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【日常編】1週間が経過、空き巣に偽装した暗殺者、優しく慰めたのは情報を得る為

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 養子になって1週間が過ぎた3月下旬。

 田中ビルの事を一通り、理解した青夜が思った事は・・・





 この田中ビルは部外者の出入りが多過ぎる。





 だった。





 1階の空手道場、2階のトレーニングジムの事ではない。

 3階以上の田中家の居住スペースへの出入りの話だった。

 特に青夜の自室がある4階フロアが酷い。





 田中家の家族は一狼・愛夫婦と娘4人に青夜な訳だが・・・





 暇なのか、小手紗璃奈は本当に毎日入り浸ってる。

 春休みなのでジムバイトの毎日入ってる斉藤玲萌も毎日シャワーを借りに来る。

 春休みなので空手女子高生の真名本まなもと美月も毎日空手道場かジムに来ており、4階を使って着替えている。





 青夜も東条院宗家の嫡子だった経験から人が多い建物には慣れっこだったが、今は絶賛『うっすら死相モード』中だ。

 脅威の予言的中率を誇る母親の『死の予言』もある。

 『東条院の宗家屋敷は16歳までに出た』が死相が消えず、ナーバスになってる青夜はこの人の出入りに過敏になっており、多少不機嫌になっていた。





 その日、青夜が4階の共有スペースのリビングのソファーで寛いでると、

「だぁ~れだ?」

 と背後から目隠しされて質問された。

 家族との交流という奴だ。

 実は東条院の宗家屋敷でも妹にされた経験がある。

 『わざと外して』その後の会話を弾ませるという選択肢もあったが、ナーバスになっていた青夜はそこまで気が回らず、

「目隠ししてる手は葉月さんで、声は紗璃奈さんでしょ」

 と言い当てた。

「良く分かったわね?」

「そりゃあ、葉月さんの手くらいはね」

「本当は?」

「気配と触れた手の気の質で」

 青夜が言うと、紗璃奈が青夜を値踏みするように、

「まるで達人の見分け方ね」

「いえいえ、廃嫡された『落ちこぼれ』ですから」

 可愛げのない青夜は謙遜ではなく実力を隠してそう言った。

「それよりも聞いたわよ、家に来た初日に葉月と一緒にお風呂に入ったって?」

「こら、サリナ。しぃ~」

 口を滑らせた葉月がバツが悪そうな顔で唇に人差指を立てる中、青夜が、

「養子に来た2日目には紗璃奈って裸の痴女に襲われましたけどね」

「ちょっと待ちなさいっ! その言い方だと私が性的に襲ったみたいじゃないのっ! アレはアナタが覗くから痴漢撃退として攻撃しただけでしょ?」

 紗璃奈が目くじらを立て、葉月が笑う中、青夜が、

「中学時代からの親友なんですよね?」

「ええ、お互いトロトロになるくらいのキスをし合うくらいの仲良しよ」

「ちょ、葉月。あれはノーカンでしょ、お互い酔っ払ってたんだから」

「『もっとキスして』ってあれだけ可愛くせがんだ癖にぃ~」

「覚えてない覚えてない。酔っ払っていて私は記憶にございませぇ~ん」

 などの情報収集から、紗璃奈と田中家の付き合いは相当深く、新参者の青夜には紗璃奈の出入りをどうこうする事が出来ない事が判明した。





 そして紗璃奈が帰ったのと入れ替わるように、バイト上がりに斉藤玲萌が4階フロアにやってきて、

