81 / 165
自然史博物館
しおりを挟む
「ンッンー!!ここがイギニスが誇る自然史博物館ですぞ!」
「……ほうたいしたものだ。」
チャールスが自慢するだけあって、この博物館はすごい。
世界各国から集めた植物や、動物、鉱物の標本があるらしい。
ってことはだ……!
(ナビ、標本からバッテリーの材料をお気に入り登録したいんだけど、できる?)
(できますよ。実物があるならそれはもう問題なく)
ヤッター!!
これで電池切れの危険は、大分遠のいたんじゃないの?
(機人様。一応伝えておきますが、MK3以降の核融合バッテリーは、自然界に存在しないものをバリバリに使っていますので、かなり期待薄ですよ。)
(あら、そうなのね)
(ただ……地上をひっくり返して再資源化したときに、上手いことでっけぇ結晶ができた可能性もあります。なので宝くじみたいなものと思ってくれれば)
(うーん、そこはもうちょっとうまいことしてほしかったなあ)
うろうろと館内を回ってみるが、流石に都合よくそんなものはなかった。
当てが外れたな。
古代竜との戦いで、ブーストをふかしまくったので、今の電池残量は90%だ。
さすがの俺も、そろそろやべえかなと思い始めている。
夏休み二週目に入ったけど、まだ宿題帳を開いてすらいない。
そんな感じの焦りを感じている。
「ンッンー!この鉱物エリアの次は、動物エリアになっておりまして、ただいま、特別展示も行われておりますよ!ンッンー!」
そして、俺は、ここでとんでもないものを見た。
柵の中でトンテンカンと鍛冶をしているのはローニィ一家のロイだ。
あれ?自動車に乗ってないと思ったら、なぜこんなところに?
「……お前は、何をやっているのだ?」
「ッス!なんかいつの間にかここに居たっす!」
「ンッンー!どうやら誰かが、ドワーフのロイ女史を、イギニスへの贈り物と勘違いしたようですな!」
「ン!ここ亜人動物園では、こうして亜人種を展示しております。ええ、あの?」
俺はひとまず柵をぶち壊して、ロイを自由にすることにした。
――亜人動物園て。さすがに胸糞が悪すぎる。
「……ちなみに、どういった目的で亜人を檻に閉じ込めている?」
なるほど見れば、キツネ、ゾウの亜人も、檻に入れられているな。
あるいはただ肌が黒いだけといった、見た目が違うだけで、檻に入れられているようなものまで居る。あ、奥にオーマやムンゴルっぽい人もいる。
……イギニスなにしてんの?人間動物園?
「ンッンー!つまりその……ヒトの文化的な進化の証拠を示すことにあります!未開の状態から、文明に至るまでの展示です!」
(ははぁなるほど、イギニス人は、自分たちを進化の頂点、もしくは近いものとみなし、社会進化論をとっているわけですね)
(ナビさん、俺には難しい。もっと簡単に言って?)
(Cis. つまりです、イギニス人はオーマやムンゴルの社会を「遅れた」または、「劣った」社会として見なしています。)
(それは何故か?彼らは、人類が皆、自分たちのように同じ発展の道をたどる。そう夢想しているようですね)
まあ、意味は解る。
文明を発展させるのが目的のシミュレーションゲームでは、マスケット兵と戦車が衝突するような、そりゃ明らかな優劣がつくことはある。
でもそりゃ大体、立地とか環境とか、その場の運によるものが大きい。
人という種族に根本的な優劣があるとは思えない。
俺だって下手な立地にいれば、戦車で轢かれるほうの立場になるのはザラにある。
あ、それでもマルチプレイの時はギブはしないけどね。相手に失礼だから。
ちょっとイギニス人、調子に乗り過ぎているな。
これはオーマよりきついお仕置きが必要かもしれない。
「……ほうたいしたものだ。」
チャールスが自慢するだけあって、この博物館はすごい。
世界各国から集めた植物や、動物、鉱物の標本があるらしい。
ってことはだ……!
(ナビ、標本からバッテリーの材料をお気に入り登録したいんだけど、できる?)
(できますよ。実物があるならそれはもう問題なく)
ヤッター!!
これで電池切れの危険は、大分遠のいたんじゃないの?
(機人様。一応伝えておきますが、MK3以降の核融合バッテリーは、自然界に存在しないものをバリバリに使っていますので、かなり期待薄ですよ。)
(あら、そうなのね)
(ただ……地上をひっくり返して再資源化したときに、上手いことでっけぇ結晶ができた可能性もあります。なので宝くじみたいなものと思ってくれれば)
(うーん、そこはもうちょっとうまいことしてほしかったなあ)
うろうろと館内を回ってみるが、流石に都合よくそんなものはなかった。
当てが外れたな。
古代竜との戦いで、ブーストをふかしまくったので、今の電池残量は90%だ。
さすがの俺も、そろそろやべえかなと思い始めている。
夏休み二週目に入ったけど、まだ宿題帳を開いてすらいない。
そんな感じの焦りを感じている。
「ンッンー!この鉱物エリアの次は、動物エリアになっておりまして、ただいま、特別展示も行われておりますよ!ンッンー!」
そして、俺は、ここでとんでもないものを見た。
柵の中でトンテンカンと鍛冶をしているのはローニィ一家のロイだ。
あれ?自動車に乗ってないと思ったら、なぜこんなところに?
「……お前は、何をやっているのだ?」
「ッス!なんかいつの間にかここに居たっす!」
「ンッンー!どうやら誰かが、ドワーフのロイ女史を、イギニスへの贈り物と勘違いしたようですな!」
「ン!ここ亜人動物園では、こうして亜人種を展示しております。ええ、あの?」
俺はひとまず柵をぶち壊して、ロイを自由にすることにした。
――亜人動物園て。さすがに胸糞が悪すぎる。
「……ちなみに、どういった目的で亜人を檻に閉じ込めている?」
なるほど見れば、キツネ、ゾウの亜人も、檻に入れられているな。
あるいはただ肌が黒いだけといった、見た目が違うだけで、檻に入れられているようなものまで居る。あ、奥にオーマやムンゴルっぽい人もいる。
……イギニスなにしてんの?人間動物園?
「ンッンー!つまりその……ヒトの文化的な進化の証拠を示すことにあります!未開の状態から、文明に至るまでの展示です!」
(ははぁなるほど、イギニス人は、自分たちを進化の頂点、もしくは近いものとみなし、社会進化論をとっているわけですね)
(ナビさん、俺には難しい。もっと簡単に言って?)
(Cis. つまりです、イギニス人はオーマやムンゴルの社会を「遅れた」または、「劣った」社会として見なしています。)
(それは何故か?彼らは、人類が皆、自分たちのように同じ発展の道をたどる。そう夢想しているようですね)
まあ、意味は解る。
文明を発展させるのが目的のシミュレーションゲームでは、マスケット兵と戦車が衝突するような、そりゃ明らかな優劣がつくことはある。
でもそりゃ大体、立地とか環境とか、その場の運によるものが大きい。
人という種族に根本的な優劣があるとは思えない。
俺だって下手な立地にいれば、戦車で轢かれるほうの立場になるのはザラにある。
あ、それでもマルチプレイの時はギブはしないけどね。相手に失礼だから。
ちょっとイギニス人、調子に乗り過ぎているな。
これはオーマよりきついお仕置きが必要かもしれない。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる