29 / 54
2 博士は次元の壁に挑むようです
10
しおりを挟む
「ひみっちゃん……今日はもう、見てもらいたい発明品はないぞ」
博士が先んじて言う。一緒に発明品の残骸を集め、インパクトのあるごみすて? に入れて、やれやれと一息ついた頃、博士が言った。
「ああ、そうでしたか?」
「怪我できたのに、わざわざありがとな」
「あっ……」
そうだ。今日は私のトラブルでお邪魔したのだ。
「あの、今日は本当にありがとうございました! って、あれ!? 全然痛くない?」
私は擦りむいたはずの膝・肘に、痛みがまるで無いことに気が付く。
「当然じゃ。赤チンぬったからの」
「ええっ!?」
その言葉で傷を確かめた。おかしい。ジーンズに穴が開いていたところから、きれいな膝が見える。怪我の跡がないのだ。あれだけぐさぐさで擦り切れて、熱を持っていた膝が、だ。
どういう事だろう? 結構広い範囲に擦過傷ができていたはずなのだが……。
あれ、え、なにこれ!?
「あ……」
私はここにきてようやく気が付いた。もしかして、あの赤チン、博士が作ったものなの!?
「あの、あれって……もしかして、博士が作ったんですか!?」
「そじゃよ。というか、この前怪我して痛みで集中出来んかった。だから即興で作ったのじゃ!」
「ええっ!?」
「作っていく過程で赤くなってしもたからの。シャレで赤チンって呼んでたのじゃよ」
「ま、まあ名前とかは、この際どうでもいいです」
しかし、医薬品になるのかな? そういうのって作る資格とか使う場合とかに何かいるんじゃ……あー、いや、えー!? でも、もしかしたら、そういうのとは別のもの!?
え、でもおかしい。塗ってそれ程経ってないですよね!? どんな原理!? 人体への影響は!?
あ、いや、順番に聞いていく必要があるな。混乱でいろいろとまずい。なんだか動悸が激しくなってきた。
「えっと、まずは、その、整理させてくださいね。あれって、博士が作ったんですか!?」
「そうじゃと言っとろう?」
「ああいうの作るって、資格とか、何らかの面倒な手続きが色々といるんじゃ……」
「儂、ライセンスもっとるから博士(Dr)名乗れるんじゃ」
そういうのって、そういうもんなの? 私、よくわかんないや。
「しかしな、どこぞに所属せにゃならんかっての。上司風吹かすやつが気に食わんかったから辞めたのじゃよ」
「ああー、まあ、そういった話は、とっっっても興味がありますが、今は後にして……あれ、どういう原理ですか!?」
そう。私の膝や肘は結構広い範囲ですり傷になっていた。痛みと熱があって、暫く動けなかったほどだ。
これを治すには2~3日でかさぶたを作って、それからしばらくして、自然に落ちて行って跡も残らない状態になる。それをまるっきりすっ飛ばして!
今の私は単なる穴空きジーンズ履いたヒトになっているじゃないか!
「原理はそんな難しいもんではないぞ?」
「あの、とっても難しそうですが?」
「いやいや、ええかひみっちゃん。人間の体は細胞で出来ておる……」
それから、博士は細胞何たらとか、DNA取り込むなんたらとか、細胞核のRNAなどなどなど、ものすっごい勢いででてきて、続いてNaとかKとか、プラス? マイナス? イオン? どんどん記号っぽいものを羅列し始め、ついでになぜか数式まで取り出してきて、弱点:数字のこの私を責め始めた!?
うっわ、しまった、でも、何とか、ここは、何とか……聞き流さなくては!!
そして、そういった原理らしき呪文を唱え終えた博士は言った。
「つまり、周りの細胞と損傷細胞を取り込んで、損傷部分だけを補うよう、分化するだけのもんじゃ!」
分化って、あれでしょ! その細胞になり替わるってやつ!
てか、損傷部分だけって言いましたか!? あの、博士!? そういった物を作るたことができるかもしれないって、社会現象になった事例とか、先進医療の話とか、知らないんですか? いや、ニュース見たことないんですかね!? あーもうもう!
