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竜騎士
強くなってた【カルネside】
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ミリアリリー女学園に入学する生徒には主に2種類のタイプがある。
自分で望んで入学するか。
自分の意思に反して無理矢理、入学させられるか。
実は後者の生徒は結構居る。
私もそちら側で、私の家は両親と兄2人の5人家族だったんだけど・・・
お父さんが平民出身ながら、騎士になるくらいの騎士魂を持つ暑苦しい人間の所為で、兄2人も子供の頃から剣を振り、そして娘の私まで子供の頃から剣を振らされて、年頃になると無理矢理、ミリアリリー女学園に叩き込まれていた。
女の子なのに剣って。
もっと、お料理とか、お菓子作りとか、裁縫とかしたかったわ。
そしてミリアリリー女学園の入学後にはお父さんに狩猟部や騎乗部や剣術部や騎士団入団試験対策同好会に入れられそうになったんだけど・・・・・・
何とか解体部で許して貰ったわ。
解体部ってのは狩猟部の下働きっぽいクラブで、狩猟部が狩猟した魔獣の解体とかをするクラブだった。
これはこれで大変だけど、騎士をしてるお父さんも素材解体の重要性を知ってたので、納得したんだけど・・・・・・
1年生の終わりの運命のあの他校留学生達とのお別れ会の舞踏会でのダンスホールの屋根の崩落した日。
黒い雷が落ちて私はすぐに気絶し・・・・・・
騎士団に保護されて検査を受けたら属性が【雷竜】になっていた。
何にやら凄い属性らしい。
検査をした騎士団の女治癒医さんが驚いてて、大勢の女騎士さんに囲まれて騎士団の幹部の人達の居る場所へと移されるし・・・・・・
家に帰れば、報告を受けたお父さんが大喜びしていたわ。
それからミリアリリー女学園の制服に金色の肩飾りが付いて、私は春休みを待たずに解体部を退部。
ミリアリリー女学園が春休みに入ると同時に騎士団の蜥蜴車に乗って、騎士団の基地に出向き、剣術を教わる日々が続いたんだけど・・・・・・・
私は本当に強くなってた。
私、ミリアリリー女学園の1年生の中でも下の方だったはずなのに、騎士団の凄腕の人達を一斉に相手にしても勝てるくらいに。
施設ではミリアリリー王国の騎士団の正統剣術を習い・・・
時には王都ラサリリーの郊外の森に出て魔獣退治なんかもやって・・・・・・・
メキメキと上達し・・・・・・
途中で休校になったミリアリリー女学園の体力測定では圧倒的な記録を叩き出し・・・
2年生の実技の授業では手加減してるのに他の生徒達を倒しまくる。
放課後は放課後で、騎士団の施設や郊外の魔獣退治に出向く日々が続き・・・
そして、王妃様の崩御の喪が明けた春の校外狩猟学習が再開されたその日・・・
王女様がエニスさまに助けを求めて、エニスさまが私の名前を呼んだ。
私がエニスさま達に付き従ったのは、別にエニスさまに憧れてるとか、イザベラさんの友達だからとかではない。
「何となく」だ。
これは【雷竜属性】を得てから、騎士団で結構口酸っぱく教わった事で、【竜属性】は【本能】が凄いとかで、困った時はそれに身を任せろと言われていたから。
それで1頭の飛竜で、これ、飛べるの、とか思いながら王宮に移動したら・・・
エニスさまが大暴れしながら廊下を進み、謁見の間でエニスさまが居なくなると、国王陛下が、
「この痴れ者どもを斬り捨てよっ!」
と命令されて、凄い鎧の騎士達が乱入してきて・・・・・・
ええぇ~っ!
とか内心で思いながら、私はドキドキしつつも・・・
生徒会長のイザベラさんや風紀委員長だったパリナさまが王女様を守って戦うから、私もミリアリリー王国の幹部の皆さんと戦ってたら、不意に剣を向けてくる皆さんが動きを止めて、
「・・・あれ?」
「・・・何で?」
と呟かれて、国王陛下が慌てて、
「剣を収めよっ! その者達へ手を出す事は許さんっ! いいなっ!」
さっきと全然違う事を言って・・・・・・・
よく分からないけど、事件は解決していた。
◇
その僅か3日後には、王宮の謁見の間に家族共々呼ばれて・・・・・
今度は、玉座に国王陛下が座る中、横に立つ王太子殿下から、
「カルネ、学生ながら【雷竜属性】の覚醒、大義である。18人の貴族の推薦を受諾して、おまえに女騎士侯と竜騎士の位、トーラムの家名と飛竜1頭、それに領地を授ける。今よりカルネ・トーラムと名乗るが良い。親族はダメだが、両親と兄2人にもトーラムの家名を名乗る事を許す。領地は西部のホアラン領だ。王都ラサリリーの貴族区に屋敷を与える。学生である事を鑑み、非常勤での第2王女ルビアの親衛隊入隊を命じる。ミリアリリー王国への忠誠に励めよっ!」
表彰されていた。
イザベラさんやパリナさまも一緒に居て、同じく表彰されてるので、王女様に付き従って暴れた件が表彰されてるっぽい(エニスさまとセーラさまは居なかったけど)。
「ははっ! ありがとうございますっ!」
私はそう国王陛下と王太子殿下にお礼を言いながら内心で、
いい加減諦めて騎士になるのを受け入れよう。
本当は騎士になんかなりたくなかったけど。
