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女勇者
トルオン、礼拝堂でもズッコケる
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『最近、何かがおかしい』とトルオンは感じていた。
石版はエトリア帝国に取られる。
聖剣はアイテムボックスから落ちて勇者に取られる。
まあ、それ以上の大幅なプラスがトルオンの身には降りかかっている訳だが。
トルオンは生来、プラスをいつまでも覚えていて、マイナスはすぐに忘れる楽天家だ。
それでも俗っぽいので損得には意外に敏感だった。
石版と聖剣の損失は大損だ。
それと同時にトルオンはギフトが【ズッコケ】なだけあり、実は運や不運は気にする方だった。
冒険者をやっていた頃はギフトが【ズッコケ】な事もあり、『少しでも被害が小さくなりますように』とそれはもう頻繁に教会へ訪れてたくらいだ。
それで若いシスターを押し倒す等々の問題を起こして何度、出禁を喰らった事か。
そんな訳で、最近のトルオンはネレシオ砦内にある礼拝堂に籠もって、それはもう熱心にお祈りをしていた。
臣下達は『身重のセリシレルの安産祈願を祈ってるのだ』と思い、妻思いだと好意的に受け取ってたが、なんて事はない。
ひたすら自分の事を祈っていた。
トルオンのギフト【ズッコケ】はそれはもう人を選ぶ。
不意討ちの攻撃回避以外で、男を巻き込んでズッコケた事などトルオンは一度もないのだから。
そんな訳で、ネレシオ砦の礼拝堂内勤務のシスターのマクアが、
「最近は毎日ですね、トルオン様」
と話し掛けた。
人間の23歳。身長159センチ。緑髪眼でおっとり系のお姉さんだ。豊穣の女神チョリスサラを崇める豊穣中央教会のシスター服を纏う。
豊穣中央教会とはエトリア王国領の南側の神殿都市チョーレナを本山にした宗教で、その関係からエトリア王国時代は国教となっていた(教会が兵を派遣しなかったので、帝国建国の際には国教は六柱神全部となってたが)。
ネレシオ砦をトルオンが下賜された時は、非協力的な豊穣中央教会は歯牙にも掛けなかったので聖職者を派遣せず、ドーベルの斡旋でどうにか聖職者を確保していたが、ルーヴァが伯爵位を得た事で権威主義の豊穣中央教会は聖職者を5人派遣し、マクアもその中の1人だった。
「六柱神様あっての我々だからね」
これはリップサービスでも何でもない。トルオンは夢の雲の上で六柱神の5神に会ってる。
それまでは『六柱神が実在してもしなくても幸運さえ齎してくれるのならどっちでもいい派』だったが、四半神になってからは熱心な信徒だった。
「そろそろお時間かと」
「そうだな」
と立ちあがろうとしたトルオンは、
「おわっと」
本領発揮とばかりに、当然のようにズルッとズッコケた。
前方のマクアの両足を両手で掬って押し倒す。
1秒後には、ロングのシスタースカートを捲りあげて、仰向けに倒れて素足をM字開脚してるマクアの白パンツにトルオンは顔面を突っ込ませていた。
「い、いけません、トルオン様。お御堂でこのような事・・・」
「ち、違う。これは足が痺れてズッコケてしまっただけで」
などと言い訳しながらトルオンは慌てて顔を上げ、正式にマクアに謝ってから礼拝堂を出ていったのだった。
石版はエトリア帝国に取られる。
聖剣はアイテムボックスから落ちて勇者に取られる。
まあ、それ以上の大幅なプラスがトルオンの身には降りかかっている訳だが。
トルオンは生来、プラスをいつまでも覚えていて、マイナスはすぐに忘れる楽天家だ。
それでも俗っぽいので損得には意外に敏感だった。
石版と聖剣の損失は大損だ。
それと同時にトルオンはギフトが【ズッコケ】なだけあり、実は運や不運は気にする方だった。
冒険者をやっていた頃はギフトが【ズッコケ】な事もあり、『少しでも被害が小さくなりますように』とそれはもう頻繁に教会へ訪れてたくらいだ。
それで若いシスターを押し倒す等々の問題を起こして何度、出禁を喰らった事か。
そんな訳で、最近のトルオンはネレシオ砦内にある礼拝堂に籠もって、それはもう熱心にお祈りをしていた。
臣下達は『身重のセリシレルの安産祈願を祈ってるのだ』と思い、妻思いだと好意的に受け取ってたが、なんて事はない。
ひたすら自分の事を祈っていた。
トルオンのギフト【ズッコケ】はそれはもう人を選ぶ。
不意討ちの攻撃回避以外で、男を巻き込んでズッコケた事などトルオンは一度もないのだから。
そんな訳で、ネレシオ砦の礼拝堂内勤務のシスターのマクアが、
「最近は毎日ですね、トルオン様」
と話し掛けた。
人間の23歳。身長159センチ。緑髪眼でおっとり系のお姉さんだ。豊穣の女神チョリスサラを崇める豊穣中央教会のシスター服を纏う。
豊穣中央教会とはエトリア王国領の南側の神殿都市チョーレナを本山にした宗教で、その関係からエトリア王国時代は国教となっていた(教会が兵を派遣しなかったので、帝国建国の際には国教は六柱神全部となってたが)。
ネレシオ砦をトルオンが下賜された時は、非協力的な豊穣中央教会は歯牙にも掛けなかったので聖職者を派遣せず、ドーベルの斡旋でどうにか聖職者を確保していたが、ルーヴァが伯爵位を得た事で権威主義の豊穣中央教会は聖職者を5人派遣し、マクアもその中の1人だった。
「六柱神様あっての我々だからね」
これはリップサービスでも何でもない。トルオンは夢の雲の上で六柱神の5神に会ってる。
それまでは『六柱神が実在してもしなくても幸運さえ齎してくれるのならどっちでもいい派』だったが、四半神になってからは熱心な信徒だった。
「そろそろお時間かと」
「そうだな」
と立ちあがろうとしたトルオンは、
「おわっと」
本領発揮とばかりに、当然のようにズルッとズッコケた。
前方のマクアの両足を両手で掬って押し倒す。
1秒後には、ロングのシスタースカートを捲りあげて、仰向けに倒れて素足をM字開脚してるマクアの白パンツにトルオンは顔面を突っ込ませていた。
「い、いけません、トルオン様。お御堂でこのような事・・・」
「ち、違う。これは足が痺れてズッコケてしまっただけで」
などと言い訳しながらトルオンは慌てて顔を上げ、正式にマクアに謝ってから礼拝堂を出ていったのだった。
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