「そ、それって、『夢の再生医療』じゃないですか!?」
「夢じゃないわ! 現実じゃ」
そうだ。多くの人たちが、その研究に集中して打ち込んで模索し、あらゆる可能性を秘めた分野である。ただ、現実に製品化などを考えると、ものすっごい日にちが掛ってしまう類のもんだ。
今、私が体験した事って、そういったのを一足飛びに飛び越える精度であり、それこそ世界に激震が走る何とやらじゃないか!!
「は、博士! その設計図は!? 発表しましょうよ!」
勢い込んでの提案に、博士は眉を上げる。
「ありゃ、ただの赤チンじゃぞ?」
「……あか、え、と、いやいや」
「機能名でいうと、損害細胞補填器具ということになるかの?」
「装置なんですか? 塗っただけなのに……超高性能セルフリペアキッドって感じ?」
「まあ、ありゃぁ損傷部位とそうでない部位を見極めるのが面倒なだけのもんじゃったぞ?」
「あー……」
私はその場に突っ伏して大声で叫びだしたいのを抑えた。
そういう問題じゃないでしょう!? 博士ってば、自分が何やったのか、ほんっとうに見えてないのかな!? そういった判断を自動的にできないから、多くの人々が苦労しているって話じゃないですか!!
私は動悸を抑えようと胸に手を当てて、軽く息を整えてから、言った。
「こ、このさい名前だってそれっぽくする必要があるでしょう。これ程高性能なもの、それこそ世界中の人々が待ち望んでます!」
「いや、あれは儂が必要だから作っただけのもんじゃぞ?」
「……じゃあ、発表とかは?」
「そういう面倒はごめんじゃな」
何か、博士ってば哀愁ただよう表情で吐き出した。
特殊な才能を持ったひとってこれだからもう! あのですね、多くの人の悩みを助けるためには、博士の偏屈で終わらせてはいけない部分だってあります! 自分で使ったからわかる! この効果は、たくさんの人たちが手を伸ばしている希望じゃないか!
そりゃね、やっかみとか悪意とか、いろいろ被るかもです。だけど、そこは私や斉藤さんたち巻き込めんで、ツテやコネを使って、探して、賢く正しく立ち回ることができるんじゃないですかね!?
「博士、ご自身が作ったものの価値、解ってますか!? 本当、歴史に残るほどの……」
「もうなくなってしまったじゃろ? あれで終わりじゃ。それに、さっきひみっちゃんが設計図燃したぞ?」
「えっ!?」
…………いま、なんて、言いましたか?
「あれはの、次元壁穿孔装置の資料を基にして作ったんじゃ。作り込みも足りんから、本設計にまぎれてたじゃろ?」
えーっと!? 私、後ろの方は目を通さずに細かくちぎって投げ入れてたけど……え、私!? 私のせいで!? 医療に革命を起こす発明を、燃してしまったの!?
「うわあああーーーー! 私ってば、なああぁぁあんてことをおおぉぉぉぉ!!」
頭を抱えて蹲り、私は絶叫した。
本当は転がりたいけど、人様のお家でそれをするのは憚られると思い、流石に自重できている。
「まあ、儂が怪我して困ったら作るかもしれんが、しかし、一度没になったもんはな……気が乗らんし忘れることにしとる」
うっわ、これだから博士は、もう、これだから!! 私は少し目をひそめて言ってみた。
「今すぐ怪我、させましょうか?」
ぎょっとした顔で、こちらを見た博士は少しおびえたように言う。
「ちょ、ちょっとひみっちゃん、目が本気じゃぞ? しかし、さすがに駄目と判断したものを、もう一度作るわけにはいかん」
「な、なな何故ですか!?」
「さっき言わんかったかな? ひみっちゃんの判断は、こいつを世に出しちゃいかんという、天啓なのじゃ!」
「あ、ああああ……ああ……私の、せいで、ああ、何という事を……」
希望を知った後に訪れた絶望ほど、耐えにくいものはない。私は今度こそ突っ伏して床の絨毯に顔をうずめてしまう。
もういいや、どうせ博士しかいないし……。
「おやおや、ひみっちゃんだらしないのお? そんなに欲しかったんか?」
「まあ、世界を変える発明ですから……」
「儂の発明は全てそうじゃよ。人の評価に興味ないし、いちいち気にしとったら面倒になるだけじゃ」
「…………」
博士は、本気でそう言っている。これは、おそらく再び作ることはないんだろうな。無理に作ってもらったとしても、別物になってしまうのだろう……。
だから、私も落ち込むだけで済まさなければ……。
「まあ安心せい! ひみっちゃんが大怪我したら、急いで作ってやるぞい!」
「あー、はあ、えっと、んんー!? つまり……大怪我したら作ってくれると?」
「なぬっ!?」
私は再び迷いが生じる。
それって、博士が図ったわけじゃないけれど、『ほしけりゃ今すぐ大きな怪我してねっ♪』って聞こえてしまうんですけど……?
