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落胤暴露大会
ですってよ、お父様?【カウーナside】
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一目、アンを見て、
あら、気の所為かしら? ビーと似てるような。
と思ったけど・・・・・・
騎士団長の娘のセーラも同席してるので、どうせ、良からぬ用向きだろうと思いながら、ラディーゼル公爵家の令嬢スライアの話を聞き、ピンと来た私はお父様を部屋に呼んだわ。
お母様はまだビーが死んだ事を悲しんでて無理だけど、この話を聞いたら復活するわね。悪い方にだけど。
「何だ、カウーナ? 執務をしてるんだが?」
お父様が煩らわしそうにする中、
「新しい友人が出来たからお父様に紹介しようと思って。お名前はアンですって。いい名前よねぇ~。お母様の名前をいただいたのかしら?」
私がアンを見ると、案の定、
「・・・はい」
「死んだお母様からはアナタは何て呼ばれてたの?」
「・・・えっと」
「何?」
「幼くてうろ覚えですけど、多分、カウーエルと」
アンが申し訳なさそうに言う中、
「ですってよ、お父様? 確か私が子供の頃に懐いてた屋敷に居たメイドの名前もアンって名前だったわよね?」
「待て待て、カウーナ。メイドのアンは死んだぞ?」
「なら、この子はどうして我がルーンサード侯爵家と同じ【伴侶補正】があるのかしらね? 未来の王妃に妹が居たなんて話が公になったらまだまだそう騙る詐欺師が現れそうだけど、この始末、どう付けるのかしら、お父様は? そうそう、こちらのアンはラディーゼル公爵家の使用人ですってよ? 確かラディーゼル公爵家は私と陛下との婚約をいち早く支持してくれたわよね。あの頃は私も小娘だったから『どうしてかしら?』と思いながらも感謝したものだけど、まさか、この子を抑えられてたなんてね。ほら見て、スライア嬢の小間使いをしてるんですってよ、今? 未来の王妃の妹が? 凄いわよね、この光景って、意外と? お父様にはどう見えて?」
冷たい雰囲気を放ちながら私が満面の笑顔で歌うようにお父様に尋ねると、顔面蒼白のお父様が、
「ま、待ってくれ、カウーナ。私は本当に『アンは死んだ』と亡き母に聞かされて・・・」
「わたくし、これから陛下にこの事を伝えてくるので、帰ってくるまでに今後の事を決めておいてちょうだいね、お父様。アン、――いえ、エルでいいわよね、呼び方は? エルは絶対に帰さないようにね。これが今生の別れとか嫌だから」
私はそう微笑して中座して、部屋を出た廊下で・・・・・・
エニスもエニスよっ! 直接、私に伝えればいいものをっ! わざわざ大事にしてくれてっ!
私はそう憤懣を抱きながら陛下に報告に行き・・・・・・・
宰相を引退したはずのオルゼーク殿まで出て来て折衝をする羽目になり・・・
ラディーゼル公爵家からエルを奪い返して、お父様が持つ男爵の爵位をエルに継がせて、遠縁として我が家の系譜に加える事でどうにか収まったわ。
おわり
あら、気の所為かしら? ビーと似てるような。
と思ったけど・・・・・・
騎士団長の娘のセーラも同席してるので、どうせ、良からぬ用向きだろうと思いながら、ラディーゼル公爵家の令嬢スライアの話を聞き、ピンと来た私はお父様を部屋に呼んだわ。
お母様はまだビーが死んだ事を悲しんでて無理だけど、この話を聞いたら復活するわね。悪い方にだけど。
「何だ、カウーナ? 執務をしてるんだが?」
お父様が煩らわしそうにする中、
「新しい友人が出来たからお父様に紹介しようと思って。お名前はアンですって。いい名前よねぇ~。お母様の名前をいただいたのかしら?」
私がアンを見ると、案の定、
「・・・はい」
「死んだお母様からはアナタは何て呼ばれてたの?」
「・・・えっと」
「何?」
「幼くてうろ覚えですけど、多分、カウーエルと」
アンが申し訳なさそうに言う中、
「ですってよ、お父様? 確か私が子供の頃に懐いてた屋敷に居たメイドの名前もアンって名前だったわよね?」
「待て待て、カウーナ。メイドのアンは死んだぞ?」
「なら、この子はどうして我がルーンサード侯爵家と同じ【伴侶補正】があるのかしらね? 未来の王妃に妹が居たなんて話が公になったらまだまだそう騙る詐欺師が現れそうだけど、この始末、どう付けるのかしら、お父様は? そうそう、こちらのアンはラディーゼル公爵家の使用人ですってよ? 確かラディーゼル公爵家は私と陛下との婚約をいち早く支持してくれたわよね。あの頃は私も小娘だったから『どうしてかしら?』と思いながらも感謝したものだけど、まさか、この子を抑えられてたなんてね。ほら見て、スライア嬢の小間使いをしてるんですってよ、今? 未来の王妃の妹が? 凄いわよね、この光景って、意外と? お父様にはどう見えて?」
冷たい雰囲気を放ちながら私が満面の笑顔で歌うようにお父様に尋ねると、顔面蒼白のお父様が、
「ま、待ってくれ、カウーナ。私は本当に『アンは死んだ』と亡き母に聞かされて・・・」
「わたくし、これから陛下にこの事を伝えてくるので、帰ってくるまでに今後の事を決めておいてちょうだいね、お父様。アン、――いえ、エルでいいわよね、呼び方は? エルは絶対に帰さないようにね。これが今生の別れとか嫌だから」
私はそう微笑して中座して、部屋を出た廊下で・・・・・・
エニスもエニスよっ! 直接、私に伝えればいいものをっ! わざわざ大事にしてくれてっ!
私はそう憤懣を抱きながら陛下に報告に行き・・・・・・・
宰相を引退したはずのオルゼーク殿まで出て来て折衝をする羽目になり・・・
ラディーゼル公爵家からエルを奪い返して、お父様が持つ男爵の爵位をエルに継がせて、遠縁として我が家の系譜に加える事でどうにか収まったわ。
おわり
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