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1 博士は刻(とき)をみたようです
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「あ、あの~、その時間軸とやらがいまいちピンとこないんですが……」
それは、無駄な抵抗だったと思う。心がしんどい。私のやるべき行動は決まっているのだ。ただ、ちょっとその、踏ん切りがつかない。
「おや、解らんかな? むぅ……儂の説明がうまくないんかの? 仕方ない、えっと、時間とは……」
うわ、しまった! またまた講義が始まったじゃないか!!
身構えてしまったが、その説明は確かにわかりやすくなっていた。
ホワイトボードを用いて概念と具体性と、喩えと理論をもっての説明である。
ええっと、概念として時間とは時間軸を中心に回転を続けていることによって、時間を提供しているらしい。
そして、その時間軸が近くにあるか、遠くにあるかによって、相対的な捉え方が変わってくる……んー? 本当、博士には何が見えているんだろう?
なんというか時間の感じ方は、人それぞれであるが、その時の立ち位置的な状況は、集中していたりぼんやりしていたりの違いとなるそうだ。
つまり、人によって時間の感じ方が大きく変わる理由は、個人の状態と密接に関わって来るらしい。
そんな話をですね、やっぱり数式交じりで言われてしまった。私の心のダメージなぞまるで気にせず、博士は結論を導き出す。
「いいかね、ひみっちゃん。時間軸は一つの次元に一つしかない。そこですべての時間を統括しておるのじゃ」
「は、はあ……」
まあ、うん、なんとなくだがそれはわかる。
「それを破壊したら世界が止まるという結論になるじゃろ!?」
だからそこがわかりません! 何でわざわざ壊そうとしてるんでしょうか!?
「えーっと……」
何と言うべきか考え、そして私は聞いた。
「破壊したあとに、ひとは動けるんですか?」
「んな訳なかろう」
博士はとても良い笑顔を見せた。
「時間の恩恵が万物に平等である以上、すべては時間によって支配されておる! 壊してしまえばすべてが時間を失うぞ!」
「じ、時間軸って……再生するんですか?」
「壊してみんとわからん! ……しかし、再生とはそもそも時間が必要なのじゃよ?」
……この回答を受け、私はすっくと立ち上がる。
「なるほど」
深く息を吐いたすぐのちに、『世界を静止させてしまうんですね!』とは、言葉にしない。
だから私は、自分のお顔へ冷ややかな笑顔を張り付けて、先ほど活躍したハンマー取り出し、しっかと握りしめ、その発明品を軽くつつく。
大丈夫だよね? 力を向けるための装置だよね!? だから、爆発しないよね! と祈り、自分をだまし……。
「お、ちょっ、ひみっちゃん?」
「しゃぉらー!!」
大声で弾みをつけて、強く心を保ちつつ、打って殴って壊して、壊して、完膚なきまで、ばらばらになるまで、二度と再び現れないよう、丁寧に打ち壊した。
「のおおおおーーーー!!!? なななあ、なああああんてことするんじゃああああ!?」
「はい、世界の静止を止めるためなんです。仕方のない犠牲なんです」
しっかりと正確に、芯を打ち抜いて叩くと緑色のどろどろした液体じゃない何かは、紫色のさらさらした液体っぽいなにかに変わって落ちた。飛び散った部品一つ一つが別の色を持って崩れ、転がり落ちる。
そして、時間軸という超越存在を破壊するために、多くの工夫を重ねて作った何かは、ばらばらの何かになった。
「博士、設計図は何番です?」
「さ……325じゃ」
うーん、さっきから7つくらい進んでいるのが怖い。が、まあ他は見ていないから良いだろう。
「わかりました」
うなずいた私は速やかに移動し、さっき覗いた設計図入れの棚を探して325番を取り出す。
そして内容に間違いがないか記憶を頼りに確認したのち、厚みはさっきほどではないが、細やかな書き込みがたっくさんしてある、努力の結晶に心を痛めながら取り出した。
その束を暖炉へと持って行き、一枚一枚丁寧にちぎって投げ入れ、卓上のライターを借りて火をつけたのち、息を吹きかけ燃え上がらせて、それが灰となるまでを確認する。
ああ……うん。火は、良いものだなぁ。いやなことを消し去ってくれる。そうだったよね。火は素敵だ。
ゆらゆらと揺れて『全世界が止まりっぱなし』という恐るべき災厄に染まった未来が、完全なる灰となるまでを見届けた私は、軽く息を吐く。
「よし!」
「よしじゃないわい! ひみっちゃん、なんでじゃ! 何が悪かったんじゃ!?」
何が悪いって……博士のとりあえず作っちゃう癖が問題だと思うんですが、どうやって伝えよう? オブラートに包もうか? それとも直接言った方が良いのか? 少し悩んで私は言った。
「あの、止まったあと動かせませんよね?」
「うむ!」
うむ、じゃないと思うんですけど!? 答え言ってるんですけど!
