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高校生編 7月
冷たさとぬくもり
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ギィィィィ・・・
重たげな音と共に、ゆっくりと扉が開かれていく。
そして。
「カイとリュウに近づくから、こんなことになるんだよ。・・・もう、二人には近づくな。」
ヒヤリとするくらい恐ろしい響きをはらんだ声と、背筋が凍るほどの冷たい翡翠の瞳。
意識が落ちる寸前に、色素の薄い、青色の髪が揺れるのは、私は見ていた。
***
「ソラ・・・ごめんね。僕のせい、だよね」
耳朶をつく、優しい響き。
先ほどの、冷たい響きの声の持ち主とは違う。
「僕がいけないんだ。・・・何もかも、中途半端だから。」
でも、その優しい声は今、後悔に打ちひしがれていて。
目を開けたいのに、あかない。
声にだして、私は大丈夫だよって言いたいのに、口が開かない。
「ねえ・・・僕は、どうしたらいいのかな。」
あなたを抱きしめて、頭を撫でてあげたいのに。
・・・あの日のように。
なのに、体が動かない。
「もう少しだけ、もう少しだけ、時間を僕に。」
今度会うときには、ちゃんとお兄ちゃんになるから。
だからお願い、と囁く彼。
何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
全く意味の分からないことを言われて、混乱した。
でも・・・
「ごめんね、ソラ。」
私の頬にポタリと温かな滴が落ちてきて。
その慈愛に満ちた声に。
待ってるから。
だから、早く戻ってきて。
あんまり私を1人にしないで。
そう、思った。
だって私は、あなたが・・・カイお兄ちゃんが、とても優しい瞳で今も私を見てくれていることを、知っているから。
カイお兄ちゃんを信じなかったら、誰を信じるのってくらい、信じ切っちゃっているから。
あーあ、ダメなのになあ。
信じ切っちゃうなんて、私のバカ。
でもなんでだろう。
ゆっくりと私を抱えたまま歩くカイお兄ちゃんから聞こえる鼓動が。
私を包んでいるぬくもりが。
心に感じる感情が。
温かで、心地よくて。
このままずっとこうしていたいなあって思ってしまうんだ。
重たげな音と共に、ゆっくりと扉が開かれていく。
そして。
「カイとリュウに近づくから、こんなことになるんだよ。・・・もう、二人には近づくな。」
ヒヤリとするくらい恐ろしい響きをはらんだ声と、背筋が凍るほどの冷たい翡翠の瞳。
意識が落ちる寸前に、色素の薄い、青色の髪が揺れるのは、私は見ていた。
***
「ソラ・・・ごめんね。僕のせい、だよね」
耳朶をつく、優しい響き。
先ほどの、冷たい響きの声の持ち主とは違う。
「僕がいけないんだ。・・・何もかも、中途半端だから。」
でも、その優しい声は今、後悔に打ちひしがれていて。
目を開けたいのに、あかない。
声にだして、私は大丈夫だよって言いたいのに、口が開かない。
「ねえ・・・僕は、どうしたらいいのかな。」
あなたを抱きしめて、頭を撫でてあげたいのに。
・・・あの日のように。
なのに、体が動かない。
「もう少しだけ、もう少しだけ、時間を僕に。」
今度会うときには、ちゃんとお兄ちゃんになるから。
だからお願い、と囁く彼。
何を言っているのか、さっぱり分からなかった。
全く意味の分からないことを言われて、混乱した。
でも・・・
「ごめんね、ソラ。」
私の頬にポタリと温かな滴が落ちてきて。
その慈愛に満ちた声に。
待ってるから。
だから、早く戻ってきて。
あんまり私を1人にしないで。
そう、思った。
だって私は、あなたが・・・カイお兄ちゃんが、とても優しい瞳で今も私を見てくれていることを、知っているから。
カイお兄ちゃんを信じなかったら、誰を信じるのってくらい、信じ切っちゃっているから。
あーあ、ダメなのになあ。
信じ切っちゃうなんて、私のバカ。
でもなんでだろう。
ゆっくりと私を抱えたまま歩くカイお兄ちゃんから聞こえる鼓動が。
私を包んでいるぬくもりが。
心に感じる感情が。
温かで、心地よくて。
このままずっとこうしていたいなあって思ってしまうんだ。
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