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仲直り、ですね!
しおりを挟む「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・!」
ポロポロと涙を流しながら謝罪を続けるリリー。
そっと、格子越しに手を伸ばして手を取りました。
私が知っているそれよりも、ずっと細く、ボロボロになってしまったリリーの手。
労わるようにそれを両手で包み込み、精一杯の笑顔をリリーに向けました。
「リリー。」
グスッと鼻をすすりながら、私を見つめ返すリリー。
涙でぬれた瞳に、ぼやけた私が映ります。
「私には、家族がいて、幼馴染もいます。みんな、とても大切な人たちです。」
父さまやカリン、シン、カイの顔を思い出すと、不思議と胸が暖かくなります。
大切で、大好きな人たち。
「私は、彼らが私に助けを求めてきたのなら、何を犠牲にしてでもその手を取ると心に決めています。」
その決意をしたのは、いつだったでしょうか・・・
初めてみんなと出会ったとき?
優しい声で、私の名前を呼んでくれたとき?
優しく、でも厳しく、私を叱ってくれたとき?
今まで彼らが私にくれた思い出は、どれも幸せなものばかりで。
その一つ一つが、私の決意に結びついています。
「だから、リリー。間違ってません。私がリリーの立場でも、リリーと同じようにします。」
キュッと、手に力をこめる。
大事な、今となっては唯一の肉親と、出会ったばかりの身元不明の少女。
どちらをとるかなんて。考えるまでもありません。
「自分を責めないでください。誇ってもいいはずです。大切な人を、守り抜けたのですから。」
暗い地下牢に、リリーのすすり泣く声が響きます。
「ごめんね、ごめんね、エリン・・・ありがとう。」
涙を浮かべながら、それでも見せてくれた笑顔は、とても綺麗で・・・
そこだけパアッと光がさしたような気になりました。
それを見ていると、私も嬉しくなってしまいます。
2人で顔を見合わせて、クスクスっと笑いました。
「仲直り、ですね!」
「うん!」
「俺も話したいことがあるのだが・・・いいか?」
ほのぼのとした空間に割って入った声は、先ほどまではいなかった人のもの。
「・・・レオン様?」
階段の上、フィリップ様の後ろで不敵に笑う、第二王子様でした。
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