97 / 105
高校生編 7月
暴露 2
しおりを挟む
「あと、僕も知っていましたよ。」
柔らかな口調が耳に飛び込む。
視線を移せば、困ったように微笑むレオ先輩が。
・・・このまま誤魔化しても、バレなかったはずなのに。
なんでわざわざ、知っていたことを暴露してるのこの人!
「さすがに朱雲家ということは知りませんでしたが、能力者であること、知っていました。きっかけは、まあ、4属性の妖怪が一気に現れて、危機一髪、って時に助けてもらったんです。」
柔らかな、それでいてどこか熱の篭った視線に晒されて、思わず俯く。
なんか、ちょっと苦手だなレオ先輩。
「ま、待てよっ!コイツは土の能力者だろっ!?さっきから見てれば、一体どういうことだよ!」
「あ?どういうことだ、それ。・・・青竹。」
・・・墓穴掘った!青竹くん、バカ!?
それ、私が能力者だって知ってましたって言ってるようなもんじゃん!
青竹くんも、しまった、というような顔をしている。
「お前も知ってたのか、青竹。」
「あ、あのっ!私が青竹くんの感謝の思いを利用しただけで!」
「ちげーよ。」
問い詰める富金原先輩、フォローしようとした私に、遮った青竹くん。
カオスだ。
「妖怪に襲われてるとこをコイツに助けてもらったんだよ。能力者ってことは、そん時に知った。てっきり土の能力者だって思ってたけどな。ああでも、そういうことか。あん時、たしかに俺は怪我したはずなのに目覚めたらかすり傷一つなかった。・・・あれ、お前が治してくれたんだな。」
いまさらだけどありがとな、と言われてとりあえずあいまいに頷く。
「つまり、桐谷さん・・・いや、朱雲さん?紛らわしいなそれ。蒼来は、一体何属性持ってるの?」
紫月先輩と同じように名前呼びに変更した白川くんの問いかけに、私は微笑んだ。
「火よ、水よ、土よ、風よ。その力を示せ。」
口で言うよりも見せた方が早い。
百聞は一見に如かずってね。
柔らかな口調が耳に飛び込む。
視線を移せば、困ったように微笑むレオ先輩が。
・・・このまま誤魔化しても、バレなかったはずなのに。
なんでわざわざ、知っていたことを暴露してるのこの人!
「さすがに朱雲家ということは知りませんでしたが、能力者であること、知っていました。きっかけは、まあ、4属性の妖怪が一気に現れて、危機一髪、って時に助けてもらったんです。」
柔らかな、それでいてどこか熱の篭った視線に晒されて、思わず俯く。
なんか、ちょっと苦手だなレオ先輩。
「ま、待てよっ!コイツは土の能力者だろっ!?さっきから見てれば、一体どういうことだよ!」
「あ?どういうことだ、それ。・・・青竹。」
・・・墓穴掘った!青竹くん、バカ!?
それ、私が能力者だって知ってましたって言ってるようなもんじゃん!
青竹くんも、しまった、というような顔をしている。
「お前も知ってたのか、青竹。」
「あ、あのっ!私が青竹くんの感謝の思いを利用しただけで!」
「ちげーよ。」
問い詰める富金原先輩、フォローしようとした私に、遮った青竹くん。
カオスだ。
「妖怪に襲われてるとこをコイツに助けてもらったんだよ。能力者ってことは、そん時に知った。てっきり土の能力者だって思ってたけどな。ああでも、そういうことか。あん時、たしかに俺は怪我したはずなのに目覚めたらかすり傷一つなかった。・・・あれ、お前が治してくれたんだな。」
いまさらだけどありがとな、と言われてとりあえずあいまいに頷く。
「つまり、桐谷さん・・・いや、朱雲さん?紛らわしいなそれ。蒼来は、一体何属性持ってるの?」
紫月先輩と同じように名前呼びに変更した白川くんの問いかけに、私は微笑んだ。
「火よ、水よ、土よ、風よ。その力を示せ。」
口で言うよりも見せた方が早い。
百聞は一見に如かずってね。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
転生したら避けてきた攻略対象にすでにロックオンされていました
みなみ抄花
恋愛
睦見 香桜(むつみ かお)は今年で19歳。
日本で普通に生まれ日本で育った少し田舎の町の娘であったが、都内の大学に無事合格し春からは学生寮で新生活がスタートするはず、だった。
引越しの前日、生まれ育った町を離れることに、少し名残惜しさを感じた香桜は、子どもの頃によく遊んだ川まで一人で歩いていた。
そこで子犬が溺れているのが目に入り、助けるためいきなり川に飛び込んでしまう。
香桜は必死の力で子犬を岸にあげるも、そこで力尽きてしまい……
凶から始まる凶同生活!
