133 / 144
ミレイ少佐
しおりを挟む
先頭部隊から聞こえてくる「魔法だ!」とか「敵襲!」といった叫び声で、戦闘から二番めに位置する部隊の隊長ミレイ少佐は状況を理解し腹を立てた。
「青瓢箪のクーララが小癪なマネを!」
こんな口調だが、この二番隊の隊長は若い女性だ。 短く切り揃えられた髪の黒さと対照的に色白の整った顔立ち、そしてモデルならカリスマ級のスタイルすなわち9頭身の長身と病的な痩躯。 「青瓢箪」という形容がふさわしいのは、ほかならぬミレイ少佐であった。
ミレイ少佐は配下の兵士150人に命令を出す。
「進め、進め! 一番隊を押しのけて進め。 やり逃げを許すな!」
ミレイ少佐の体つきは戦士には見えないが、それでも彼女は強い。 マナ輸送体と結合したマナが身体能力の強化に十全に作用する体質なのだ。 筋力・反応速度・知覚能力どれをとってもピカイチ、帝国軍で十指に入る強者である。
そんなミレイ少佐が率いる二番隊も勇猛果敢。 獰猛と言ってもいい。 一番隊が斥候部隊を擁する索敵向きの部隊なのに対し、二番隊は突撃向きの部隊だ。
二番隊は一番隊を荒々しく押しのけて軍勢の先頭に躍り出ると、他の部隊を置き去りにして進み始める。 そのスピードが目が覚めるほどに速い。 それなりに重い荷物を背負っていてなお、競歩の選手も真っ青の速度だ。
遮二無二に突き進み、《幻影》で作られた偽りの風景を通り抜けたミレイ隊。 その目前に真実の風景がさらけ出される。 真実の風景といっても、1つの点を除けば偽りの風景と変わらない。 その1つの点とは、500mほど前方を進むクーララ部隊の後ろ姿である。
小癪なクーララ部隊の姿を見つけたミレイ少佐は大喜びで舌なめずり。
「いたわね、小癪部隊!」
そして血気に逸る部下たちを解き放つ。
「かかれ! 皆殺しだ」
ミレイ隊一同は背負っていた荷物を地面に投げ出すと、クーララ部隊に向かって恐ろしい速度で突進する。 前方を進むヒモネス隊の姿が次第に大きくなり、ミレイ隊が立てる足音に気づいたクーララ兵士が恐怖の表情を浮かべ振り向く。 しかし、もはやヒモネス隊にミレイ隊の暴力を逃れる途はない。 これ以上速く歩けないし、今から呪文を唱えても間に合わない。
「うらぁ!」「とうっ!」「ちぇい!」
ミレイ隊は思い思いの掛け声とともにヒモネス隊に襲いかかった。 ここまでダッシュしてきたこともあり、ミレイ隊は誰一人として剣を抜いていない。 みな徒手空拳である。 しかし、彼らにはそれで十分。 強力な戦闘力を誇るザンス兵の蹴りに首の骨を折られ、あるいは拳で内臓を破壊され、後ろのほうを歩いていたヒモネス隊員10数人があっという間に戦闘不能に陥った。
「イショナっ!」
叫んだのはナヤス。 イショナは仲良しの女の子と後ろのほうを歩いてたところを、ザンス兵に殴打された。 殴られたのは腹部だが内臓を傷めたのだろう、口と鼻から血を流して地面に倒れている。
少し前を歩いていたナヤスは中腰になってイショナに近づき抱き起こそうとするが、混乱のさなかにあってイショナに手が届かない。 仲間たちに突き飛ばされ、手の甲をブーツの踵に踏まれ、それでもイショナに手を伸ばすナヤス。 その彼の脇腹にザンス兵の蹴りが炸裂する。 「ぐあっ」 蹴りはナヤスの肋骨をいとも簡単に破壊し、ナヤスは1mほど吹っ飛んで意識を失った。
◇◆◇
「おらぁ!」「ふんっ」「せいッ!」
弱兵相手の戦闘を謳歌するミレイ隊、逃げ惑うヒモネス隊。 さながら狼と羊である。 しかし羊の群れにも獅子が一匹混じっていた。 ヒモネス中佐だ。
「🐆」
ヒモネス中佐は圧縮詠唱で《加速》の呪文を唱えると、混乱を巧みにかいくぐって隊列の後方へ移動し、一方的に攻撃を加えるザンス兵に肉薄。 鞘から剣を抜くと、ザンス兵の腕や足を切り飛ばしたり胴体を切り裂いたりして、あっという間に敵兵数人の戦闘能力を奪った。
ヒモネスの剣は何の変哲もない鋼鉄製だが、マナを剣に纏わせているため切れ味が尋常ではない。 ミレイ隊が着用する革の鎧などスパスパと切ってしまう。 ヒモネスの魔法剣はエリカの魔法剣と基本的には同じだが、ヒモネスの剣をよく見ると、マナの光が灯っているのは刀身の刃の部分だけである。 彼は刃先にのみマナを纏わせることでマナの消費量を抑えているのだ。
