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侯爵令息と同じベッドで寝ることになりました

第四十話

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 ◆◆◆
(ローランside)

 エディと夜を共にした翌朝、ロジェがモーニングティーを持ってきた。
 エディがまだ寝ていたので、僕はそっと上体を起こす。

「エディは起こさなくていいのですか?」
「ああ。寝かせといてやってくれ」
「かしこまりました」

 お茶を飲んでいる僕を、ロジェがちらちら盗み見ている。

「……なんだ、さっきから」
「失礼。ふふ」
「何を笑っている」
「いえ。顔色が良くなったなあと」
「……」
「やっと思う存分吐き出せたようですね」
「げっ、下世話なことを言うなっ!」
「失礼しました」

 ロジェは上機嫌で、鼻歌を口ずさんでいる。

「……僕に怒っているんじゃなかったのか?」
「ええ。怒っていましたよ」
「もう怒っていないのか?」
「はい。エディが許したんですから、私が怒る道理などございません」

 モーニングティーを飲み終えた僕に、ロジェが尋ねる。

「昨晩はいかがでしたか?」

 僕は頬を染め、ロジェから顔を背けたまま答えた。

「……幸せだった」

 エディは、恥ずかしいことに僕の気が済むまで付き合ってくれた。たくさん触れ合い、一緒に気持ち良くなって……。
 ロジェの言う通り、朝起きたとき、今までにないくらい体も頭も軽かった。きっと、エディのおかげだ。

「でも……少し不安だ」
「どうしてです?」
「最後までちゃんとできるのか不安だ。だって……僕はラット以外のとき、自分からしたことがないから……」

 ロジェは目を見開き、手に持っていたトレーを落とした。

「え? 昨晩、最後までしなかったんですか?」
「……」
「なぜ」
「そ、そんな焦ることでもないし」

 ロジェはジト目を僕に向ける。

「本音は?」
「……ちゃんとできるのか不安で、できなかった」

 ロジェは呆れたようにため息を吐いた。

「上手くいかないときは、私を呼べばいいのです。怖がっていたらいつまでも前に進みませんよ」
「……」


 ◆◆◆

 その日の夜――

「あっ……、んっ、ローラン様……っ」

 今晩も、僕はエディと裸同士で触れ合っていた。
 エディの体は敏感だ。どこに触れても、可愛らしい声で嬌声を上げる。
 その声を聞いているだけで、僕のペニスからカウパーが垂れる。

「エディ」
「ん……」

 キスをすると、エディは必死に僕にしがみつく。
 エディの汗からフェロモンが漂ってくる。心地よくも誘惑的で、さらに体が滾ってしまう。

 尻に指を入れられているときのエディは、快感で溺れそうな顔をしている。ときたま腰を浮かせ、ペニスまでビクビクと反応させながら、僕の名前を何度も呼ぶ。

「あっ……あっ、あっ、ローラン様……っ、そこっ……!」
「ここか?」

 言われたところを押し上げると、エディの体が跳ね上がった。

「あぁぁっ……!」
「っ」

 その瞬間、アナルが僕の指を締め付けた。それに……中が痙攣している。

「……?」
「あっ……あ……」

 射精したのかと思ったのだが、そうでもない。

「どうした? 痛かったか?」
「いえ……気持ちよくて……中で絶頂を……」

 中で絶頂。

「エディはペニスでもアナルでも絶頂を迎えるのか?」
「はいぃ……は、恥ずかしい……」
「恥ずかしがらなくていい」

 それなら、これからはペニスもアナルもたくさん絶頂させてやらないとな。

 そんなことを考えていると、エディがそっと僕の腕に触れた。

「ローラン様……あの……」

 彼のうるんだ瞳が、早く抱いてほしいと訴えかけてくる。

「……」

 僕はこっそり深呼吸をして、エディの膝に手を乗せる。

「エディ。今晩は……最後までしてもいいか?」
「っ!」

 エディはコクコクと頷き、自ら脚を開いた。

「……ください」

 なんて誘惑的なんだ。そんなことをされては、挿入する前に射精してしまうだろう。

 僕はぎこちなく、ペニスをエディの体に当てる。

「……? ? ……?」

 しかし、上手く入らない。

「……? ……!」

 四苦八苦してから、やっと気付いた。
 僕は……女としか性交をしたことが、ない。
 挿入するところの位置が……違う。

「……? ……?」

 難しい。自然な体勢ではとてもじゃないが挿れられない。
 M字に開いているエディの脚の、太ももの裏を強く押し込めば、アナルがこちらを向いて挿れられそうなのだが……。それだと両手が塞がるためペニス位置の調整ができない。

「……ローラン様……?」
「っ」

 エディが不安そうに僕の名を呼んだ。僕はカッと顔を赤らめ、謝った。

「す、すまない、エディ……。うまくできない……」

 エディにこんな恥ずかしい格好をさせておいて、上手くできないだなんて。
 そんな僕に、エディが優しく声をかけてくれる。

「全然大丈夫ですから、そんな顔しないでください」
「……すまない」

 それからしばらく頑張ってみたが、やはり一人では上手くできなかった。

「くそっ……」

 これだけはしたくなかったが……仕方ない。

「ロジェ」
「はい」

 名前を呼ぶと、すぐさまロジェが駆けつけた。やはり、部屋の前で待機していたようだ。

 僕は恥を忍んでロジェに助けてもらうことにした。

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