うーん、大怪我か……うーむ……たとえば今すぐ、なんとか怪我したとして、それでやる気を起こすだろうか?
いやいや、博士は大怪我といったな。目をつむって指の先っちょを針でつんつんしたくらいじゃダメだと思う。
大怪我、怪我、どんなかんじか……うーむむむ……顔を付けた絨毯の柔らかさを感じつつ、いろいろ考えて、ふと気が付いた。
……あれ? そもそも、なんで私が怪我しなきゃいけなくなったんだろう?
もう一度考え直そうとしてはみたが、急に私は面倒くさくなったのですべてぶん投げることにした。
「いえ、自傷行為は苦手ですし、やめておきます」
「じゃな! 良かったぞ!」
博士がニコニコと笑った。その後の、更なる言葉に私は固まる。
「しかし、もし次作るなら、天使の翼とか生やしても面白くないかの?」
「はえっ!?」
博士が先んじて言う。一緒に発明品の残骸を集め、インパクトのあるごみすて? に入れて、やれやれと一息ついた頃、博士が言った。
「ああ、そうでしたか?」
「怪我できたのに、わざわざありがとな」
「あっ……」
そうだ。今日は私のトラブルでお邪魔したのだ。
「あの、今日は本当にありがとうございました! って、あれ!? 全然痛くない?」
私は擦りむいたはずの膝・肘に、痛みがまるで無いことに気が付く。
「当然じゃ。赤チンぬったからの」
「ええっ!?」
その言葉で傷を確かめた。おかしい。ジーンズに穴が開いていたところから、きれいな膝が見える。怪我の跡がないのだ。あれだけぐさぐさで擦り切れて、熱を持っていた膝が、だ。
どういう事だろう? 結構広い範囲に擦過傷ができていたはずなのだが……。
あれ、え、なにこれ!?
「あ……」
私はここにきてようやく気が付いた。もしかして、あの赤チン、博士が作ったものなの!?
「あの、あれって……もしかして、博士が作ったんですか!?」
「そじゃよ。というか、この前怪我して痛みで集中出来んかった。だから即興で作ったのじゃ!」
「ええっ!?」
「作っていく過程で赤くなってしもたからの。シャレで赤チンって呼んでたのじゃよ」
「ま、まあ名前とかは、この際どうでもいいです」
しかし、医薬品になるのかな? そういうのって作る資格とか使う場合とかに何かいるんじゃ……あー、いや、えー!? でも、もしかしたら、そういうのとは別のもの!?
え、でもおかしい。塗ってそれ程経ってないですよね!? どんな原理!? 人体への影響は!?
あ、いや、順番に聞いていく必要があるな。混乱でいろいろとまずい。なんだか動悸が激しくなってきた。
「えっと、まずは、その、整理させてくださいね。あれって、博士が作ったんですか!?」
「そうじゃと言っとろう?」
「ああいうの作るって、資格とか、何らかの面倒な手続きが色々といるんじゃ……」
「儂、ライセンスもっとるから博士(Dr)名乗れるんじゃ」
そういうのって、そういうもんなの? 私、よくわかんないや。
「しかしな、どこぞに所属せにゃならんかっての。上司風吹かすやつが気に食わんかったから辞めたのじゃよ」
「ああー、まあ、そういった話は、とっっっても興味がありますが、今は後にして……あれ、どういう原理ですか!?」
そう。私の膝や肘は結構広い範囲ですり傷になっていた。痛みと熱があって、暫く動けなかったほどだ。
これを治すには2~3日でかさぶたを作って、それからしばらくして、自然に落ちて行って跡も残らない状態になる。それをまるっきりすっ飛ばして!
