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落胤暴露大会
ラディーゼル公爵家の護衛だけど?【スライアside】
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黒勇者バギンを討伐したって事になったナルシーン(本当はエニスらしいけど、それもどうだか)がチコルピア公国に正式に公女として迎え入れられたとの情報が新聞で載った日のミリアリリー女学園では、今日も廊下が騒がしかった。
最近、ミリアリリー女学園の休み時間の1年生のクラスがある廊下は騒がしいのよね。
理由はアテニナが自分のお姉さまである3年生のエニスを連れて廊下を歩いてるからだ。
どうして、そんな事をしてるかと言えば・・・・・・
チコルピア公室の落胤が1年生に紛れてて、それに5月上旬まで気付かなかったエニスがその反省から1年生全員を自分の眼で確かめてるからだった。
そしたら出てくる出てくる。
落胤が。
3年生のエニスには【魔眼】の【鑑定】などないはずなのに、何故か能力が見えてるらしく、
「アナタ、名前は何て言うの?」
「アテニナ、ナニナニって能力って高位貴族のよね?」
とか言い出したら大当たりで、僅か3日間で1年生のクラスの前の廊下を歩き、
ゴミンクート公爵家の【虹残像】。
ハニルヤ子爵家の【蜂王】。
アルトロフト男爵家の【熊化】。
3人も落胤を発見していた。
その3家は今は大変らしく、親が誰かで大揉めしてるらしい。
他にも、ミリアリリー女学園側が把握していなかった隠された能力の、
【炎帝の花嫁】。
【氷の貴婦人】。
も発見してる。
そして今日は私のクラスの中までエニスがやってきた。
アテニナが幸せそうにエニスと腕を組んでる。
まあ、それは分からなくもないわ。
私もお姉さまと腕を組むと幸せな気持ちになるから。
私が気にせず教室で喋ってると、エニスがこっちの方を見て、
「スライア、アナタの取り巻きのその子は・・・・・・」
エニスが質問してきて『私を呼び捨て?』と内心思ったけど、
「アンの事? ラディーゼル公爵家の護衛だけど何か問題でも?」
「いえ、放課後、話しましょう。姉のセーラさんも混じえて」
そう言ってエニスは引き下がり、教室を見渡してから退室していったのだった。
放課後、ラディーゼル公爵家の屋敷の応接室で、私、お姉さま、エニス、アテニナ、それにアンとメイド達が室内に居る中、
「アンはラディーゼル公爵領の孤児院出身ですが、それが何か?」
私がそう問うと、エニスが、
「誰かに似てると思った事はないの?」
そう私に問い、私はアンを見たけど、見慣れてて今更誰かに似てるとは思わなかった。
けど、お姉さまが、
「そう言えば誰かに・・・誰だったかしら?」
と記憶を辿って、
「決勝戦で私が吹き飛ばした壁女のカウービーでしょ? カウーナ様には似てないけどね」
エニスがさらりと言った瞬間、
『確かに似てる』
と直感し、その場に居る高位貴族の全員がその事実の重大性に背筋を正した。
沈黙が室内を支配し、誰もがエニスに視線を向ける中、エニスが、
「【伴侶補正】だっけ? あるわよ、この子にも」
マジで?
アンってカウーナ様の一族なの? お父様も知っていた?
系譜は? まさかカウーナ様の妹なんて事は・・・
確かルビカル殿下とカウーナ様の婚約を支持してたわよね、ラディーゼル公爵家って。
私が内心の動揺を抑えながら、
「・・・こちらでルーンサード侯爵家に確認するわ」
そう切り出すと、エニスは、
「ええ、お願い。セーラさんもよろしくね」
「どうして私まで?」
「妹が未来の王妃様と拗れたら嫌でしょ?」
「拗れないわよ」
と請け負ったお姉さまに対してエニスが、
「そうかしら? カウーナ様は潔癖っぽいから浮気は許さないと思うけど?」
「だったら、どうして暴いたのよっ!」
「知ってて黙ってた、なんてバレた方がよっぽど怒られるじゃないの。だからよ」
「ったく」
その後、エニスとアテニナは屋敷から先に帰って行ったのだった。
最近、ミリアリリー女学園の休み時間の1年生のクラスがある廊下は騒がしいのよね。
理由はアテニナが自分のお姉さまである3年生のエニスを連れて廊下を歩いてるからだ。
どうして、そんな事をしてるかと言えば・・・・・・
チコルピア公室の落胤が1年生に紛れてて、それに5月上旬まで気付かなかったエニスがその反省から1年生全員を自分の眼で確かめてるからだった。
そしたら出てくる出てくる。
落胤が。
3年生のエニスには【魔眼】の【鑑定】などないはずなのに、何故か能力が見えてるらしく、
「アナタ、名前は何て言うの?」
「アテニナ、ナニナニって能力って高位貴族のよね?」
とか言い出したら大当たりで、僅か3日間で1年生のクラスの前の廊下を歩き、
ゴミンクート公爵家の【虹残像】。
ハニルヤ子爵家の【蜂王】。
アルトロフト男爵家の【熊化】。
3人も落胤を発見していた。
その3家は今は大変らしく、親が誰かで大揉めしてるらしい。
他にも、ミリアリリー女学園側が把握していなかった隠された能力の、
【炎帝の花嫁】。
【氷の貴婦人】。
も発見してる。
そして今日は私のクラスの中までエニスがやってきた。
アテニナが幸せそうにエニスと腕を組んでる。
まあ、それは分からなくもないわ。
私もお姉さまと腕を組むと幸せな気持ちになるから。
私が気にせず教室で喋ってると、エニスがこっちの方を見て、
「スライア、アナタの取り巻きのその子は・・・・・・」
エニスが質問してきて『私を呼び捨て?』と内心思ったけど、
「アンの事? ラディーゼル公爵家の護衛だけど何か問題でも?」
「いえ、放課後、話しましょう。姉のセーラさんも混じえて」
そう言ってエニスは引き下がり、教室を見渡してから退室していったのだった。
放課後、ラディーゼル公爵家の屋敷の応接室で、私、お姉さま、エニス、アテニナ、それにアンとメイド達が室内に居る中、
「アンはラディーゼル公爵領の孤児院出身ですが、それが何か?」
私がそう問うと、エニスが、
「誰かに似てると思った事はないの?」
そう私に問い、私はアンを見たけど、見慣れてて今更誰かに似てるとは思わなかった。
けど、お姉さまが、
「そう言えば誰かに・・・誰だったかしら?」
と記憶を辿って、
「決勝戦で私が吹き飛ばした壁女のカウービーでしょ? カウーナ様には似てないけどね」
エニスがさらりと言った瞬間、
『確かに似てる』
と直感し、その場に居る高位貴族の全員がその事実の重大性に背筋を正した。
沈黙が室内を支配し、誰もがエニスに視線を向ける中、エニスが、
「【伴侶補正】だっけ? あるわよ、この子にも」
マジで?
アンってカウーナ様の一族なの? お父様も知っていた?
系譜は? まさかカウーナ様の妹なんて事は・・・
確かルビカル殿下とカウーナ様の婚約を支持してたわよね、ラディーゼル公爵家って。
私が内心の動揺を抑えながら、
「・・・こちらでルーンサード侯爵家に確認するわ」
そう切り出すと、エニスは、
「ええ、お願い。セーラさんもよろしくね」
「どうして私まで?」
「妹が未来の王妃様と拗れたら嫌でしょ?」
「拗れないわよ」
と請け負ったお姉さまに対してエニスが、
「そうかしら? カウーナ様は潔癖っぽいから浮気は許さないと思うけど?」
「だったら、どうして暴いたのよっ!」
「知ってて黙ってた、なんてバレた方がよっぽど怒られるじゃないの。だからよ」
「ったく」
その後、エニスとアテニナは屋敷から先に帰って行ったのだった。
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