195 / 211
後ろ盾
トルオン、ネレシオ領を代理で統治する
しおりを挟む
ネレシオ領は、ド田舎なので、
城塞街ネレシオ。
城塞街バギン。
ヨルデの森。
ネレシオ周辺の田畑。
これだけだ。
産業は農業と魔物の素材の加工品、それに森に自生する薬草。
産業もショボイが、ドラゴニュートの職人が流れて来てるので、ドラゴニュートの武具や装飾品等々に珍しく需要がある。
他にもバーラ平原からの交易品も。
お陰で城塞街ネレシオは活気に溢れてるが、対照的に城塞街バギンは寂れていた。
城塞街バギンの方はヨルデの森の魔物を相手に成り上がりや一攫千金を夢見る冒険者とそれを相手にする商売人くらいだ。
正直、城塞街バギンなどどうでもいいトルオンは、
「どうしたものかねぇ~」
そう口だけで心配したのだった。
◇
さて。
そのネレシオ領だが、何もない田舎だが王国(当時)の直轄領だっただけあり、領地だけは広大だ。
隣接領は・・・・・・
北側が旧ネイチャ王国領で、今は亡きカモスモーの侯爵領(直系が全滅した所為で後継問題で揉めてる。トルオンの陣営も介入中)。
東側の北が元々は重要拠点だったが今は下賜されたミーコスの男爵領。
東側の南がソムサックの男爵領。
南側の東がエシードの侯爵領。
南側の西がエトリア帝国の直轄領。
西側がバーラ平原。
こうなっていた。
最近まで頻繁に接触してたのが東側のミーコス男爵だ。
元々は騎士団幹部だったが3カ国の領土拡大戦争の際に戦功を立てて男爵領を貰っていた。
そして今は亡き前大公のドーベルの子飼いでもあった。
なので、トルオンもドーベルから紹介を受けて顔見知りだ。
御近所で唯一、心が許せる相手かと思いきやドーベルの死後、元々新参者のトルオンの事が気に入らなかったのか、何かと良からぬ事を画策してた。
まあ、北隣領のカモスモーが死んだ事でお家騒動が勃発し、そちらに介入して、トルオンが居るネレシオ領にはちょっかいを掛けてくる事もなくなったが。
その城塞街ネレシオだが、実はもう人口が1万人を越えていた。
都市国家ヒーナの完全支配によってドラゴニュートの移住が更に本格化し、旧テーレ連合領の南側に位置する都市国家ボーレも釣られて領民が流れてきている。
やはりエトリア帝国による『テーレ領への侵攻』の噂があるからだろうか。
そんな訳で、最近は本当にネレシオは賑わっていた訳だが。
都市国家とは都市だけの成立する国家の事だ。
都市が近隣国から独立を保つにはそれなりの強力な軍事力が必要な訳で、都市国家ボーレの場合は亜人族の多さにあった。
鳥人族は空中戦が出来る。
ドワーフ族は戦士としても強く、武具も作れる。
エルフ族やダークエルフ族は魔法が使える。
ケンタウロス族は戦闘民族で強い。
バーラ平原の亜人族がそのまま都市国家に流れて根付いたらしい。
それでもこれまでは都市国家ボーレの亜人族が城塞街ネレシオに流れてくる事はなかったが、遂には亜人族までが流れてきており、代表者と面会する事となった。
代表者はケンタウロス族だった。
ケンタウロス族とは上半身が人間で、下半身が馬の種族だ。
茶髪で右眼が縦傷で潰れた髭面の40代で、上半身に鎧を纏い、下半身は茶色の肌の馬のビンテオスが、
「保護を求める。それとケンタウロス族を守る法律の制定を」
「具体的には?」
「下半身を触った者への罰法だな」
(やっぱり触ったらダメなのか)
「なるほど。エトリア帝国に上奏しよう」
などとトルオンは笑顔で答えながら『面倒臭ぁ』と思ったのだった。
城塞街ネレシオ。
城塞街バギン。
ヨルデの森。
ネレシオ周辺の田畑。
これだけだ。
産業は農業と魔物の素材の加工品、それに森に自生する薬草。
産業もショボイが、ドラゴニュートの職人が流れて来てるので、ドラゴニュートの武具や装飾品等々に珍しく需要がある。
他にもバーラ平原からの交易品も。
お陰で城塞街ネレシオは活気に溢れてるが、対照的に城塞街バギンは寂れていた。
城塞街バギンの方はヨルデの森の魔物を相手に成り上がりや一攫千金を夢見る冒険者とそれを相手にする商売人くらいだ。