今の私は単なる穴空きジーンズ履いたヒトになっているじゃないか!
「原理はそんな難しいもんではないぞ?」
「あの、とっても難しそうですが?」
「いやいや、ええかひみっちゃん。人間の体は細胞で出来ておる……」
それから、博士は細胞何たらとか、DNA取り込むなんたらとか、細胞核のRNAなどなどなど、ものすっごい勢いででてきて、続いてNaとかKとか、プラス? マイナス? イオン? どんどん記号っぽいものを羅列し始め、ついでになぜか数式まで取り出してきて、弱点:数字のこの私を責め始めた!?
うっわ、しまった、でも、何とか、ここは、何とか……聞き流さなくては!!
そして、そういった原理らしき呪文を唱え終えた博士は言った。
「つまり、周りの細胞と損傷細胞を取り込んで、損傷部分だけを補うよう、分化するだけのもんじゃ!」
分化って、あれでしょ! その細胞になり替わるってやつ!
てか、損傷部分だけって言いましたか!? あの、博士!? そういった物を作るたことができるかもしれないって、社会現象になった事例とか、先進医療の話とか、知らないんですか? いや、ニュース見たことないんですかね!? あーもうもう!
「そ、それって、『夢の再生医療』じゃないですか!?」
「夢じゃないわ! 現実じゃ」
そうだ。多くの人たちが、その研究に集中して打ち込んで模索し、あらゆる可能性を秘めた分野である。ただ、現実に製品化などを考えると、ものすっごい日にちが掛ってしまう類のもんだ。
今、私が体験した事って、そういったのを一足飛びに飛び越える精度であり、それこそ世界に激震が走る何とやらじゃないか!!
「は、博士! その設計図は!? 発表しましょうよ!」
勢い込んでの提案に、博士は眉を上げる。
「ありゃ、ただの赤チンじゃぞ?」
「……あか、え、と、いやいや」
「機能名でいうと、損害細胞補填器具ということになるかの?」
「装置なんですか? 塗っただけなのに……超高性能セルフリペアキッドって感じ?」
「まあ、ありゃぁ損傷部位とそうでない部位を見極めるのが面倒なだけのもんじゃったぞ?」
「あー……」
私はその場に突っ伏して大声で叫びだしたいのを抑えた。
そういう問題じゃないでしょう!? 博士ってば、自分が何やったのか、ほんっとうに見えてないのかな!? そういった判断を自動的にできないから、多くの人々が苦労しているって話じゃないですか!!
私は動悸を抑えようと胸に手を当てて、軽く息を整えてから、言った。
「こ、このさい名前だってそれっぽくする必要があるでしょう。これ程高性能なもの、それこそ世界中の人々が待ち望んでます!」
「いや、あれは儂が必要だから作っただけのもんじゃぞ?」
「……じゃあ、発表とかは?」
「そういう面倒はごめんじゃな」
何か、博士ってば哀愁ただよう表情で吐き出した。
特殊な才能を持ったひとってこれだからもう! あのですね、多くの人の悩みを助けるためには、博士の偏屈で終わらせてはいけない部分だってあります! 自分で使ったからわかる! この効果は、たくさんの人たちが手を伸ばしている希望じゃないか!
そりゃね、やっかみとか悪意とか、いろいろ被るかもです。だけど、そこは私や斉藤さんたち巻き込めんで、ツテやコネを使って、探して、賢く正しく立ち回ることができるんじゃないですかね!?
「博士、ご自身が作ったものの価値、解ってますか!? 本当、歴史に残るほどの……」
「もうなくなってしまったじゃろ? あれで終わりじゃ。それに、さっきひみっちゃんが設計図燃したぞ?」
「えっ!?」
…………いま、なんて、言いましたか?
「あれはの、次元壁穿孔装置の資料を基にして作ったんじゃ。作り込みも足りんから、本設計にまぎれてたじゃろ?」
えーっと!? 私、後ろの方は目を通さずに細かくちぎって投げ入れてたけど……え、私!? 私のせいで!? 医療に革命を起こす発明を、燃してしまったの!?
「うわあああーーーー! 私ってば、なああぁぁあんてことをおおぉぉぉぉ!!」
頭を抱えて蹲り、私は絶叫した。
本当は転がりたいけど、人様のお家でそれをするのは憚られると思い、流石に自重できている。
「まあ、儂が怪我して困ったら作るかもしれんが、しかし、一度没になったもんはな……気が乗らんし忘れることにしとる」
うっわ、これだから博士は、もう、これだから!! 私は少し目をひそめて言ってみた。
「今すぐ怪我、させましょうか?」
ぎょっとした顔で、こちらを見た博士は少しおびえたように言う。
「ちょ、ちょっとひみっちゃん、目が本気じゃぞ? しかし、さすがに駄目と判断したものを、もう一度作るわけにはいかん」
「な、なな何故ですか!?」
「さっき言わんかったかな? ひみっちゃんの判断は、こいつを世に出しちゃいかんという、天啓なのじゃ!」
「あ、ああああ……ああ……私の、せいで、ああ、何という事を……」
希望を知った後に訪れた絶望ほど、耐えにくいものはない。私は今度こそ突っ伏して床の絨毯に顔をうずめてしまう。
もういいや、どうせ博士しかいないし……。
「おやおや、ひみっちゃんだらしないのお? そんなに欲しかったんか?」
「まあ、世界を変える発明ですから……」
「儂の発明は全てそうじゃよ。人の評価に興味ないし、いちいち気にしとったら面倒になるだけじゃ」
「…………」
博士は、本気でそう言っている。これは、おそらく再び作ることはないんだろうな。無理に作ってもらったとしても、別物になってしまうのだろう……。
だから、私も落ち込むだけで済まさなければ……。
「まあ安心せい! ひみっちゃんが大怪我したら、急いで作ってやるぞい!」
「あー、はあ、えっと、んんー!? つまり……大怪我したら作ってくれると?」
「なぬっ!?」
私は再び迷いが生じる。
それって、博士が図ったわけじゃないけれど、『ほしけりゃ今すぐ大きな怪我してねっ♪』って聞こえてしまうんですけど……?
うーん、大怪我か……うーむ……たとえば今すぐ、なんとか怪我したとして、それでやる気を起こすだろうか?
いやいや、博士は大怪我といったな。目をつむって指の先っちょを針でつんつんしたくらいじゃダメだと思う。
大怪我、怪我、どんなかんじか……うーむむむ……顔を付けた絨毯の柔らかさを感じつつ、いろいろ考えて、ふと気が付いた。
……あれ? そもそも、なんで私が怪我しなきゃいけなくなったんだろう?
もう一度考え直そうとしてはみたが、急に私は面倒くさくなったのですべてぶん投げることにした。
「いえ、自傷行為は苦手ですし、やめておきます」
「じゃな! 良かったぞ!」
博士がニコニコと笑った。その後の、更なる言葉に私は固まる。
「しかし、もし次作るなら、天使の翼とか生やしても面白くないかの?」
「はえっ!?」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
雇われ側妃は邪魔者のいなくなった後宮で高らかに笑う
ちゃっぷ
キャラ文芸
多少嫁ぎ遅れてはいるものの、宰相をしている父親のもとで平和に暮らしていた女性。
煌(ファン)国の皇帝は大変な女好きで、政治は宰相と皇弟に丸投げして後宮に入り浸り、お気に入りの側妃/上級妃たちに囲まれて過ごしていたが……彼女には関係ないこと。
そう思っていたのに父親から「皇帝に上級妃を排除したいと相談された。お前に後宮に入って邪魔者を排除してもらいたい」と頼まれる。
彼女は『上級妃を排除した後の後宮を自分にくれること』を条件に、雇われ側妃として後宮に入る。
そして、皇帝から自分を楽しませる女/遊姫(ヨウチェン)という名を与えられる。
しかし突然上級妃として後宮に入る遊姫のことを上級妃たちが良く思うはずもなく、彼女に幼稚な嫌がらせをしてきた。
自分を害する人間が大嫌いで、やられたらやり返す主義の遊姫は……必ず邪魔者を惨めに、後宮から追放することを決意する。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる