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黒勇者バギンの死
関係大ありだった【セーラside】
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私に関係大ありだった。
翌日も平日でミリアリリー女学園があるのに私はチコルピア公国に向かうナルシーン様の警備隊員の1人になっていた。
今も仮面の女騎士姿で、王宮の飛竜発着場で出発準備をしてる。
厳密には陛下の肝入りでエニスさんが護送の警護隊の1人に抜擢されて・・・
その付き添いだけどね。
というのも、お父様が昨日・・・・・・
モトンの村から飛竜で帰った私は執務室で、
「明日、あの【五星眼】の娘をチコルピア公国に送る事となった。エニス嬢が警備として同行するので、セーラ、おまえも明日、エニス嬢に同行して【五星眼】の娘をチコルピア公国の国境まで護送しろ」
「明日は平日ですけど? ミリアリリー女学園の授業だってあるのに」
「これは遊びじゃないぞ」
お父様が渋い顔で窘めてきたので、
「と言うと?」
「公室の系譜以外の【五星眼】などチコルピア公国は誰も歓迎していないからな。居なかった方がどれだけ助かると思ってるんだ?」
「つまり殺されると? なら、どうしてあの子を引き取ると申し出てきたんですか?」
「ミリアリリー王国内に居た方がもっと拙いからだ」
確かにね。
【五星眼】は単体でも強力な上、チコルピア公室の象徴。
誰もが落胤だと思うもんね。
「・・・チコルピア公国に送れば殺されると分かっててミリアリリー王国もあの子を送るんですか?」
「それが政治だ」
「・・・」
ヤダヤダ。大人の世界って。
人を捨て駒として使うなんて。
そしてそれを平然というお父様。
そりゃ、確かに騎士団長なんだからミリアリリー王国の為に汚れ仕事をするお父様の立場も分かるけど、エニスさんがお父様を嫌うのも少し分かるわ。
「では、明日、エニスさんが護衛するのは引き渡す前に襲われる可能性があるからですか? もしかしてチコルピア公国が? でも、どうしてそのような危険を冒すんです? 引き取ってから国内で殺せばいいだけなのに?」
「チコルピア公国の公宮で病死するのと、ミリアリリー王国内で事故で死ぬのとでは、チコルピア公国側がミリアリリー王国に作る貸しの大きさが違うからだよ」
なるほど。死ぬ場所1つとっても政治って訳ね。
「エニスさんを護衛に付けるって事はミリアリリー王国側としても国内で死なれたら困る訳ですね?」
「そうだ。明日は国内でチコルピア公国側の工作部隊による襲撃があると予想される」
「飛竜を狙って?」
「無論だ。なので、こちらも最大戦力で行く」
お父様が悪そうにニヤリと笑い・・・・・・
最大戦力とお父様が言うだけあり・・・・・・
【闇竜属性】のホルーテさん。
【雷竜属性】のカルネ。
この2人も居た。
カルネは竜騎士だから飛竜に乗れるけど、ホルーテさんはエニスさん同様、後部席ね。
待ってるとドレスを着飾ったナルシーン様が、ルビア様の親衛隊の格好のイザベラや仮面の女騎士姿のエニスさんと一緒に出て来て、私達は飛竜で出発した。
それがまさか、あんな結果を齎す事になるなんて。
翌日も平日でミリアリリー女学園があるのに私はチコルピア公国に向かうナルシーン様の警備隊員の1人になっていた。
今も仮面の女騎士姿で、王宮の飛竜発着場で出発準備をしてる。
厳密には陛下の肝入りでエニスさんが護送の警護隊の1人に抜擢されて・・・
その付き添いだけどね。
というのも、お父様が昨日・・・・・・
モトンの村から飛竜で帰った私は執務室で、
「明日、あの【五星眼】の娘をチコルピア公国に送る事となった。エニス嬢が警備として同行するので、セーラ、おまえも明日、エニス嬢に同行して【五星眼】の娘をチコルピア公国の国境まで護送しろ」
「明日は平日ですけど? ミリアリリー女学園の授業だってあるのに」
「これは遊びじゃないぞ」
お父様が渋い顔で窘めてきたので、
「と言うと?」
「公室の系譜以外の【五星眼】などチコルピア公国は誰も歓迎していないからな。居なかった方がどれだけ助かると思ってるんだ?」
「つまり殺されると? なら、どうしてあの子を引き取ると申し出てきたんですか?」
「ミリアリリー王国内に居た方がもっと拙いからだ」
確かにね。
【五星眼】は単体でも強力な上、チコルピア公室の象徴。
誰もが落胤だと思うもんね。
「・・・チコルピア公国に送れば殺されると分かっててミリアリリー王国もあの子を送るんですか?」
「それが政治だ」
「・・・」
ヤダヤダ。大人の世界って。
人を捨て駒として使うなんて。
そしてそれを平然というお父様。
そりゃ、確かに騎士団長なんだからミリアリリー王国の為に汚れ仕事をするお父様の立場も分かるけど、エニスさんがお父様を嫌うのも少し分かるわ。
「では、明日、エニスさんが護衛するのは引き渡す前に襲われる可能性があるからですか? もしかしてチコルピア公国が? でも、どうしてそのような危険を冒すんです? 引き取ってから国内で殺せばいいだけなのに?」
「チコルピア公国の公宮で病死するのと、ミリアリリー王国内で事故で死ぬのとでは、チコルピア公国側がミリアリリー王国に作る貸しの大きさが違うからだよ」
なるほど。死ぬ場所1つとっても政治って訳ね。
「エニスさんを護衛に付けるって事はミリアリリー王国側としても国内で死なれたら困る訳ですね?」
「そうだ。明日は国内でチコルピア公国側の工作部隊による襲撃があると予想される」
「飛竜を狙って?」
「無論だ。なので、こちらも最大戦力で行く」
お父様が悪そうにニヤリと笑い・・・・・・
最大戦力とお父様が言うだけあり・・・・・・
【闇竜属性】のホルーテさん。
【雷竜属性】のカルネ。
この2人も居た。
カルネは竜騎士だから飛竜に乗れるけど、ホルーテさんはエニスさん同様、後部席ね。
待ってるとドレスを着飾ったナルシーン様が、ルビア様の親衛隊の格好のイザベラや仮面の女騎士姿のエニスさんと一緒に出て来て、私達は飛竜で出発した。
それがまさか、あんな結果を齎す事になるなんて。
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