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後ろ盾
【暗殺者side】決めつけられて口を滑らせる
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かつてエトリア帝国の前身であるエトリア王国のアースレナ宮殿には王妃ビレリアと実弟で公爵のドーベルが中心となった『王妃派』という派閥が存在した。
他にも王弟である『大公派』や『侯爵派』が存在した訳だが。
そんな懐かしの派閥争いが、ちっぽけな小国の小競り合いに思えるくらい、現在のエトリア帝国のアースレナ宮殿では、
帝太后ビレリアを筆頭とした新宰相パーミアス、将軍グラリウム、将軍エイレクトが名を連ねるエトリア本流派。
旧エトリア王国の若手将校達が集まるエトリア若手派。
帝国内のエルフ族だけが集まったエルフ派。
豊穣中央教会と勝利教団が結託した宗教派。
旧ネイチェ王国と旧ファイアス魔法王国の貴族や魔術師達が連なる北部魔法派。
旧ナスナ熊王国の獣人達が固まってる東部獣人派。
他にも大派閥内の小グループや多数の弱小派閥。
もう滅茶苦茶だった。
◇
どの派閥も有利になるように動いてる訳だが。
そこで問題となるのが強種で知られるドラゴニュートが住み付いてるネレシオ領だった。
更に言えば、ネレシオ女伯爵のルーヴァケビスは新組織の軍警察の長官で、何故か女帝カミビーレのお気に入り(貴族達にはそう見える)。
だが、ダークエルフのルーヴァケビスは強い。
それは不良兵士粛清の功績から見ても明らかだ。
何せ、単身で乗り込んで無双してたのだから。
なので、暗殺するにしても実力行使は無理だ。
ならば当然、毒が使用される訳だが、決行日、夫のトルオンが屋敷に来訪しており、ルーヴァケビスを狙ったのだが、主人席には女伯爵のルーヴァケビスではなく、何故か夫のトルオンが座り、席次やズッコケ等々の食堂内の様子を知らなかったので2皿(最初と予備)に毒を盛るも暗殺は失敗。
不運に見舞われた暗殺者は他の使用人達と一緒に一室に集められて整列させられていた。
更に悪い事が起きた。
夫のトルオンが料理に毒を盛れる容疑者が15人も居たのに一瞥しただけでノータイムで指差し、
「おまえだろ、銀髪エルフっ! ホント、銀髪エルフはロクなのが居ないよなっ!」
一発で言い当ててきたからだ。
「ち、違います」
と答えた暗殺者はニニーネシアといい、外見年齢 21歳の女のエルフで、身長は172センチ。銀髪のとんがり耳で容姿は秀麗で身体のラインも美しかった。
だが、屋敷の使用人ではなかった。
軍警察の黒の詰襟服とタイトスカートなのだから。
まあ、肩飾りはなかったが。
「嘘つけっ! おまえに決まってるっ!」
「何を証拠に・・・・・・」
「証拠はこれだ。【過去視】っ!」
トルオンが光魔法を使うと室内に映像が映し出された。
厨房でニニーネシアが毒味をしてる訳だが、料理人達の眼を盗んで小瓶から薬品を垂らしていた。
「ほらな?」
トルオンが勝ち誇り、全員が疑惑の眼を向ける中、
「ち、違うわっ! 造り物よ、この映像はっ! だって廊下で・・・あっ」
ニニーネシアが身の潔白を証明しようとして口を滑らせ、
「エルフの割には知能が低いんだな。まあ、だから暗殺にも失敗した訳だが」
トルオンが憐みの視線を向けて苦笑した時には、ルーヴァが速攻で動いてニニーネシアの顔面をヒールの裏を蹴った。
ドラゴンをひっくり返せるルーヴァの蹴りだ。
なので、蹴った際の効果音は『バキッ』ではなく『グシャァァッ』だった。
蹴られたニニーネシアは壁まで吹き飛び、ドゴンッと叩き付けられる。
「申し訳ございません、トルオン様。まさか部下の裏切りだったとは」
「他の人達の疑いが晴れて良かったよ。それじゃあ、食事にしよう」
とトルオンは笑い、食堂でディナーが再開された。
ニニーネシアの方はその後、新設された軍警察の拷問室に送られて拷問官の採用試験とばかりに拷問官11人から拷問を受けて依頼主を告白してからも廃人になるまで拷問され続ける事になったのだった。
他にも王弟である『大公派』や『侯爵派』が存在した訳だが。
そんな懐かしの派閥争いが、ちっぽけな小国の小競り合いに思えるくらい、現在のエトリア帝国のアースレナ宮殿では、
帝太后ビレリアを筆頭とした新宰相パーミアス、将軍グラリウム、将軍エイレクトが名を連ねるエトリア本流派。
旧エトリア王国の若手将校達が集まるエトリア若手派。
帝国内のエルフ族だけが集まったエルフ派。
豊穣中央教会と勝利教団が結託した宗教派。
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他にも大派閥内の小グループや多数の弱小派閥。
もう滅茶苦茶だった。
◇
どの派閥も有利になるように動いてる訳だが。
そこで問題となるのが強種で知られるドラゴニュートが住み付いてるネレシオ領だった。
更に言えば、ネレシオ女伯爵のルーヴァケビスは新組織の軍警察の長官で、何故か女帝カミビーレのお気に入り(貴族達にはそう見える)。
だが、ダークエルフのルーヴァケビスは強い。
それは不良兵士粛清の功績から見ても明らかだ。
何せ、単身で乗り込んで無双してたのだから。
なので、暗殺するにしても実力行使は無理だ。
ならば当然、毒が使用される訳だが、決行日、夫のトルオンが屋敷に来訪しており、ルーヴァケビスを狙ったのだが、主人席には女伯爵のルーヴァケビスではなく、何故か夫のトルオンが座り、席次やズッコケ等々の食堂内の様子を知らなかったので2皿(最初と予備)に毒を盛るも暗殺は失敗。
不運に見舞われた暗殺者は他の使用人達と一緒に一室に集められて整列させられていた。
更に悪い事が起きた。
夫のトルオンが料理に毒を盛れる容疑者が15人も居たのに一瞥しただけでノータイムで指差し、
「おまえだろ、銀髪エルフっ! ホント、銀髪エルフはロクなのが居ないよなっ!」
一発で言い当ててきたからだ。
「ち、違います」
と答えた暗殺者はニニーネシアといい、外見年齢 21歳の女のエルフで、身長は172センチ。銀髪のとんがり耳で容姿は秀麗で身体のラインも美しかった。
だが、屋敷の使用人ではなかった。
軍警察の黒の詰襟服とタイトスカートなのだから。
まあ、肩飾りはなかったが。
「嘘つけっ! おまえに決まってるっ!」
「何を証拠に・・・・・・」
「証拠はこれだ。【過去視】っ!」
トルオンが光魔法を使うと室内に映像が映し出された。
厨房でニニーネシアが毒味をしてる訳だが、料理人達の眼を盗んで小瓶から薬品を垂らしていた。
「ほらな?」
トルオンが勝ち誇り、全員が疑惑の眼を向ける中、
「ち、違うわっ! 造り物よ、この映像はっ! だって廊下で・・・あっ」
ニニーネシアが身の潔白を証明しようとして口を滑らせ、
「エルフの割には知能が低いんだな。まあ、だから暗殺にも失敗した訳だが」
トルオンが憐みの視線を向けて苦笑した時には、ルーヴァが速攻で動いてニニーネシアの顔面をヒールの裏を蹴った。
ドラゴンをひっくり返せるルーヴァの蹴りだ。
なので、蹴った際の効果音は『バキッ』ではなく『グシャァァッ』だった。
蹴られたニニーネシアは壁まで吹き飛び、ドゴンッと叩き付けられる。
「申し訳ございません、トルオン様。まさか部下の裏切りだったとは」
「他の人達の疑いが晴れて良かったよ。それじゃあ、食事にしよう」
とトルオンは笑い、食堂でディナーが再開された。
ニニーネシアの方はその後、新設された軍警察の拷問室に送られて拷問官の採用試験とばかりに拷問官11人から拷問を受けて依頼主を告白してからも廃人になるまで拷問され続ける事になったのだった。
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