でも、どうせ騎士になるなら・・・・・・
エニスさまやパリナさまのようなカッコイイ騎士になろうかな。
そう思った。
自分で望んで入学するか。
自分の意思に反して無理矢理、入学させられるか。
実は後者の生徒は結構居る。
私もそちら側で、私の家は両親と兄2人の5人家族だったんだけど・・・
お父さんが平民出身ながら、騎士になるくらいの騎士魂を持つ暑苦しい人間の所為で、兄2人も子供の頃から剣を振り、そして娘の私まで子供の頃から剣を振らされて、年頃になると無理矢理、ミリアリリー女学園に叩き込まれていた。
女の子なのに剣って。
もっと、お料理とか、お菓子作りとか、裁縫とかしたかったわ。
そしてミリアリリー女学園の入学後にはお父さんに狩猟部や騎乗部や剣術部や騎士団入団試験対策同好会に入れられそうになったんだけど・・・・・・
何とか解体部で許して貰ったわ。
解体部ってのは狩猟部の下働きっぽいクラブで、狩猟部が狩猟した魔獣の解体とかをするクラブだった。
これはこれで大変だけど、騎士をしてるお父さんも素材解体の重要性を知ってたので、納得したんだけど・・・・・・
1年生の終わりの運命のあの他校留学生達とのお別れ会の舞踏会でのダンスホールの屋根の崩落した日。
黒い雷が落ちて私はすぐに気絶し・・・・・・
騎士団に保護されて検査を受けたら属性が【雷竜】になっていた。
何にやら凄い属性らしい。
検査をした騎士団の女治癒医さんが驚いてて、大勢の女騎士さんに囲まれて騎士団の幹部の人達の居る場所へと移されるし・・・・・・
家に帰れば、報告を受けたお父さんが大喜びしていたわ。
それからミリアリリー女学園の制服に金色の肩飾りが付いて、私は春休みを待たずに解体部を退部。
ミリアリリー女学園が春休みに入ると同時に騎士団の蜥蜴車に乗って、騎士団の基地に出向き、剣術を教わる日々が続いたんだけど・・・・・・・
私は本当に強くなってた。
私、ミリアリリー女学園の1年生の中でも下の方だったはずなのに、騎士団の凄腕の人達を一斉に相手にしても勝てるくらいに。
施設ではミリアリリー王国の騎士団の正統剣術を習い・・・
時には王都ラサリリーの郊外の森に出て魔獣退治なんかもやって・・・・・・・
メキメキと上達し・・・・・・
途中で休校になったミリアリリー女学園の体力測定では圧倒的な記録を叩き出し・・・
2年生の実技の授業では手加減してるのに他の生徒達を倒しまくる。
放課後は放課後で、騎士団の施設や郊外の魔獣退治に出向く日々が続き・・・
そして、王妃様の崩御の喪が明けた春の校外狩猟学習が再開されたその日・・・
王女様がエニスさまに助けを求めて、エニスさまが私の名前を呼んだ。
私がエニスさま達に付き従ったのは、別にエニスさまに憧れてるとか、イザベラさんの友達だからとかではない。
「何となく」だ。
これは【雷竜属性】を得てから、騎士団で結構口酸っぱく教わった事で、【竜属性】は【本能】が凄いとかで、困った時はそれに身を任せろと言われていたから。
それで1頭の飛竜で、これ、飛べるの、とか思いながら王宮に移動したら・・・
エニスさまが大暴れしながら廊下を進み、謁見の間でエニスさまが居なくなると、国王陛下が、
「この痴れ者どもを斬り捨てよっ!」
と命令されて、凄い鎧の騎士達が乱入してきて・・・・・・
ええぇ~っ!
とか内心で思いながら、私はドキドキしつつも・・・
生徒会長のイザベラさんや風紀委員長だったパリナさまが王女様を守って戦うから、私もミリアリリー王国の幹部の皆さんと戦ってたら、不意に剣を向けてくる皆さんが動きを止めて、
「・・・あれ?」
「・・・何で?」
と呟かれて、国王陛下が慌てて、
「剣を収めよっ! その者達へ手を出す事は許さんっ! いいなっ!」
さっきと全然違う事を言って・・・・・・・
よく分からないけど、事件は解決していた。
◇
その僅か3日後には、王宮の謁見の間に家族共々呼ばれて・・・・・
今度は、玉座に国王陛下が座る中、横に立つ王太子殿下から、
「カルネ、学生ながら【雷竜属性】の覚醒、大義である。18人の貴族の推薦を受諾して、おまえに女騎士侯と竜騎士の位、トーラムの家名と飛竜1頭、それに領地を授ける。今よりカルネ・トーラムと名乗るが良い。親族はダメだが、両親と兄2人にもトーラムの家名を名乗る事を許す。領地は西部のホアラン領だ。王都ラサリリーの貴族区に屋敷を与える。学生である事を鑑み、非常勤での第2王女ルビアの親衛隊入隊を命じる。ミリアリリー王国への忠誠に励めよっ!」
表彰されていた。
イザベラさんやパリナさまも一緒に居て、同じく表彰されてるので、王女様に付き従って暴れた件が表彰されてるっぽい(エニスさまとセーラさまは居なかったけど)。
「ははっ! ありがとうございますっ!」
私はそう国王陛下と王太子殿下にお礼を言いながら内心で、
いい加減諦めて騎士になるのを受け入れよう。
本当は騎士になんかなりたくなかったけど。
でも、どうせ騎士になるなら・・・・・・
エニスさまやパリナさまのようなカッコイイ騎士になろうかな。
そう思った。
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