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婚約破棄後の没落姫様
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「婚約破棄……して貰えないか?」
私が聞いたのは、彼の悲しげな言葉だった。
何故か分からなかった。
私の何がいけないのか。
私が全部悪いの?
「私の…所為かしら?」
私はキャラメル色の髪に黄金の瞳。
彼は藍色に碧の瞳で。
お似合いだと言われ、
愛し合っていた。
筈だった
一体なぜ、婚約破棄を言われなければならないのだろう。
「否。君の所為では無いんだ。
唯、僕には少し荷が重かった。
公爵令嬢の君と結婚してしまえば、
僕は王太子になるんだ。
兄さんとの関係も悪化させたくなかった
それに、僕、王太子になりたくない。
だから、ごめん」
「え……」
それだけ。
たったそれだけだった。
他に好きな人が出来た訳でもない。
自分が、
王太子になりたくないから。
兄との関係を悪化させたくないから。
『それだけ』
私は何も悪く無いわ。
そう。何も、何も悪くない。
「構いませんわよ」
精一杯の笑顔で言った
首を横に傾げ、
精一杯口角を上げ、
溢れる涙を無視して笑った。
夜。皆が私を笑った。
王妃の座を降りた。
捨てられた令嬢だと。
ウワサをする。
侍女の声が煩い。
母様の声が煩い。
父様の声が煩い。
元婚約者の声が煩い。
イライラする。
母譲りの綺麗な髪も、毎日丁寧に整えていたのはあなたの為。
父譲りの綺麗な瞳も、貴方を見る為だけにあるようなものだった。
貴方を愛してた。
本当に。
イライラする。
私が聞いたのは、彼の悲しげな言葉だった。
何故か分からなかった。
私の何がいけないのか。
私が全部悪いの?
「私の…所為かしら?」
私はキャラメル色の髪に黄金の瞳。
彼は藍色に碧の瞳で。
お似合いだと言われ、
愛し合っていた。
筈だった
一体なぜ、婚約破棄を言われなければならないのだろう。
「否。君の所為では無いんだ。
唯、僕には少し荷が重かった。
公爵令嬢の君と結婚してしまえば、
僕は王太子になるんだ。
兄さんとの関係も悪化させたくなかった
それに、僕、王太子になりたくない。
だから、ごめん」
「え……」
それだけ。
たったそれだけだった。
他に好きな人が出来た訳でもない。
自分が、
王太子になりたくないから。
兄との関係を悪化させたくないから。
『それだけ』
私は何も悪く無いわ。
そう。何も、何も悪くない。
「構いませんわよ」
精一杯の笑顔で言った
首を横に傾げ、
精一杯口角を上げ、
溢れる涙を無視して笑った。
夜。皆が私を笑った。
王妃の座を降りた。
捨てられた令嬢だと。
ウワサをする。
侍女の声が煩い。
母様の声が煩い。
父様の声が煩い。
元婚約者の声が煩い。
イライラする。
母譲りの綺麗な髪も、毎日丁寧に整えていたのはあなたの為。
父譲りの綺麗な瞳も、貴方を見る為だけにあるようなものだった。
貴方を愛してた。
本当に。
イライラする。
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