風浦らの
ファンタジー
佐藤恭は生まれついての凶運の持ち主。おみくじを引けば引くのは決まって『凶』だ。
そんな彼はある日悪魔と出会った。この悪魔の栄養源は運の悪いことに人間の幸運。
運の無い男と運を食べる悪魔との『今日から始まる共同生活!』
※ハートフルのちコメディ時々バトル。
伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃんでした。
実際に逢ってみたら、え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこいー伴侶がいますので!
おじいちゃんと孫じゃないよ!
転生ヒロインは方言がなおらない
玲於奈
恋愛
「なんで私をおいていくと?!母さん死なんでよ!!」
ずっと一緒に暮らしていた母親の亡骸を抱いて感情の赴くままに叫んだ瞬間、前世の記憶を思い出した私。
(あ、私、ヒロインやわ。)
前世で友人がプレイしていた乙女ゲーのヒロインに転生したけど、あんま内容覚えてないし、普通にモブとして生きたい。
ヒロイン役とかダルすぎる、普通に生きると決心したのに、
……え?平民血筋じゃない??
……え??実は双子??
……え???先天的な精霊の加護?
……え????知らない間に最高位精霊と契約??
全っぜんストーリーと話が違うんやけど!?!?
しかもそれ以前に、
…前世の方言がなおらない。
これは、地味に生きようとすればするほど目立ってしまう、前世訛り口調の美少女(自覚なし)の話。
*主人公の方言は、作者自身の地元の訛りで、訛ってはいれども標準語に近いとは自負しておりますが、万が一分からない表現があれば、ルビを振りますので、感想にてお問い合わせください。m(._.)m
*なろうさんでも掲載してます。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
あなたに愛や恋は求めません
灰銀猫
恋愛
婚約者と姉が自分に隠れて逢瀬を繰り返していると気付いたイルーゼ。
婚約者を諫めるも聞く耳を持たず、父に訴えても聞き流されるばかり。
このままでは不実な婚約者と結婚させられ、最悪姉に操を捧げると言い出しかねない。
婚約者を見限った彼女は、二人の逢瀬を両親に突きつける。
貴族なら愛や恋よりも義務を優先すべきと考える主人公が、自分の場所を求めて奮闘する話です。
R15は保険、タグは追加する可能性があります。
ふんわり設定のご都合主義の話なので、広いお心でお読みください。
24.3.1 女性向けHOTランキングで1位になりました。ありがとうございます。
空間魔法って実は凄いんです
真理亜
ファンタジー
伯爵令嬢のカリナは10歳の誕生日に実の父親から勘当される。後継者には浮気相手の継母の娘ダリヤが指名された。そして家に置いて欲しければ使用人として働けと言われ、屋根裏部屋に押し込まれた。普通のご令嬢ならここで絶望に打ちひしがれるところだが、カリナは違った。「その言葉を待ってました!」実の母マリナから託された伯爵家の財産。その金庫の鍵はカリナの身に不幸が訪れた時。まさに今がその瞬間。虐待される前にスタコラサッサと逃げ出します。あとは野となれ山となれ。空間魔法を駆使して冒険者として生きていくので何も問題ありません。婚約者のイアンのことだけが気掛かりだけど、私の事は死んだ者と思って忘れて下さい。しばらくは恋愛してる暇なんかないと思ってたら、成り行きで隣国の王子様を助けちゃったら、なぜか懐かれました。しかも元婚約者のイアンがまだ私の事を探してるって? いやこれどーなっちゃうの!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる