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第5話 妖艶なくノ一。それはお母さんです。
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「さて、ここからが本番じゃ。累火、お主に称号を授けよう。『巫女』の称号じゃ」
称号を得た事により、累火の肌や髪は、さらに美しく輝いていた。プロポーションも、なんだか良くなった様に見える。
「わぁ、すごい!」
累火は嬉しそうに、自分の腕や胸元、足などをクルクルと見回す。
「巫女の固有能力は『祈祷』じゃ。祈りによって、物ノ怪の術や呪いを退けたり、病に伏した者を回復に向かわせる事も出来る。まぁ、後方支援じゃな。戦闘向きではないから、亜水に守ってもらうのじゃぞ」
「わかりました!」
両手でガッツポーズを取る累火。くっ!可愛い!
「よ、よし、累火よ、定位置に戻るのじゃ。さて次は......木蓮、お主にしようかの」
そう言って俺は木蓮を見た。木蓮は累火の美しさに見惚れているようだった。ボーッとしている。俺はこほんと咳払いをした。
いや、気持ちわかるけどね。だって、男の子だもんね!いくら双子の妹とはいえ、可愛いもんは可愛い。
「え、あ、いや、その......俺は一番最後でいいです。先に葉月さんと日凛を覚醒させてあげてください」
木蓮はめっちゃキョドっている。妹に見惚れてたのを見られて、恥ずかしいのかな?
「そうか。ならば葉月、お主からじゃ。近う寄れ」
「はい......」
葉月さんは面を取ったままだ。すっと立ち上がり、俺の前にひざまづく。そして一瞬だけためらった後、前髪を上げて額を出した。
額も酷い火傷だった。俺の顔色を見て、葉月さんはクスッと笑った。
「酷い火傷でしょう?前の主人が、ヤキモチ焼きでして。私が他の男に色目を使ったと言って、焚き木を顔や体に何度も押し付けて来たんです。私の顔の火傷の噂はあっという間に都中に広まりました。あげくの果てに、醜いからという理由で帝に都を追放されました。その時も、前の主人は庇ってはくれなかったんです......。あ、すいません。こんな話、別に知りたくなかったですよね」
「いや......良く話してくれたな。さぞ辛かった事じゃろう」
「はい。でも、もういいんです。今の主人......亜水は私の顔を見ても、美しいと言ってくれました。仮面は、捨てる事にします」
「葉月......」
葉月さんの後ろから、亜水が声をあげ、目を覆ってうつむく。きっと泣いているのだろう。
「うむ。そうじゃな。おまえは良い家族を持った。では覚醒させるぞ葉月。その力で、物ノ怪を陥れるのじゃ!」
葉月さんの体が光輝く。おおお!これは!
「葉月......! おまえ、火傷が......!」
亜水が目をまんまるに見開く。
葉月さんの顔や体の火傷はすっかり消えていた。元々良かったスタイルも、さらに洗練されたものになっていく。
「髪や肌が、こんなに綺麗に......見て、あなた」
「ああ、それにすっかり若返ったようだ。私と同じだね。ふふ、木蓮と累火にも負けないくらい、若々しいんじゃないか?」
「クス、そうね。まるで昔に戻ったみたい」
そう言って抱きしめ合い、見つめ合う二人。うわわ、もしかして、もしかしてチュー?チューしちゃうの?
ダメダメ、子供見てるよー!
あ、大丈夫だった。
「葉月よ、お主には『くノ一』の称号を授ける。敵を欺き、惑わす技術に長けておる。固有能力は『道具作成』じゃ。主に罠を作るのに役立つじゃろう」
葉月さんの体が輝き、さらに美しくなっていく。
「まぁ、くノ一......ふふ。嫉妬で火傷を負わされた身としては、ちょっぴり皮肉ですね。あなた、私が物ノ怪を誑(たぶら)かしても、妬かないでくださいね」
そう言って上目遣いで亜水を見つめる葉月。なんとも艶っぽい。亜水は耳まで真っ赤だ。
「あ、ああ。大丈夫だ。なんとか我慢するよ」
亜水の自信無さそうな言葉に、葉月はクスクスと笑った。
称号を得た事により、累火の肌や髪は、さらに美しく輝いていた。プロポーションも、なんだか良くなった様に見える。
「わぁ、すごい!」
累火は嬉しそうに、自分の腕や胸元、足などをクルクルと見回す。
「巫女の固有能力は『祈祷』じゃ。祈りによって、物ノ怪の術や呪いを退けたり、病に伏した者を回復に向かわせる事も出来る。まぁ、後方支援じゃな。戦闘向きではないから、亜水に守ってもらうのじゃぞ」
「わかりました!」
両手でガッツポーズを取る累火。くっ!可愛い!
「よ、よし、累火よ、定位置に戻るのじゃ。さて次は......木蓮、お主にしようかの」
そう言って俺は木蓮を見た。木蓮は累火の美しさに見惚れているようだった。ボーッとしている。俺はこほんと咳払いをした。
いや、気持ちわかるけどね。だって、男の子だもんね!いくら双子の妹とはいえ、可愛いもんは可愛い。
「え、あ、いや、その......俺は一番最後でいいです。先に葉月さんと日凛を覚醒させてあげてください」
木蓮はめっちゃキョドっている。妹に見惚れてたのを見られて、恥ずかしいのかな?
「そうか。ならば葉月、お主からじゃ。近う寄れ」
「はい......」
葉月さんは面を取ったままだ。すっと立ち上がり、俺の前にひざまづく。そして一瞬だけためらった後、前髪を上げて額を出した。
額も酷い火傷だった。俺の顔色を見て、葉月さんはクスッと笑った。
「酷い火傷でしょう?前の主人が、ヤキモチ焼きでして。私が他の男に色目を使ったと言って、焚き木を顔や体に何度も押し付けて来たんです。私の顔の火傷の噂はあっという間に都中に広まりました。あげくの果てに、醜いからという理由で帝に都を追放されました。その時も、前の主人は庇ってはくれなかったんです......。あ、すいません。こんな話、別に知りたくなかったですよね」
「いや......良く話してくれたな。さぞ辛かった事じゃろう」
「はい。でも、もういいんです。今の主人......亜水は私の顔を見ても、美しいと言ってくれました。仮面は、捨てる事にします」
「葉月......」
葉月さんの後ろから、亜水が声をあげ、目を覆ってうつむく。きっと泣いているのだろう。
「うむ。そうじゃな。おまえは良い家族を持った。では覚醒させるぞ葉月。その力で、物ノ怪を陥れるのじゃ!」
葉月さんの体が光輝く。おおお!これは!
「葉月......! おまえ、火傷が......!」
亜水が目をまんまるに見開く。
葉月さんの顔や体の火傷はすっかり消えていた。元々良かったスタイルも、さらに洗練されたものになっていく。
「髪や肌が、こんなに綺麗に......見て、あなた」
「ああ、それにすっかり若返ったようだ。私と同じだね。ふふ、木蓮と累火にも負けないくらい、若々しいんじゃないか?」
「クス、そうね。まるで昔に戻ったみたい」
そう言って抱きしめ合い、見つめ合う二人。うわわ、もしかして、もしかしてチュー?チューしちゃうの?
ダメダメ、子供見てるよー!
あ、大丈夫だった。
「葉月よ、お主には『くノ一』の称号を授ける。敵を欺き、惑わす技術に長けておる。固有能力は『道具作成』じゃ。主に罠を作るのに役立つじゃろう」
葉月さんの体が輝き、さらに美しくなっていく。
「まぁ、くノ一......ふふ。嫉妬で火傷を負わされた身としては、ちょっぴり皮肉ですね。あなた、私が物ノ怪を誑(たぶら)かしても、妬かないでくださいね」
そう言って上目遣いで亜水を見つめる葉月。なんとも艶っぽい。亜水は耳まで真っ赤だ。
「あ、ああ。大丈夫だ。なんとか我慢するよ」
亜水の自信無さそうな言葉に、葉月はクスクスと笑った。
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