クーララ兵が無抵抗だと信じていたミレイ隊は、ヒモネス中佐が示した意外な戦闘能力にひるみ勢いを失った。 ミレイ隊は勇猛果敢だが、それは性格面に限られる。 隊長のミレイを除けば、他の帝国兵に比べてミレイ隊は特に強くはないのだ。 そして勇猛果敢さと引き換えに彼らの心は折れやすい。 靱性の低い金属のようなものである。 ミレイ隊は弱い相手には無類の強さを発揮するが、強い相手には弱い。 強大な戦闘力を有するミレイ隊長が先頭に立てば大抵の敵は弱腰になるのでミレイ隊の長所が発揮されやすいのだが、あいにく彼女はいま部隊の後方にいた。
ミレイ隊の圧力が緩んだ隙を逃さず、ヒモネス中佐は剣を振るいながら怒鳴る。
「十字路を目指せ!」
怒鳴り終えたヒモネスは、足元に溜まっていた砂を足で激しく攪乱して砂埃を立て、そこに圧縮詠唱で呪文を叩き込んだ。
「🎺」
ヒモネスが唱えたのは《旋風》の呪文である。《旋風》で生じた旋風は砂埃を巻き込み、ヒモネスの操作に従ってミレイ隊が密集するエリアに頭上から砂をまき散らす。
「うおっ!」「砂が目に...」「くそっ」
たかが目つぶし、されど目つぶし。 目に入った砂は容易に取り除けないし、目に砂が入ったままで戦うのは困難だ。 ヒモネスは《旋風》という簡易な呪文を砂埃と組み合わることで、少ないマナ消費量で多数のザンス兵から効率的に戦闘能力を奪ったのである。
ヒモネスはその場を逃げ出す部下たちを振り返りもせず、単身でミレイ隊の真っただ中に斬り込んでいった。
◇◆◇
ヒモネス隊の隊員たちは隊長の指示に従い、十字路を目指して続々と戦場を離脱し始めた。 後に残るヒモネス隊長が心配だし、ザンス兵にやられて地面に倒れている仲間たちも気がかり。 でも彼ら彼女らにできるのは、速やかにここを去ることだけ。 完全な近接戦闘である以上、この場に残ってもヒモネス隊長の足手まといにしかならないのだ。
「青瓢箪のクーララが小癪なマネを!」
こんな口調だが、この二番隊の隊長は若い女性だ。 短く切り揃えられた髪の黒さと対照的に色白の整った顔立ち、そしてモデルならカリスマ級のスタイルすなわち9頭身の長身と病的な痩躯。 「青瓢箪」という形容がふさわしいのは、ほかならぬミレイ少佐であった。
ミレイ少佐は配下の兵士150人に命令を出す。
「進め、進め! 一番隊を押しのけて進め。 やり逃げを許すな!」
ミレイ少佐の体つきは戦士には見えないが、それでも彼女は強い。 マナ輸送体と結合したマナが身体能力の強化に十全に作用する体質なのだ。 筋力・反応速度・知覚能力どれをとってもピカイチ、帝国軍で十指に入る強者である。
そんなミレイ少佐が率いる二番隊も勇猛果敢。 獰猛と言ってもいい。 一番隊が斥候部隊を擁する索敵向きの部隊なのに対し、二番隊は突撃向きの部隊だ。
二番隊は一番隊を荒々しく押しのけて軍勢の先頭に躍り出ると、他の部隊を置き去りにして進み始める。 そのスピードが目が覚めるほどに速い。 それなりに重い荷物を背負っていてなお、競歩の選手も真っ青の速度だ。
遮二無二に突き進み、《幻影》で作られた偽りの風景を通り抜けたミレイ隊。 その目前に真実の風景がさらけ出される。 真実の風景といっても、1つの点を除けば偽りの風景と変わらない。 その1つの点とは、500mほど前方を進むクーララ部隊の後ろ姿である。
小癪なクーララ部隊の姿を見つけたミレイ少佐は大喜びで舌なめずり。
「いたわね、小癪部隊!」
そして血気に逸る部下たちを解き放つ。
「かかれ! 皆殺しだ」
ミレイ隊一同は背負っていた荷物を地面に投げ出すと、クーララ部隊に向かって恐ろしい速度で突進する。 前方を進むヒモネス隊の姿が次第に大きくなり、ミレイ隊が立てる足音に気づいたクーララ兵士が恐怖の表情を浮かべ振り向く。 しかし、もはやヒモネス隊にミレイ隊の暴力を逃れる途はない。 これ以上速く歩けないし、今から呪文を唱えても間に合わない。
「うらぁ!」「とうっ!」「ちぇい!」
ミレイ隊は思い思いの掛け声とともにヒモネス隊に襲いかかった。 ここまでダッシュしてきたこともあり、ミレイ隊は誰一人として剣を抜いていない。 みな徒手空拳である。 しかし、彼らにはそれで十分。 強力な戦闘力を誇るザンス兵の蹴りに首の骨を折られ、あるいは拳で内臓を破壊され、後ろのほうを歩いていたヒモネス隊員10数人があっという間に戦闘不能に陥った。
「イショナっ!」
