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高校生編 7月
閉じ込められた?
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「は・・・?」
ガチャン、と音をたてて閉められた扉に、私は思わず唖然としてしまった。
青竹くんと話してから早数日。
覚悟していたことではあったけど、学校内で彼に話しかけられることも増え、私に接触してくる光陰部のメンバーはこのところ目に見えて増えてしまった。
それをよく思わない人は当然いるわけで。
「これって、もしかしてアレ?倉庫に閉じ込められた感じ?」
ただ今監禁中です。
・・・え、何これ。
本当に私、監禁されてる?
こんなの小説の中の話だと思ってた・・・
「・・・蒸し暑い。熱中症なっちゃいそう。」
今、7月です。
こんな窓一つない倉庫に閉じ込められたら、ほんと暑さで死ぬ。
それが狙いなのか?
いやでも、殺人とか企めるような子たちじゃないよね。
ツーッと垂れてきた汗をぬぐい、制服の胸元をつかんでパタパタとあおいだ。
たいして涼しくない。
「これ、いつまで続くのかなー・・・」
ちゃんと限界を見計らって助けに来てくれるのだろうか。
来てくれなかったら・・・本当にやばい。
ああでも、本当、しくじったなー。
なんであっさり捕まっちゃったんだろう。
遠い目をして、私はことの始まり、今朝のことを思い出した。
***
朝、いつも通り学校に登校した私は、靴箱に手紙が入っているのに気づいた。
初めてのことではなかったので、驚きもなく、とりあえずその場で読むことに。
『放課後、体育館裏に。』
なんともまあ、ベタな言葉が書かれてあって。
今までのは『光陰部のみなさまに近づくな。』って感じだったから、お呼び出しは珍しいなあなんて新鮮に感じていた。
実はけっこう小さなイジメというほどでもないいやがらせが多発していて、特に実害があるわけでもなかったのだが一度行ってみようと思ってしまった。
一度会って、ガツンと言ってやめてもらえればいいなと思っていたから。
けどねえ。
まさか出会ってそうそう、威圧する前に倉庫の中にひきずりこまれるなんて、さすがの私も想像していなかった。
***
そうして今にいたる。
「ハア・・・」
思わずため息をついてしまう。
何がどうしたって、暑さには耐えられない。
力を使って風を吹かせようにも、こんな暑い空気じゃさらに暑くなりそう。
「そろそろ、やばいかも・・・」
閉じ込められてからどのくらい時間が経ったかは知らないけど、頭がふらふらして気持ち悪くなるくらいには経ったと思う。
あー、ほんとにこれ、熱中症で死んじゃうかも。
どうせいずれ死ぬとはいえ、倉庫の中ではさすがに死にたくないなあ。
しかも死因が熱中症なのは嫌。
マズいマズいと頭の中で警鐘がなり始めた時だった。
鍵をかけられたはずの扉が、ゆっくりと開いたのは。
ガチャン、と音をたてて閉められた扉に、私は思わず唖然としてしまった。
青竹くんと話してから早数日。
覚悟していたことではあったけど、学校内で彼に話しかけられることも増え、私に接触してくる光陰部のメンバーはこのところ目に見えて増えてしまった。
それをよく思わない人は当然いるわけで。
「これって、もしかしてアレ?倉庫に閉じ込められた感じ?」
ただ今監禁中です。
・・・え、何これ。
本当に私、監禁されてる?
こんなの小説の中の話だと思ってた・・・
「・・・蒸し暑い。熱中症なっちゃいそう。」
今、7月です。
こんな窓一つない倉庫に閉じ込められたら、ほんと暑さで死ぬ。
それが狙いなのか?
いやでも、殺人とか企めるような子たちじゃないよね。
ツーッと垂れてきた汗をぬぐい、制服の胸元をつかんでパタパタとあおいだ。
たいして涼しくない。
「これ、いつまで続くのかなー・・・」
ちゃんと限界を見計らって助けに来てくれるのだろうか。
来てくれなかったら・・・本当にやばい。
ああでも、本当、しくじったなー。
なんであっさり捕まっちゃったんだろう。
遠い目をして、私はことの始まり、今朝のことを思い出した。
***
朝、いつも通り学校に登校した私は、靴箱に手紙が入っているのに気づいた。
初めてのことではなかったので、驚きもなく、とりあえずその場で読むことに。
『放課後、体育館裏に。』
なんともまあ、ベタな言葉が書かれてあって。
今までのは『光陰部のみなさまに近づくな。』って感じだったから、お呼び出しは珍しいなあなんて新鮮に感じていた。
実はけっこう小さなイジメというほどでもないいやがらせが多発していて、特に実害があるわけでもなかったのだが一度行ってみようと思ってしまった。
一度会って、ガツンと言ってやめてもらえればいいなと思っていたから。
けどねえ。
まさか出会ってそうそう、威圧する前に倉庫の中にひきずりこまれるなんて、さすがの私も想像していなかった。
***
そうして今にいたる。
「ハア・・・」
思わずため息をついてしまう。
何がどうしたって、暑さには耐えられない。
力を使って風を吹かせようにも、こんな暑い空気じゃさらに暑くなりそう。
「そろそろ、やばいかも・・・」
閉じ込められてからどのくらい時間が経ったかは知らないけど、頭がふらふらして気持ち悪くなるくらいには経ったと思う。
あー、ほんとにこれ、熱中症で死んじゃうかも。
どうせいずれ死ぬとはいえ、倉庫の中ではさすがに死にたくないなあ。
しかも死因が熱中症なのは嫌。
マズいマズいと頭の中で警鐘がなり始めた時だった。
鍵をかけられたはずの扉が、ゆっくりと開いたのは。
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