「シャワーを借りますね。覗かないでよ、青夜さん」

 青夜の部屋のドアを開けて青夜に声を掛けてきた。

「覗きませんよ」

 相手の方が年上なのでそう敬語で答えた訳だが、この玲萌も問題で、バスルームでシャワーを浴びてたのだが、

「青夜さん、来て貰えますぅ~」

 と声を掛けてきた。

 仕方ないから出向くと、バスルームのドアを半開きにして裸体を樹脂の半透明のドアで隠しながら、

「シャンプーが切れてるので、ボトルの詰め替え、お願いします」

 頼んできた。

 ぶっちゃけ雑用である。

 だが、それはそれで東条院のお坊ちゃん育ちの青夜にはやった事のない物珍しい作業な訳で、興味が湧き、

「ええっと、どうすればいいの?」

「洗面台の上の蓋付き棚の左側に買い置きの紅色のシャンプーがあるはずだから・・・」

 と青夜よりも田中ビルの内部の事を熟知しており、青夜が蓋を開けて探すもーーない。

「ないけど?」

「袋のよ?」

「もしかして、これ?」

 最初からあったが、ボトル型のを想像していた青夜はエコ仕様のナイロン袋のが詰め替え用とは気付かず、言われて初めての取り出し、確認した。

「ええ、それの詰め替えを・・・やり方、分かる?」

「全然」

「シャンプーのキャップを回して外して・・・・・・」

 青夜が言われた通りにシャンプーのノズルの方を回したがーー外れる訳もなく、

「?」

「違うわよ。根元よ」

「ああ、こっちね」

「キャップの外し方も知らないなんて、さすがは東条院のお坊ちゃんね」

「そう?」

 青夜はキャップを外して、詰め替え用のシャンプーを容器に入れる。

 青夜は世間知らずなお坊ちゃんなだけで不器用ではない。

 無事に詰め替え、シャンプーの補充が完了したボトル容器を玲萌に手渡したのだった。

「はい、どうぞ」

「ありがと」

「えっと、ドアの隙間から身体、見えてますよ」

 青夜に指摘されて玲萌自身も初めて気付いた。

 総ては青夜に教えるのに熱中して身を乗り出していたからだが、玲萌は恥ずかしそうに赤面しつつも強がって、

「シャンプーを入れて貰ったお礼よ。嬉しいでしょ?」

「ええ」

 空気が読めるので青夜はそう言っておいた。





 問題は真名本美月だ。

 青夜はかなり敵視されており、来なければいいのに4階フロアに顔を出して、

「リビングで着替えるけど、絶対に覗きに来ないでよね」

「いきませんよ」

 と青夜はきっぱりと言ったのだった。

 だが『運が悪い』というか何というか。

 御近所を騒がしてる異能力者でもない40代の小ざっぱりとしたサラリーマン風の空き巣が、

「へっへっへっ、今日はこのビルを獲物にするか。3日間のリサーチでこのビルはこの時間4階が無人な事が判明してるからな。階段さえクリアすればこの通り・・・」

 4階の玄関からリビングへと現れ、空手やトレーニングの時はお気に入りの下着から運動用のインナーに着替えるのが常識らしく真っ裸になってる美月と鉢合わせ、

「へっ?」

 空き巣の方が裸の女子高生に驚き、

「ちょ、誰よ、オッサンっ!」

 裸を見られてブチキレた美月が最近覚醒した『気』を練って真っ裸で飛び蹴りを空き巣の男に放つも、『異能力者でない』のは偽装で同じく気を練った空き巣の男が腕でガードしただけで『気のレベル』が違い過ぎて逆に攻撃した美月の方が弾き飛ばされた。

