすごくショックでしょう。でも…でも!傷ついたり泣くよりもっと先にすることがあるでしょう!ケイゴを助けに行かないと!!」
《…おやおや。君、バーで二人の保護者をしていた子かな?余計なことを言ってくれたねえ。今の圭吾くんを見せたら諦めてくれると思ったのに》
彼らの会話を聞いていた磯崎がめんどくさそうな声を出しているのが聞こえた。ピーターはムッとした顔で磯崎を怒鳴りつけた。
「貴様!!エドガー様とスルト様の大切なケイゴをそのような目にあわせて!!万死に値するぞ!!」
《見て分からないのかい?圭吾くんは自分から私を求めているんだよ》
「どうせ無理矢理発情期にして理性を失わせたんだろう!!この〇■×※!!!」
《心外だな。私は別に薬で彼を発情期にさせたわけではないよ。圭吾くんの体が私の精液を求めて勝手に発情期になったんだ。ねえ、圭吾くん?私の精液がほしいんだろう?》
《はやく出してぇ…っ!》
《私の精液が欲しいのかい?》
《欲しいっ…欲しいからはやく…!!》
《分かった。では彼らに君が私の精液を受け入れる姿を見てもらおうか》
磯崎はそう言うと、スマホをどこかに立てかけてベッド全体が映るようにした。圭吾をベッドへ横たえ、磯崎が覆いかぶさる。圭吾は彼の首に腕を巻き付け、激しいキスをした。スルトとエドガーはスマホから顔を背け歯を食いしばった。
「ぐ…っ、う…」
「もう…見たくないこんな…」
「見ないでください。ケイゴだってこんなところお二人に見られたくないでしょう…」
《あっ!!あぁっぁっ!!!》
《圭吾くん、出すよ。ずっとずっと君が欲しかったもの》
《あぁぁっ…!!!あ…ぁあ…》
それから圭吾の声が聞こえなくなった。どうやら気を失ったようだ。しばらくして息をきらせた磯崎の声が聞こえた。
《おや。見てくれていなかったのかい。残念だな》
「貴様いい加減にしろよ!スルト様とエドガー様にこのようなものを見せてどういうつもりだ!!」
《ああ、そうだった。話をしたくて電話に出たのに、圭吾くんが気持ち良すぎてセックスに夢中になってしまった。すまないね》
「…貴様ぁ…」
《ふふ。元気なのは君だけで、婚約者くんたちはだいぶこたえてるみたいだね。えーっと、スルトくんとエドガーくん、だっけ?》
「……」
「……」
《単刀直入に言おう。圭吾くんを私に譲ってくれないかな。譲ってくれたらお礼になんでもあげよう。圭吾くん以外のものをね。お金でもいいし、代わりの上質なΩを何人か紹介してあげてもいい。君たちならΩも喜ぶだろうしね》
「ふざけん…」
《おっと、君は静かにしていてくれるかな。私は今婚約者くんたちと話をしているんだ》
「うるさい!!俺だってケイゴを特別大切に思ってる!!貴様のようなものにケイゴは渡さない!!」
「…ピーター、ありがとう。あとは僕が話すよ」
今にもスマホを叩き割りそうなピーターを止め、エドガーがやっと口を開いた。スルトも目をごしごしこすったあと「俺もいける」とはっきりした声を出した。
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