正直、城塞街バギンなどどうでもいいトルオンは、
「どうしたものかねぇ~」
そう口だけで心配したのだった。
◇
さて。
そのネレシオ領だが、何もない田舎だが王国(当時)の直轄領だっただけあり、領地だけは広大だ。
隣接領は・・・・・・
北側が旧ネイチャ王国領で、今は亡きカモスモーの侯爵領(直系が全滅した所為で後継問題で揉めてる。トルオンの陣営も介入中)。
東側の北が元々は重要拠点だったが今は下賜されたミーコスの男爵領。
東側の南がソムサックの男爵領。
南側の東がエシードの侯爵領。
南側の西がエトリア帝国の直轄領。
西側がバーラ平原。
こうなっていた。
最近まで頻繁に接触してたのが東側のミーコス男爵だ。
元々は騎士団幹部だったが3カ国の領土拡大戦争の際に戦功を立てて男爵領を貰っていた。
そして今は亡き前大公のドーベルの子飼いでもあった。
なので、トルオンもドーベルから紹介を受けて顔見知りだ。
御近所で唯一、心が許せる相手かと思いきやドーベルの死後、元々新参者のトルオンの事が気に入らなかったのか、何かと良からぬ事を画策してた。
まあ、北隣領のカモスモーが死んだ事でお家騒動が勃発し、そちらに介入して、トルオンが居るネレシオ領にはちょっかいを掛けてくる事もなくなったが。
その城塞街ネレシオだが、実はもう人口が1万人を越えていた。
都市国家ヒーナの完全支配によってドラゴニュートの移住が更に本格化し、旧テーレ連合領の南側に位置する都市国家ボーレも釣られて領民が流れてきている。
やはりエトリア帝国による『テーレ領への侵攻』の噂があるからだろうか。
そんな訳で、最近は本当にネレシオは賑わっていた訳だが。
都市国家とは都市だけの成立する国家の事だ。
都市が近隣国から独立を保つにはそれなりの強力な軍事力が必要な訳で、都市国家ボーレの場合は亜人族の多さにあった。
鳥人族は空中戦が出来る。
ドワーフ族は戦士としても強く、武具も作れる。
エルフ族やダークエルフ族は魔法が使える。
ケンタウロス族は戦闘民族で強い。
バーラ平原の亜人族がそのまま都市国家に流れて根付いたらしい。
それでもこれまでは都市国家ボーレの亜人族が城塞街ネレシオに流れてくる事はなかったが、遂には亜人族までが流れてきており、代表者と面会する事となった。
代表者はケンタウロス族だった。
ケンタウロス族とは上半身が人間で、下半身が馬の種族だ。
茶髪で右眼が縦傷で潰れた髭面の40代で、上半身に鎧を纏い、下半身は茶色の肌の馬のビンテオスが、
「保護を求める。それとケンタウロス族を守る法律の制定を」
「具体的には?」
「下半身を触った者への罰法だな」
(やっぱり触ったらダメなのか)
「なるほど。エトリア帝国に上奏しよう」
などとトルオンは笑顔で答えながら『面倒臭ぁ』と思ったのだった。
0
お気に入りに追加
565
あなたにおすすめの小説

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中

パーティのお荷物と言われて追放されたけど、豪運持ちの俺がいなくなって大丈夫?今更やり直そうと言われても、もふもふ系パーティを作ったから無理!
蒼衣翼
ファンタジー
今年十九歳になった冒険者ラキは、十四歳から既に五年、冒険者として活動している。
ところが、Sランクパーティとなった途端、さほど目立った活躍をしていないお荷物と言われて追放されてしまう。
しかしパーティがSランクに昇格出来たのは、ラキの豪運スキルのおかげだった。
強力なスキルの代償として、口外出来ないというマイナス効果があり、そのせいで、自己弁護の出来ないラキは、裏切られたショックで人間嫌いになってしまう。
そんな彼が出会ったのが、ケモノ族と蔑まれる、狼族の少女ユメだった。
一方、ラキの抜けたパーティはこんなはずでは……という出来事の連続で、崩壊して行くのであった。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる