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130.知らない愉悦*
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くつろげた前立ての奥、下着がじんわり濡れている。前を押し上げる性器の高ぶりと、そのさらに奥になるぬかるみ。濡れている。
今まで感じたことのない湿り気に首を傾げながら、あゆたは下着ごとスラックスを下ろした。濡れたそこは透明で重たい糸を引いて、下着を下げていくと腿をなめくじの這い痕のように濡らしていく。
足首に絡まる下着とスラックスが鬱陶しくて、蹴りやるようにして脱ぎ捨てた。
あゆたは喉を鳴らして唾を飲み込んだ。
立ち上がった性器の先にぷっくりと透明な先走りが盛り上がっている。
あゆたは恐る恐るそれを両手の中に収めた。興奮が握りしめられて手の中がじんじんする。
つー……っと雫が滴り落ちて、あゆたはそれを塗り広げるように扱いた。
「あ、あ、あ……ん、っう、ふ……」
目の裏がちかちか発光した。経験したことのない快感だった。手が止まらない。ぐちぐちと粘ついた音が指の間から零れる。
片手で気持ちのいい先っぽを押しながら、もう片方で零れていく先走りを追う。嘘だ。こんなところまで零れてしまっている。
会陰のほうまでぬかるんで、指の腹でぬるぬると押すと屹立が震えるほど気持ちよかった。さらに奥へと進んでいく自分の右手を内腿できゅっと締め付けた。
「ん、あ」
綻びかけた縁を指先がかすめて、あゆたは背中を反らした。
「あぁ……!」
尻の奥がぐずぐずになっている。後ろも濡れていた。確かめなくてもわかる。指先がちょっとかすめただけだったのに。薄い皮膚が何かを欲しがるようにひくついた。
「ど、しよ……」
おざなりに扱いて終わりの自慰は、出しさえすればとりあえずすっきりする。
しかし今は違う。
右手の中で先走りを零す性器の、出したい欲が高まっているのにうまくいけない。
戸惑いながらまた指を伸ばす。
くちゅり。
濡れた音に触れて、あゆたは喉を鳴らした。熱を持って腫れぼったい尻の穴が涎を零している。
固い質量を頬張りたくて入り口になってしまったのだとまざまざと感じられた。
怖い。自分の体が変わっていく。
それなのに。
抗いがたい悦楽に躊躇いと怖れが攻略されてしまう。
薄い皮膚のあわいへ、つぷりと指の先を埋めてみる。こわごわ差し入れた指先を含んだ中はそれだけで熱かった。
引き連れる痛みもなくて、奥から押し出すように粘液が漏れてくる。指先で広げるように噤んでいるところを押してみると、違和感がこみ上げるが、それもやがて曖昧になっていく。
今まで感じたことのない湿り気に首を傾げながら、あゆたは下着ごとスラックスを下ろした。濡れたそこは透明で重たい糸を引いて、下着を下げていくと腿をなめくじの這い痕のように濡らしていく。
足首に絡まる下着とスラックスが鬱陶しくて、蹴りやるようにして脱ぎ捨てた。
あゆたは喉を鳴らして唾を飲み込んだ。
立ち上がった性器の先にぷっくりと透明な先走りが盛り上がっている。
あゆたは恐る恐るそれを両手の中に収めた。興奮が握りしめられて手の中がじんじんする。
つー……っと雫が滴り落ちて、あゆたはそれを塗り広げるように扱いた。
「あ、あ、あ……ん、っう、ふ……」
目の裏がちかちか発光した。経験したことのない快感だった。手が止まらない。ぐちぐちと粘ついた音が指の間から零れる。
片手で気持ちのいい先っぽを押しながら、もう片方で零れていく先走りを追う。嘘だ。こんなところまで零れてしまっている。
会陰のほうまでぬかるんで、指の腹でぬるぬると押すと屹立が震えるほど気持ちよかった。さらに奥へと進んでいく自分の右手を内腿できゅっと締め付けた。
「ん、あ」
綻びかけた縁を指先がかすめて、あゆたは背中を反らした。
「あぁ……!」
尻の奥がぐずぐずになっている。後ろも濡れていた。確かめなくてもわかる。指先がちょっとかすめただけだったのに。薄い皮膚が何かを欲しがるようにひくついた。
「ど、しよ……」
おざなりに扱いて終わりの自慰は、出しさえすればとりあえずすっきりする。
しかし今は違う。
右手の中で先走りを零す性器の、出したい欲が高まっているのにうまくいけない。
戸惑いながらまた指を伸ばす。
くちゅり。
濡れた音に触れて、あゆたは喉を鳴らした。熱を持って腫れぼったい尻の穴が涎を零している。
固い質量を頬張りたくて入り口になってしまったのだとまざまざと感じられた。
怖い。自分の体が変わっていく。
それなのに。
抗いがたい悦楽に躊躇いと怖れが攻略されてしまう。
薄い皮膚のあわいへ、つぷりと指の先を埋めてみる。こわごわ差し入れた指先を含んだ中はそれだけで熱かった。
引き連れる痛みもなくて、奥から押し出すように粘液が漏れてくる。指先で広げるように噤んでいるところを押してみると、違和感がこみ上げるが、それもやがて曖昧になっていく。
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