 壁にドゴンッと叩き付けられた美月が、

「イタタタ」

 と痛がる中、空き巣に扮する異能力の暗殺者が勝ち誇った瞬間、気配を消して背後に立つ青夜が軽く手刀をチョンッと当てると、暗殺者は簡単に気絶したのだった。

 そして痛がってた美月が我に返って慌てて立ち上がって構えた時には空き巣は気絶しており、青夜も姿を消していたので、

「えっ? 吹き飛ばされたわよね、私? 私が倒したの?」

 と不思議そうに自問する中、

「いったい何の音だい、今のは?」

 一狼が登場した事で、真っ裸の美月はまた、

「キャアアアアアアアアアアアアアアアア」

 と黄色い悲鳴を上げ、駆け付けた葉月や愛によって一狼は白い眼で見られる事になるのだった。





 こうして表向き、近所を騒がせた空き巣は逮捕され、美月は後日、警察から感謝状を貰う事になるのだが、





 ◇





 これで一件落着な訳もなく、マヌケな空き巣こと『暗殺者』七星死多郎は警視庁異能課に逮捕されて、取調室で異能捜査官に、

「七星一族の凄腕の暗殺者が気を練れるだけの空手を齧った女子高生の素人に負けるかね? 女子高生の裸にでも見れてたのか?」

「・・・」

「まあいい。じっくりと事情聴取させて貰うぜ。過去の殺しも含めてな」

「・・・」

 死多郎は黙秘を続けたのだった。





 ◇





 紗璃奈経由でその日の夕食時には葉月が、

「あの昼間の空き巣、七星一族っていう凄腕の暗殺者だったらしいわよ」

 家族に報告したのだった。

「本当に?」

 愛が驚き、

「だったら、空き巣を捕まえたあの一狼さんが狙ってる女子高生、報復で殺されるんじゃない?」

「狙ってないからっ!」

 一狼が声を大にして否定するも、

「2回も女子高生のピチピチの裸を見た癖に」

 愛妻の愛が可愛くねた事で、

「いくら若いコ好きだからって」

「門下生の美月を狙うって・・・」

「まあ、いいんじゃないの」

「いい訳ないじゃないのっ! 美月は私と同じ学年なのよっ! 娘の友達を狙うなんて・・・犯罪よ、犯罪っ!」

 今日は(暗殺者騒動があり)帰ってた弥生以下、娘4人からの信用が既にないバツ7男(厳密には違う)の一狼は夕食のテーブルで孤立無援となり、中立である青夜に助けを求めるように、

「本当に狙ってないからっ! 青夜だけは信じてくれるよね?」

「うん。ママの方が真名本さんよりも100倍綺麗だから」

 青夜が素で評価した。

「そう?」

 満更でもなさそうに愛が青夜に聞き返して、

「うん」

 青夜が断言した事で、

「今回だけは一狼さんの事を許しましょう」

「ふぅ~」

 と一狼がピンチを脱する中、話題を戻して、

「『気』を開眼した有望な門下生に死なれると困るんだが・・・本当に狙われるのかい、愛?」

「ええ。北陸の七星一族なら。執念深いから」

「なら東条院の報告しよう」

 一狼が言う中、葉月が、

「問題はその暗殺者が誰を狙ってウチに来たかよ。サリナが言うには狙われたのはどうも青夜っぽいらしいわ」

「そうなの? オレ、もう東条院を出されたのに?」

 青夜がキョトンととぼけながら、

(東条院を離れて一番最初に動いたのがチンピラで次が七星一族ねぇ~。黒幕は法子さんかな? 演技の甲斐あり、親父殿に『無能のレッテル』を貼られて勘当されたところだから東条院の兵隊が守ってくれる訳もないし、どうしたものかな)

 そんな事を考えていた。

「ええ、サリナも不思議がってたわ。嫡子の時ならともかく廃嫡後に狙われた事に。何か裏があるとか。気を付けるのよ、青夜。1人で外出しちゃダメだからね」

「じゃあ、私と外出しない?」

 アンジェリカのお誘いに、葉月が、

「ダメよ、家に居させないと」

「ビルまで入ってきたじゃないの。私の傍の方が安全に決まってるわ」

 などとアンジェリカと葉月の間で口論が始まり、

(七星一族を始末しても別の奴が送り込まれてくるだけだし、黒幕の法子さんを倒すのは青刃と青花の手前、さすがに気が引けるし・・・う~ん)

 と悩んだのだった。





 ◇





 さて。

 『七星一族』は異能系暗殺者だが組織である。

 つまりは集団だ。

 集団で暗殺を請け負ったのだから、1人が青夜の暗殺に失敗したくらいで諦める訳がない。

 何せ、標的は『落ちこぼれ』で、依頼料は破格なのだから。

 そんな訳で、その夜の内に都内に居た七星死多郎のバックアップ組が田中ビルに乗り込もうとしたのだが、





 田中ビルの防御は万全だった。

 実際に田中ビルには護衛が山のように配置されていたのだ。





 勢力も多数だ。





 まずはBB財団によるアンジェリカを守るボディーガードチーム。

 これが最大戦力である事は言うまでもない。

 何せ、アンジェリカはアメリカ合衆国を裏から支配するブラッディームーン一族なのだから。

 BB財団の日本支部が総力を結集してアンジェリカの安全を守る為に、直属のボディーガードチームが田中ビルの近辺に眼を光らせていた。





 更にはアンジェリカを守る専属の異能警察チーム。

 ブラッディームーン一族のアンジェリカにもしもの事があったら国際問題もあり得る。

 なので、凄腕が警備に当たっていたが、信用されていないのかBB財団のボディーガードの外周を警備していた。





 これだけではない。





 田中ビルを警邏する警視庁異能課のチームなんかも居た。

 何せ、田中ビルには中国政府が狙う火薬庫扱いの四女シャンリーが居る。

 中国の非工作部隊と東条院の部隊の暗闘は数え切れず、そこに三女アンジェリカが乗り込んできて中国の工作部隊が仕掛ける事はなくなったが、更に東条院宗家から勘当された長男の青夜までが加わる始末だ。

 お陰で警視庁による田中ビルの警邏は必須となってしまっていた。





 そして当然、





 東条院の宗家命令で青夜を密かに護衛するチーム。

 こんなのまで居た。

 本当に青夜に知られぬように密かに・・・だ。

 このチームは女で編成されていた。

 理由はBB財団の支配人のアンジェリカが女だからである。

 東条院の一党でアンジェリカの父親、田中一狼のような名うてのスケコマシが送り込まれてきてアンジェリカが口説き落とされたら堪ったものではない。

 というBB財団の部下の心配のもと、東条院とBB財団の間で折衝が持たれて、女だけのチームとなったのだった。

 この条件は実は東条院からしても内心で大歓迎だった。

 東条院の幹部陪臣以上の間では公然の秘密なのだが、青夜は男の陪臣が余り見分けが付かず(誤爆が稀にあるので)女だけの護衛チームは意外に『アリ』だったのだ。





 他にも青夜の素行調査を行う白鳳院の息を掛かった部隊まで居た。

 まあ、こちらは監視だけで戦闘力はなかったが。





 ともかく。

 こんなに警備が厳重な田中ビルに七星一族のバックアップ3人が襲撃など出来る訳もない。





 よって、





 ◇





 狙われたのは青夜いわく『可愛げのない女』真名本美月だった。

 一般人だったので自宅で襲われた。

 七星一族はプロの殺し屋集団だ。ムダな殺しはしない。

 大切な囮の人員なのだから。

 都営住宅に住んでたが家族も眠らせて、あっという間にゲットし、





 青夜のスマホに非通知の電話が鳴った。

「はい、もしもし?」

『東条院青夜だな?』

 もう養子に出されて違うが『そうだけど』と青夜が答えると、





『真名本美月を預かった。返して欲しければ今すぐ江東区のG1埠頭まで1人で来い』





 相手はそれだけ言って電話を切った。

 青夜は自室の時計を見た。

 23時15分だった。





 因みにだが、青夜の電話番号が流出したのは携帯会社のデータ管理が杜撰ずさんだった為である。





 ◇





 江東区のG1埠頭に停泊する韓国船籍の貨物船の中に積まれたコンテナの1つの中では真名本美月が裸に剝かれて手錠で後ろ手に拘束されていた。

 七星一族のバックアップ3人はコンテナの中には居ない。

 当然だ。

 東条院のお坊ちゃんは『落ちこぼれ』なのだから、どうせ、どこかに通報して部屋から動く事はないのだから。

 貨物船のコンテナの中の美月は田中ビルの厳重な警備の人員を割く為の陽動作戦の囮だった。

 なので、まさか青夜が単身で田中ビルの屋上から大ジャンプで一直線に埠頭に出向くとは七星一族のバックアップ3人は誰も思っておらず、待ち構えていなかったのだ。

 というか、助けにきた者達を殺傷する術式の罠すら設置していなかった。怒らせて関係のないBB財団や異能警察が北陸まで報復に乗り込んできたら洒落にならないからである。

 ガコッとコンテナの扉を開けて青夜は裸の美月を発見し、

「大丈夫?」

 と声を掛けた。

 美月は、名字が強そうな真名本で、『気』を開眼してるが、ただの素人の空手少女だ。

 いきなりコンテナの中に裸で放り込まれたのだから心細く、青夜が手錠の鎖を素手で簡単に切断して、

「もう大丈夫だよ」

 と優しく声を掛けると、

「ウェェェン、怖かったぁ~」

 捨てられた子犬を雨の中でゲットするかのごとく、裸の美月が青夜の胸の中に飛び込んできたのだった。

 胸の中で泣く美月の頭を青夜が(記憶を抜くべく)優しく撫で、

「オレが守ってやるから安心していいぞ」

 (無自覚な台詞で)慰めた訳だが。

 それには当然、青夜の方にも狙いがあり、青夜てきには死相の原因かもしれないと考えて誘拐犯を潰しにきたのに、それらしいのが見当たらず、人質の居るコンテナには罠すらない。

 更に異能力で美月の頭を撫でた手で記憶を無断で読むも情報が何もなく、状況が不透明過ぎて気味が悪く、早く口頭で情報を聞き出したかったのだが泣かれて会話にならず、落ち着かせる為だけ・・の目的で優しく慰めていたのだ。

 さっさと泣き止んで欲しかったので、

「(美月の涙を指で拭いながら)大丈夫だから、ねっ?」

「(裸の美月を抱きしめながら)安心していいよ」

「(裸の美月の顔を近距離で見つめながら)それで・・・どうしてこんなところに?」

 と優しく(距離感を間違えて)質問した結果、





 10分後に泣き止んだ頃には美月はすっかり青夜に惚れていたのだった。





 よって裸の美月に、

「ありがとね」

 チュッとほっぺにお礼のキスをされてしまっていた。





 尚、美月は何も見ておらず、青夜はあれだけ優しくしたのに総て徒労に終わった。





 そして青夜は『落ちこぼれ』を演じていた時の癖であっさりと美月の記憶を消したのだった。

 デレた美月は確かに可愛かったが、青夜は意外にバトル脳で弱い女には興味がなかったので。





 ◇





 因みに七星一族のバックアップ3人は田中ビルの警備の様子を窺っていたところを警邏中の警視庁異能部隊の6人で編成された中学生部隊に、

「少しいいですか、異能力者の方達ですよね?」

 と職質されてしまい、

「すみませんね。一応身分証をお願いします。どうも北陸の暗殺集団がこの付近に居るとかで」

「へぇ~、それは怖いですねぇ~」

 最初はしらばっくれて身分証も他人名義の物を持っていたが、明らかに中学生の茶髪のムカつく奴が、

「コイツラじゃないって。北陸の田舎者の方言は『だっぺ』なんだからよ。コイツラ、話し方、普通じゃん? それにしても『だっぺ』って・・・プフフフ、早く会いたいぜ、キャハハハ」

「馬鹿、止めろ、こっちまで笑けてきただろうが。職務中だぞ、真面目にやれって、プッ」

「だっぺ、だっぺ」

「止めろって、ハハハ」

 との中学生の悪ノリの馬鹿話にまんまと乗せられて、我慢出来なかった七星一族の1人が、

「『だっぺ』なんか言う訳がないだろうがぁぁぁっ!」

 と隙だらけの茶髪に殴り掛かったが、茶髪が紙一重で避けながら、

「ほら、引っ掛かった」

 と真顔でクロスカウンターを放ち、バキッとその1人を殴り倒したのだった。

 他の2人も中学生6人にボコられるという不名誉な敗北を喫したのだった。

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