「だから、世界が止まったままになったら困るでしょう!? あれは、世界に出せません」
「むう……そうかのう?」
「博士も止まるんですよ!?」
「…………ああ!? 確かにそうじゃの!」
考えてなかったの!? いや、でも、あれだけ嬉々として教えてくれたんだから、想像しないの!? もしかして、作る事にしか興味ないとか!?
「いや、しかし……ああ……あれをつくるのに……ぐう……儂の……ううううう……」
博士はその場に崩れ落ち、愛しいであろう発明品の残骸を撫ではじめた。
あの……私、人が悲しむ姿を見るのは心苦しいんですよ? ただ、あれはだめですよね!?
えっと、まかり間違った場合も鑑みて、実験すらできない類のものでしょう?
ねえ! 違ってますか? 私、まちがってないですよね!?
なんで、人をこんなひどい目に合わせなければならないんですか!?
**―――――
「ちょ、おちついてよ、間違ってないからね。うん、そんなん、あたしも壊しちゃうから! 大丈夫だから」
どうやら妹がたしなめてくれて、私は少し気を取り直した。
「ああ、ありがとう。罪悪感あるんだよ……私も」
「うん、まあ、でも壊した時と火を見た時って楽しかったんでしょ?」
へ? な、何を言ってるんだね妹さん?
「昔っから暖炉とサンタさんに憧れてたじゃん」
うぉい! そういう黒歴史はやめてくれない!?
「え、いや、いやいや、そそそそ、そんなことないよ!?」
「言いよどんだ……やっぱりちょびっと火と破壊を楽しんでるわね!」
「なんか誤解してない? 私、喜んで壊してはいないんだよ!」
「でも、楽しんで壊してたんでしょ?」
「ぐう……」
次の言葉が出てこない。確かに……壊したあとの設計図が燃えていく姿と、暖炉で炎が揺らめく様を見ているとき、あの時だけは使命感だけじゃないなにかもある。
しかし、それは、明言を避けるべきお言葉だ。
「ま、まままま、まあ、それは置いといてだよ」
「置いといていいのかしら?」
「うん……話には、続きがあるからね」
妹は目を丸くする。
「え、まだ続くの?」
「うん……私が自分を守るための言葉が悪かったんだよ」
「ほほう、なんて言ったの?」
「えっと、『さすがにもう、ないですよね』だね」
その言葉で妹の瞳孔が開いた。
「まだ……あったのね?」
「うん、あったのだよ」
**―――――
「まだあるぞい!」
さっきまでばらばらになった謎の物体を抱えてうずくまり、深く落ち込んでいた博士だったが、顔を上げると同時にご機嫌な様子をとりもどした。
「う、そ、そうですか……結構、作っちゃったんですね……」
私が言った『もうないですよね?』が悪かったのだろうか? 博士は勢いよく立ち上がって、とてもいい笑顔を見せてくれる。
無邪気で純真な笑顔は、狂気などまるで含んでいない。しかし、禍々しい未来が簡単に想像できてしまうため、あまり見つめていたくはない。
「ひみっちゃん、待っとってくれな!」
「あ、はい……はい」
どうしよう、そろそろ私も心が病になりそうだ。次回に回すと帰っちゃおうか? いや、それも無理だな。
ここでの帰る選択は、不安で夜も眠れない!
「でもさ、博士って……立ち直りはやいよなぁ」
そう。壊れた発明品に取りついていた博士は、全身で落ち込んでいたのだ。
だが、まだ残った品を見せたいとなれば一変した。にっこにこで立ち直り、転がるように駆けて研究室に入っていく。
立ち直りの早さだけはちょびっとうらやましいとは思うし、できれば、見習いたいと思う。
……いや、まてまて!? これは罠だ! 見方によっては人としてはマネしちゃダメな感じもあるぞ? 特に私がマネしたら、世界に破滅がおとずれる。
「うーん、どんなものを持ってくるんだろう?」
止まってしまう世界という、悪夢は破壊した。
役目を終えたハンマーを、ポケットの上から触れて確かめる。今まで発明品をいくつか打ち倒してきた相棒として、今、この子は心の拠り所となっているのだ。
「いつか、君にも名前を付けてあげるね」
そう呟いて博士を待つ私は、受刑者の気分である。
……私、本当なんでこんな目に遭ってんだろ?
それは、無駄な抵抗だったと思う。心がしんどい。私のやるべき行動は決まっているのだ。ただ、ちょっとその、踏ん切りがつかない。
「おや、解らんかな? むぅ……儂の説明がうまくないんかの? 仕方ない、えっと、時間とは……」
うわ、しまった! またまた講義が始まったじゃないか!!
身構えてしまったが、その説明は確かにわかりやすくなっていた。
ホワイトボードを用いて概念と具体性と、喩えと理論をもっての説明である。
ええっと、概念として時間とは時間軸を中心に回転を続けていることによって、時間を提供しているらしい。
そして、その時間軸が近くにあるか、遠くにあるかによって、相対的な捉え方が変わってくる……んー? 本当、博士には何が見えているんだろう?
なんというか時間の感じ方は、人それぞれであるが、その時の立ち位置的な状況は、集中していたりぼんやりしていたりの違いとなるそうだ。
つまり、人によって時間の感じ方が大きく変わる理由は、個人の状態と密接に関わって来るらしい。
そんな話をですね、やっぱり数式交じりで言われてしまった。私の心のダメージなぞまるで気にせず、博士は結論を導き出す。
「いいかね、ひみっちゃん。時間軸は一つの次元に一つしかない。そこですべての時間を統括しておるのじゃ」
「は、はあ……」
まあ、うん、なんとなくだがそれはわかる。
「それを破壊したら世界が止まるという結論になるじゃろ!?」
だからそこがわかりません! 何でわざわざ壊そうとしてるんでしょうか!?
「えーっと……」
何と言うべきか考え、そして私は聞いた。
「破壊したあとに、ひとは動けるんですか?」
「んな訳なかろう」
博士はとても良い笑顔を見せた。
「時間の恩恵が万物に平等である以上、すべては時間によって支配されておる! 壊してしまえばすべてが時間を失うぞ!」
「じ、時間軸って……再生するんですか?」
「壊してみんとわからん! ……しかし、再生とはそもそも時間が必要なのじゃよ?」
……この回答を受け、私はすっくと立ち上がる。
「なるほど」
深く息を吐いたすぐのちに、『世界を静止させてしまうんですね!』とは、言葉にしない。
だから私は、自分のお顔へ冷ややかな笑顔を張り付けて、先ほど活躍したハンマー取り出し、しっかと握りしめ、その発明品を軽くつつく。
大丈夫だよね? 力を向けるための装置だよね!? だから、爆発しないよね! と祈り、自分をだまし……。
「お、ちょっ、ひみっちゃん?」
「しゃぉらー!!」
大声で弾みをつけて、強く心を保ちつつ、打って殴って壊して、壊して、完膚なきまで、ばらばらになるまで、二度と再び現れないよう、丁寧に打ち壊した。
「のおおおおーーーー!!!? なななあ、なああああんてことするんじゃああああ!?」
「はい、世界の静止を止めるためなんです。仕方のない犠牲なんです」
しっかりと正確に、芯を打ち抜いて叩くと緑色のどろどろした液体じゃない何かは、紫色のさらさらした液体っぽいなにかに変わって落ちた。飛び散った部品一つ一つが別の色を持って崩れ、転がり落ちる。
そして、時間軸という超越存在を破壊するために、多くの工夫を重ねて作った何かは、ばらばらの何かになった。
「博士、設計図は何番です?」
「さ……325じゃ」
うーん、さっきから7つくらい進んでいるのが怖い。が、まあ他は見ていないから良いだろう。
「わかりました」
うなずいた私は速やかに移動し、さっき覗いた設計図入れの棚を探して325番を取り出す。
そして内容に間違いがないか記憶を頼りに確認したのち、厚みはさっきほどではないが、細やかな書き込みがたっくさんしてある、努力の結晶に心を痛めながら取り出した。
その束を暖炉へと持って行き、一枚一枚丁寧にちぎって投げ入れ、卓上のライターを借りて火をつけたのち、息を吹きかけ燃え上がらせて、それが灰となるまでを確認する。
ああ……うん。火は、良いものだなぁ。いやなことを消し去ってくれる。そうだったよね。火は素敵だ。
ゆらゆらと揺れて『全世界が止まりっぱなし』という恐るべき災厄に染まった未来が、完全なる灰となるまでを見届けた私は、軽く息を吐く。
「よし!」
「よしじゃないわい! ひみっちゃん、なんでじゃ! 何が悪かったんじゃ!?」
何が悪いって……博士のとりあえず作っちゃう癖が問題だと思うんですが、どうやって伝えよう? オブラートに包もうか? それとも直接言った方が良いのか? 少し悩んで私は言った。
「あの、止まったあと動かせませんよね?」
「うむ!」
うむ、じゃないと思うんですけど!? 答え言ってるんですけど!
「だから、世界が止まったままになったら困るでしょう!? あれは、世界に出せません」
「むう……そうかのう?」
「博士も止まるんですよ!?」
「…………ああ!? 確かにそうじゃの!」
考えてなかったの!? いや、でも、あれだけ嬉々として教えてくれたんだから、想像しないの!? もしかして、作る事にしか興味ないとか!?
「いや、しかし……ああ……あれをつくるのに……ぐう……儂の……ううううう……」
博士はその場に崩れ落ち、愛しいであろう発明品の残骸を撫ではじめた。
あの……私、人が悲しむ姿を見るのは心苦しいんですよ? ただ、あれはだめですよね!?
えっと、まかり間違った場合も鑑みて、実験すらできない類のものでしょう?
ねえ! 違ってますか? 私、まちがってないですよね!?
なんで、人をこんなひどい目に合わせなければならないんですか!?
**―――――
「ちょ、おちついてよ、間違ってないからね。うん、そんなん、あたしも壊しちゃうから! 大丈夫だから」
どうやら妹がたしなめてくれて、私は少し気を取り直した。
「ああ、ありがとう。罪悪感あるんだよ……私も」
「うん、まあ、でも壊した時と火を見た時って楽しかったんでしょ?」
へ? な、何を言ってるんだね妹さん?
「昔っから暖炉とサンタさんに憧れてたじゃん」
うぉい! そういう黒歴史はやめてくれない!?
「え、いや、いやいや、そそそそ、そんなことないよ!?」
「言いよどんだ……やっぱりちょびっと火と破壊を楽しんでるわね!」
「なんか誤解してない? 私、喜んで壊してはいないんだよ!」
「でも、楽しんで壊してたんでしょ?」
「ぐう……」
次の言葉が出てこない。確かに……壊したあとの設計図が燃えていく姿と、暖炉で炎が揺らめく様を見ているとき、あの時だけは使命感だけじゃないなにかもある。
しかし、それは、明言を避けるべきお言葉だ。
「ま、まままま、まあ、それは置いといてだよ」
「置いといていいのかしら?」
「うん……話には、続きがあるからね」
妹は目を丸くする。
「え、まだ続くの?」
「うん……私が自分を守るための言葉が悪かったんだよ」
「ほほう、なんて言ったの?」
「えっと、『さすがにもう、ないですよね』だね」
その言葉で妹の瞳孔が開いた。
「まだ……あったのね?」
「うん、あったのだよ」
**―――――
「まだあるぞい!」
さっきまでばらばらになった謎の物体を抱えてうずくまり、深く落ち込んでいた博士だったが、顔を上げると同時にご機嫌な様子をとりもどした。
「う、そ、そうですか……結構、作っちゃったんですね……」
私が言った『もうないですよね?』が悪かったのだろうか? 博士は勢いよく立ち上がって、とてもいい笑顔を見せてくれる。
無邪気で純真な笑顔は、狂気などまるで含んでいない。しかし、禍々しい未来が簡単に想像できてしまうため、あまり見つめていたくはない。
「ひみっちゃん、待っとってくれな!」
「あ、はい……はい」
どうしよう、そろそろ私も心が病になりそうだ。次回に回すと帰っちゃおうか? いや、それも無理だな。
ここでの帰る選択は、不安で夜も眠れない!
「でもさ、博士って……立ち直りはやいよなぁ」
そう。壊れた発明品に取りついていた博士は、全身で落ち込んでいたのだ。
だが、まだ残った品を見せたいとなれば一変した。にっこにこで立ち直り、転がるように駆けて研究室に入っていく。
立ち直りの早さだけはちょびっとうらやましいとは思うし、できれば、見習いたいと思う。
……いや、まてまて!? これは罠だ! 見方によっては人としてはマネしちゃダメな感じもあるぞ? 特に私がマネしたら、世界に破滅がおとずれる。
「うーん、どんなものを持ってくるんだろう?」
止まってしまう世界という、悪夢は破壊した。
役目を終えたハンマーを、ポケットの上から触れて確かめる。今まで発明品をいくつか打ち倒してきた相棒として、今、この子は心の拠り所となっているのだ。
「いつか、君にも名前を付けてあげるね」
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