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おもらしフェイン13歳、スキルを授かる(改稿)
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「おめでとう! キミのスキルは『漏』だよ! 初めて見るなぁ」
「うわぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーんんん!!!!!」
フェインは青色の髪を振り乱して膝から崩れ落ちた。
13歳の誕生日の事である。
「漏れですって・・・・・・おねしょの事かしら?」
「知ってる? あのフェインくんって子、12歳までおもらししてたのよ」
「えー、ウッソぉー!」
町の教会で神託を受けたフェインの周りで大人たちがざわつく。
ヒソヒソと話しているつもりなのだろうけど丸聞こえだ。
「―――かの英雄ユーゴスは女神ペトロに願いました。『この過酷な世界で牙もウロコも無い人間が生きていくには、あまりにも残酷です』女神は応えました。『良いでしょう。あなたがた人間が少しでも豊かな暮らしをするために力をあげましょう』」
13歳になると神々のギフトと呼ばれるスキルをひとつ受け取れるのだ。
「お話しされている司祭様、普段とギャップがあってステキね」
「―――そうして神から与えられる力、すなわちスキルは全ての人間へ与えられる神の恩寵となったのです」
フェイン・アルダートは、その授与式に出席していた。
壇上の水晶玉に古代アンギス王国公用語で『漏』という字が浮かび、白亜の壁に投射された。
まるで晒し者、あるいは公開処刑である。
「フェインって12歳までおもらししてたんだってよ」
「うへー、雷帝の貴公子とか名乗ってるクセにおもらして」
「おれ、フェインのファン辞めます」
「ファンなんていないだろ」
隠された秘密が当然のように友達にもバレていく。
これは、まさか『漏』の力・・・・・・?
フェインは自らに与えられた神の力(スキル)に恐怖した。
完全な錯覚だったけれど。
と、同時にもっとカッコよくて実用的なヤツが良かったと嘆く。
「今度からおもらし王子って呼んでやろうぜ」
「王子て」
「笑ってやるなよー。ビンボー貴族の御長男くんが泣いちゃうぜ?」
「ダメよー。かわいそうじゃない」
町の子ども達がゲラゲラ笑う中、幼なじみのチェルニーだけが庇ってくれる。
薄桃色の長めのツインテールに整った顔立ち、庇護欲の掻き立てられるような低身長、とは言っても13歳なので将来どうなるか分かったものでは無い。
「そういうのは本人のいないところで言いなさいよね」
「ヴッ!!!!!」
壇上で胸を押さえ唸る。
ガラスのハートが砕け散る。
フェインは人間不信に陥った。
シャイアンの町に生まれ、割と平凡に育ってきた彼に突如、襲い掛かった悲劇の日であった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーんんん!!!!!」
フェインは青色の髪を振り乱して膝から崩れ落ちた。
13歳の誕生日の事である。
「漏れですって・・・・・・おねしょの事かしら?」
「知ってる? あのフェインくんって子、12歳までおもらししてたのよ」
「えー、ウッソぉー!」
町の教会で神託を受けたフェインの周りで大人たちがざわつく。
ヒソヒソと話しているつもりなのだろうけど丸聞こえだ。
「―――かの英雄ユーゴスは女神ペトロに願いました。『この過酷な世界で牙もウロコも無い人間が生きていくには、あまりにも残酷です』女神は応えました。『良いでしょう。あなたがた人間が少しでも豊かな暮らしをするために力をあげましょう』」
13歳になると神々のギフトと呼ばれるスキルをひとつ受け取れるのだ。
「お話しされている司祭様、普段とギャップがあってステキね」
「―――そうして神から与えられる力、すなわちスキルは全ての人間へ与えられる神の恩寵となったのです」
フェイン・アルダートは、その授与式に出席していた。
壇上の水晶玉に古代アンギス王国公用語で『漏』という字が浮かび、白亜の壁に投射された。
まるで晒し者、あるいは公開処刑である。
「フェインって12歳までおもらししてたんだってよ」
「うへー、雷帝の貴公子とか名乗ってるクセにおもらして」
「おれ、フェインのファン辞めます」
「ファンなんていないだろ」
隠された秘密が当然のように友達にもバレていく。
これは、まさか『漏』の力・・・・・・?
フェインは自らに与えられた神の力(スキル)に恐怖した。
完全な錯覚だったけれど。
と、同時にもっとカッコよくて実用的なヤツが良かったと嘆く。
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「そういうのは本人のいないところで言いなさいよね」
「ヴッ!!!!!」
壇上で胸を押さえ唸る。
ガラスのハートが砕け散る。
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