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第16話 宴だわっしょい!
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「わっしょい! わっしょい!」
俺は大勢の村人たちに胴上げされていた。少し前までは皆、病気や怪我で床に伏せっていた。だが累火と銀牙の活躍により、すっかり元気を取り戻したのだ。
「わかった、わかったのじゃ皆の衆! もうその辺で降ろしてくれーい!」
「いやいや! そうはいきませぬぞ銀杏様! 我らの感謝は胴上げによってのみ、表す事が出来ます! まだまだあげたりませぬ!」
他にも感謝の仕方なんて、いくらでもあんだろーが!
軽くて小さな俺の体は、面白いように高く上がり、ポンポンと空中を飛び回った。
「そーれそれそれーい!」
なんかこのまま、一生下に降りれないような気がしてきた......。
それから小一時間が過ぎ、俺はようやく下へと降ろされた。やれやれ。服も髪も乱れまくりだよ......。
「銀杏様! 今宵は宴と参りましょう! 秘蔵の酒もありますし、蓄えていた干物や漬物もあります! 美味いもの、ご馳走しますよ!」
ヘロヘロの俺に詰め寄ってきたのは、肺を患って寝込んでいた岩之助さんだ。彼は潜在能力があったため、俺が覚醒させた。例のごとくみるみる元気になり、料理の才能がありそうだったので「板前」の称号を与えたのだ。
「宴のう。 確かに楽しそうじゃし興味はあるが......紅蓮がやってくるかもしれんのに、呑気に宴というのもいささか不安はあるのう」
飲み会とかそう言うの一回も行ったことないし、やってみたいけど......今は早く次の村に移る準備をしたいってのが正直な気持ちだ。
「銀杏様! それならアッシが、火の見 櫓(やぐら)から、周りの様子を見張ってまさぁ! 銀杏様は安心して宴を楽しんでくだせぇ!」
頭を打って体に重い障害が残り、寝たきりだった太吉さん。彼にも覚醒してもらった。称号は「火消し」だ。
「しかし......それでは太吉、お主は宴に参加出来んぞ。それでも良いのか?」
「あったりめぇでさぁ! 銀杏様さえ楽しんでくれりゃ、アッシは満足でさぁ! おーい皆! 銀杏様からお許しが出たぞ!宴だ宴だぁ! 準備しろい!」
おーう!と一斉に掛け声が上がる。
やれやれ、強引だなぁ。でもこういうの、嫌いじゃない。今まで誰かにもてなしてもらったり、敬われたりした事なんてなかったから。
宴会は外で行われる事になった。五十人以上もいる村人全員が入れる建物なんて、ないしね。
俺は綺麗な敷物がひかれた、畳の上に座るよう案内された。俺の右側には累火、亜水、葉月、ドラザエモンの四人。左側には木蓮、銀牙、日凛の三人が、同様に畳に座っている。
ちなみにドラザエモンは変化の術が得意らしく、今は子供の姿に変化している。見た目の年齢や背格好は、俺や日凛と同じくらいだ。狸の時とは真逆の可愛い外見で、女の子のようにも見える。
「ドラちゃんおいで、抱っこしてあげるわ」
「わぁい、嬉しいな。お母さん大好き」
ドラザエモンは葉月の事を「お母さん」と呼ぶ事にしたらしい。全くふざけた野郎だ。だが母性溢れる葉月は、ごく自然にそれを受け入れ、すっかり甘やかしている。
てっきり亜水が怒ると思ったんだけど、以外にもそれを許しているような節がある。心が広いにも程があるよ亜水......。まぁ、ドラザエモンの所業があまりにも目に余るようなら、俺が天誅をくだすけどね。
「ドラザエモンの奴、お母さんに甘え過ぎだよ! 僕だってあんなに甘えた事ないのに!」
鼻息を荒くする日凛。怒るのも無理はない。これが普通の反応だろう。
「まぁ許してやれよ、日凛。ドラザエモンはまだ小さいんだし。日凛の方がお兄ちゃんだろう? 弟だと思って、可愛がってやれ」
そう言って日凛を諭す木蓮。そうなのだ。実はドラザエモン、あんなでかい図体をしていながら、日凛よりも年下らしいのだ。
「でも、でも!木蓮にいちゃん! 僕、やっぱり嫌だよ! あいつ、今ぶん殴ってやる!」
すっと立ち上がる日凛。だがそれを、意外な事に銀牙が止める。
「ごめんな日凛。許してやってくれ。ドラザエモンはお前と同じ、捨て子なんだ。母ちゃんが恋しいのさ。だけど今まで一人で生きてきたから、甘え方がわからねぇんだ。後で俺からも注意しとくからさ。な?」
「うー。わかったよ。銀牙にいちゃん」
微笑み合う二人。まるで中の良い兄弟のようだ。
銀牙はドラザエモンの変化の術で、耳も尻尾も消している。今は普通の人間にしか見えない。
銀牙とドラザエモンは兄弟で、都から追放されて来た旅人と言う設定にしているのだ。流石に村を襲った物ノ怪とは言えない。
俺たち八人は、村人たちに英雄のようにもてはやされた。直接知っている者もいるし、他の者から伝え聞いた者もいる。
「さぁさ、銀杏様。一献どうぞ。私が都を追われる際に、こっそり持ち出してきた秘蔵の酒です。どうやって持ってきたのかは、聞かないでください。さささ、どうぞ」
板前の岩之助さんが、自ら酒を注(つ)ぎにきた。律儀な人だなぁ。
「わ、わしは酒など飲んだことがないのでな。遠慮しておく」
生前も酒なんか飲んだことはない。いや、正確にはあるのだが、ビールを一口飲んだだけで倒れてしまったのだ。要するに下戸(げこ)である。
「そう仰らずに。 こんな日もあろうかと、大事に取っておいた酒なのです。さぁどうぞ、遠慮なさらずに!」
「そ、そうか? ならば仕方ない。頂こう」
俺は岩之助さんが差し出していた空の盃を受け取る。亜水と葉月、銀牙も盃を渡されたようだ。岩之助さんがすっと下がり、代わりに村の女性たちがお酒を注いでくれた。
木蓮、累火、日凛、ドラザエモンはお茶である。ドラザエモンが酒を飲みたそうに喉を鳴らしているが、ダメ!子供にお酒は飲ませません!
でもそういや、俺って転生したばっかりだけど、年齢的にはどうなんだろう。覚醒で外見は成長したけど......。ま、いいか。神様なんだし、飲んでも大丈夫だろ。
「では、乾杯!」
岩之助さんの声で、俺たちは盃を交わし合った。
俺は大勢の村人たちに胴上げされていた。少し前までは皆、病気や怪我で床に伏せっていた。だが累火と銀牙の活躍により、すっかり元気を取り戻したのだ。
「わかった、わかったのじゃ皆の衆! もうその辺で降ろしてくれーい!」
「いやいや! そうはいきませぬぞ銀杏様! 我らの感謝は胴上げによってのみ、表す事が出来ます! まだまだあげたりませぬ!」
他にも感謝の仕方なんて、いくらでもあんだろーが!
軽くて小さな俺の体は、面白いように高く上がり、ポンポンと空中を飛び回った。
「そーれそれそれーい!」
なんかこのまま、一生下に降りれないような気がしてきた......。
それから小一時間が過ぎ、俺はようやく下へと降ろされた。やれやれ。服も髪も乱れまくりだよ......。
「銀杏様! 今宵は宴と参りましょう! 秘蔵の酒もありますし、蓄えていた干物や漬物もあります! 美味いもの、ご馳走しますよ!」
ヘロヘロの俺に詰め寄ってきたのは、肺を患って寝込んでいた岩之助さんだ。彼は潜在能力があったため、俺が覚醒させた。例のごとくみるみる元気になり、料理の才能がありそうだったので「板前」の称号を与えたのだ。
「宴のう。 確かに楽しそうじゃし興味はあるが......紅蓮がやってくるかもしれんのに、呑気に宴というのもいささか不安はあるのう」
飲み会とかそう言うの一回も行ったことないし、やってみたいけど......今は早く次の村に移る準備をしたいってのが正直な気持ちだ。
「銀杏様! それならアッシが、火の見 櫓(やぐら)から、周りの様子を見張ってまさぁ! 銀杏様は安心して宴を楽しんでくだせぇ!」
頭を打って体に重い障害が残り、寝たきりだった太吉さん。彼にも覚醒してもらった。称号は「火消し」だ。
「しかし......それでは太吉、お主は宴に参加出来んぞ。それでも良いのか?」
「あったりめぇでさぁ! 銀杏様さえ楽しんでくれりゃ、アッシは満足でさぁ! おーい皆! 銀杏様からお許しが出たぞ!宴だ宴だぁ! 準備しろい!」
おーう!と一斉に掛け声が上がる。
やれやれ、強引だなぁ。でもこういうの、嫌いじゃない。今まで誰かにもてなしてもらったり、敬われたりした事なんてなかったから。
宴会は外で行われる事になった。五十人以上もいる村人全員が入れる建物なんて、ないしね。
俺は綺麗な敷物がひかれた、畳の上に座るよう案内された。俺の右側には累火、亜水、葉月、ドラザエモンの四人。左側には木蓮、銀牙、日凛の三人が、同様に畳に座っている。
ちなみにドラザエモンは変化の術が得意らしく、今は子供の姿に変化している。見た目の年齢や背格好は、俺や日凛と同じくらいだ。狸の時とは真逆の可愛い外見で、女の子のようにも見える。
「ドラちゃんおいで、抱っこしてあげるわ」
「わぁい、嬉しいな。お母さん大好き」
ドラザエモンは葉月の事を「お母さん」と呼ぶ事にしたらしい。全くふざけた野郎だ。だが母性溢れる葉月は、ごく自然にそれを受け入れ、すっかり甘やかしている。
てっきり亜水が怒ると思ったんだけど、以外にもそれを許しているような節がある。心が広いにも程があるよ亜水......。まぁ、ドラザエモンの所業があまりにも目に余るようなら、俺が天誅をくだすけどね。
「ドラザエモンの奴、お母さんに甘え過ぎだよ! 僕だってあんなに甘えた事ないのに!」
鼻息を荒くする日凛。怒るのも無理はない。これが普通の反応だろう。
「まぁ許してやれよ、日凛。ドラザエモンはまだ小さいんだし。日凛の方がお兄ちゃんだろう? 弟だと思って、可愛がってやれ」
そう言って日凛を諭す木蓮。そうなのだ。実はドラザエモン、あんなでかい図体をしていながら、日凛よりも年下らしいのだ。
「でも、でも!木蓮にいちゃん! 僕、やっぱり嫌だよ! あいつ、今ぶん殴ってやる!」
すっと立ち上がる日凛。だがそれを、意外な事に銀牙が止める。
「ごめんな日凛。許してやってくれ。ドラザエモンはお前と同じ、捨て子なんだ。母ちゃんが恋しいのさ。だけど今まで一人で生きてきたから、甘え方がわからねぇんだ。後で俺からも注意しとくからさ。な?」
「うー。わかったよ。銀牙にいちゃん」
微笑み合う二人。まるで中の良い兄弟のようだ。
銀牙はドラザエモンの変化の術で、耳も尻尾も消している。今は普通の人間にしか見えない。
銀牙とドラザエモンは兄弟で、都から追放されて来た旅人と言う設定にしているのだ。流石に村を襲った物ノ怪とは言えない。
俺たち八人は、村人たちに英雄のようにもてはやされた。直接知っている者もいるし、他の者から伝え聞いた者もいる。
「さぁさ、銀杏様。一献どうぞ。私が都を追われる際に、こっそり持ち出してきた秘蔵の酒です。どうやって持ってきたのかは、聞かないでください。さささ、どうぞ」
板前の岩之助さんが、自ら酒を注(つ)ぎにきた。律儀な人だなぁ。
「わ、わしは酒など飲んだことがないのでな。遠慮しておく」
生前も酒なんか飲んだことはない。いや、正確にはあるのだが、ビールを一口飲んだだけで倒れてしまったのだ。要するに下戸(げこ)である。
「そう仰らずに。 こんな日もあろうかと、大事に取っておいた酒なのです。さぁどうぞ、遠慮なさらずに!」
「そ、そうか? ならば仕方ない。頂こう」
俺は岩之助さんが差し出していた空の盃を受け取る。亜水と葉月、銀牙も盃を渡されたようだ。岩之助さんがすっと下がり、代わりに村の女性たちがお酒を注いでくれた。
木蓮、累火、日凛、ドラザエモンはお茶である。ドラザエモンが酒を飲みたそうに喉を鳴らしているが、ダメ!子供にお酒は飲ませません!
でもそういや、俺って転生したばっかりだけど、年齢的にはどうなんだろう。覚醒で外見は成長したけど......。ま、いいか。神様なんだし、飲んでも大丈夫だろ。
「では、乾杯!」
岩之助さんの声で、俺たちは盃を交わし合った。
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