叫んだのはナヤス。 イショナは仲良しの女の子と後ろのほうを歩いてたところを、ザンス兵に殴打された。 殴られたのは腹部だが内臓を傷めたのだろう、口と鼻から血を流して地面に倒れている。
少し前を歩いていたナヤスは中腰になってイショナに近づき抱き起こそうとするが、混乱のさなかにあってイショナに手が届かない。 仲間たちに突き飛ばされ、手の甲をブーツの踵に踏まれ、それでもイショナに手を伸ばすナヤス。 その彼の脇腹にザンス兵の蹴りが炸裂する。 「ぐあっ」 蹴りはナヤスの肋骨をいとも簡単に破壊し、ナヤスは1mほど吹っ飛んで意識を失った。
◇◆◇
「おらぁ!」「ふんっ」「せいッ!」
弱兵相手の戦闘を謳歌するミレイ隊、逃げ惑うヒモネス隊。 さながら狼と羊である。 しかし羊の群れにも獅子が一匹混じっていた。 ヒモネス中佐だ。
「🐆」
ヒモネス中佐は圧縮詠唱で《加速》の呪文を唱えると、混乱を巧みにかいくぐって隊列の後方へ移動し、一方的に攻撃を加えるザンス兵に肉薄。 鞘から剣を抜くと、ザンス兵の腕や足を切り飛ばしたり胴体を切り裂いたりして、あっという間に敵兵数人の戦闘能力を奪った。
ヒモネスの剣は何の変哲もない鋼鉄製だが、マナを剣に纏わせているため切れ味が尋常ではない。 ミレイ隊が着用する革の鎧などスパスパと切ってしまう。 ヒモネスの魔法剣はエリカの魔法剣と基本的には同じだが、ヒモネスの剣をよく見ると、マナの光が灯っているのは刀身の刃の部分だけである。 彼は刃先にのみマナを纏わせることでマナの消費量を抑えているのだ。
クーララ兵が無抵抗だと信じていたミレイ隊は、ヒモネス中佐が示した意外な戦闘能力にひるみ勢いを失った。 ミレイ隊は勇猛果敢だが、それは性格面に限られる。 隊長のミレイを除けば、他の帝国兵に比べてミレイ隊は特に強くはないのだ。 そして勇猛果敢さと引き換えに彼らの心は折れやすい。 靱性の低い金属のようなものである。 ミレイ隊は弱い相手には無類の強さを発揮するが、強い相手には弱い。 強大な戦闘力を有するミレイ隊長が先頭に立てば大抵の敵は弱腰になるのでミレイ隊の長所が発揮されやすいのだが、あいにく彼女はいま部隊の後方にいた。
ミレイ隊の圧力が緩んだ隙を逃さず、ヒモネス中佐は剣を振るいながら怒鳴る。
「十字路を目指せ!」
怒鳴り終えたヒモネスは、足元に溜まっていた砂を足で激しく攪乱して砂埃を立て、そこに圧縮詠唱で呪文を叩き込んだ。
「🎺」
ヒモネスが唱えたのは《旋風》の呪文である。《旋風》で生じた旋風は砂埃を巻き込み、ヒモネスの操作に従ってミレイ隊が密集するエリアに頭上から砂をまき散らす。
「うおっ!」「砂が目に...」「くそっ」
たかが目つぶし、されど目つぶし。 目に入った砂は容易に取り除けないし、目に砂が入ったままで戦うのは困難だ。 ヒモネスは《旋風》という簡易な呪文を砂埃と組み合わることで、少ないマナ消費量で多数のザンス兵から効率的に戦闘能力を奪ったのである。
ヒモネスはその場を逃げ出す部下たちを振り返りもせず、単身でミレイ隊の真っただ中に斬り込んでいった。
◇◆◇
ヒモネス隊の隊員たちは隊長の指示に従い、十字路を目指して続々と戦場を離脱し始めた。 後に残るヒモネス隊長が心配だし、ザンス兵にやられて地面に倒れている仲間たちも気がかり。 でも彼ら彼女らにできるのは、速やかにここを去ることだけ。 完全な近接戦闘である以上、この場に残ってもヒモネス隊長の足手まといにしかならないのだ。
1
お気に入りに追加
603
あなたにおすすめの小説
追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中
四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。
宮廷魔術師のお仕事日誌
らる鳥
ファンタジー
宮廷魔術師のお仕事って何だろう?
国王陛下の隣で偉そうに頷いてたら良いのかな。
けれども実際になってみた宮廷魔術師の仕事は思っていたのと全然違って……。
この話は冒険者から宮廷魔術師になった少年が色んな人や事件に振り回されながら、少しずつ成長していくお話です。
古めのファンタジーやTRPGなんかの雰囲気を思い出して書いてみました。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる