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新顔
トルオン、大賢者の塔の崩壊に立ち会う
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トルオンの事情を簡単に説明すると、
『今日は大陸南部の秘境のジャングルに行くつもりでペガサスに乗ったのに、何故かこっち方面の空へと駆け出して、いきなり身体を縦に起こして背中から振り落とされて、転移魔法を4回使ったけど何故か発動しなくて(賢者2人の結界の所為)地面に落ちたーーあっ、今のナシ。オレ、ペガサスに乗れないからね、タガリア。そもそも男がペガサスに乗れる訳ないし』
こうなった。
それを聞いたタガリアが『もうペガサスに乗れるの知ってるし。『乗れる雲』を知ってる時点で』と内心で呆れながら、
「何をやってるんだか」
「そういうタガリアだって捕まっーー」
「捕まってねえからっ!」
捕まってた癖に、喰い気味でタガリアは否定した。
トルオンは興味がなかったのでそれ以上はツッコまなかった。
代わりにタガリアの身体をジロジロ見ながら、
「そうだ。タガリアって妊娠してないよな、オレの子供?」
「ん? ああ」
「一応確認ね」
トルオンはそう言うと血を拭ってもまだ血まみれのタガリアの胸を揉んだ。
母乳は出ない。
「何の真似だよ? 私を抱きたいのか?」
「いや、今のは本当に確認だよ。今、レル、リュー、エイチェナと妊娠ラッシュでさ、オレ」
「エイチェナって誰だ?」
「兎人族。まあ、弱いけど」
トルオンがそう言うと、タガリアは『あっそ』と興味を無くした。
「それよりも、今から面白い事が起こるから見とけよ、トルオン」
と言ったタガリアが、
「はあああああああああっ!」
気合とともに全力の神聖力を全身に纏った。
タガリアを中心とした半径5メートルの巨大な黄色の神聖力を。
通常ならばその範囲内に居たら吹き飛ぶところだが、トルオンは器用にその神聖力を受け流しながら内側で立ってると、
「喰らえ、芸術の女神ララービーの怒りっ!」
タガリアが大賢者の塔に【神速】で突進した。
そして壁にドゴォォォォォンッとグーパンチをする。
神聖力ごとタガリアはぶつかって大賢者の塔の壁に貫通していき・・・
そしてゆっくりと10秒掛けて、8階建ての大賢者の塔はトルオンから見て右側に根元から折れて倒壊したのだった。
「えっ、何やってんの?」
と呆れながらもトルオンは足元に転がってたエルフの方の賢者が持ってた青色の綺麗な竜玉が嵌った杖を拾って杖として突いたのだった。
「見てたか、トルオン?」
「まあね。それが?」
「トルオンは今のよりも高い攻撃力が出せるか?」
「えっと、素手で?」
「当然だろ」
「魔法強化はあり?」
「なしに決まってるだろ」
「なら無理だな。タガリアの方が元々肉体は強いし」
どうやらそれをトルオンに認めさせたかったらしい。
嬉しそうな顔をして、
「私の方が強いって分かってるんなら、それでいい」
「ってか、何か塔の瓦礫の中から結構良さげなのが出てきてるけど? この杖なんかも」
手にした杖を振りながらトルオンが言うも、タガリアは、
「興味無いな。荷物が嵩張るだけだし。アイテムボックスがあるトルオンは欲しけりゃ拾えば?」
自分のボロボロのローブや荷物を拾って、
「じゃあな」
「もう行っちゃうの?」
「ああ。空振りだったみたいだからな」
「待った。オレ、屋敷を変えたから。アースレナからネレシオってところに。間違えないでね」
トルオンがそう声を掛ける中、タガリアは本当に歩いていった。
トルオンの方は倒れた塔の瓦礫の中から良さげな魔法書やら材質不明の石版のかけらやらを20個ほど回収した。
ペガサスが降りてきたので、
「マジでもう振り落とすなよ」
「ヒヒン」
『あの女がピンチだったから運んでやったんだろうが』とペガサスが嘶き、
「確かにそうだけどさ」
とか喋りながらペガサスに乗ったのだった。
『今日は大陸南部の秘境のジャングルに行くつもりでペガサスに乗ったのに、何故かこっち方面の空へと駆け出して、いきなり身体を縦に起こして背中から振り落とされて、転移魔法を4回使ったけど何故か発動しなくて(賢者2人の結界の所為)地面に落ちたーーあっ、今のナシ。オレ、ペガサスに乗れないからね、タガリア。そもそも男がペガサスに乗れる訳ないし』
こうなった。
それを聞いたタガリアが『もうペガサスに乗れるの知ってるし。『乗れる雲』を知ってる時点で』と内心で呆れながら、
「何をやってるんだか」
「そういうタガリアだって捕まっーー」
「捕まってねえからっ!」
捕まってた癖に、喰い気味でタガリアは否定した。
トルオンは興味がなかったのでそれ以上はツッコまなかった。
代わりにタガリアの身体をジロジロ見ながら、
「そうだ。タガリアって妊娠してないよな、オレの子供?」
「ん? ああ」
「一応確認ね」
トルオンはそう言うと血を拭ってもまだ血まみれのタガリアの胸を揉んだ。
母乳は出ない。
「何の真似だよ? 私を抱きたいのか?」
「いや、今のは本当に確認だよ。今、レル、リュー、エイチェナと妊娠ラッシュでさ、オレ」
「エイチェナって誰だ?」
「兎人族。まあ、弱いけど」
トルオンがそう言うと、タガリアは『あっそ』と興味を無くした。
「それよりも、今から面白い事が起こるから見とけよ、トルオン」
と言ったタガリアが、
「はあああああああああっ!」
気合とともに全力の神聖力を全身に纏った。
タガリアを中心とした半径5メートルの巨大な黄色の神聖力を。
通常ならばその範囲内に居たら吹き飛ぶところだが、トルオンは器用にその神聖力を受け流しながら内側で立ってると、
「喰らえ、芸術の女神ララービーの怒りっ!」
タガリアが大賢者の塔に【神速】で突進した。
そして壁にドゴォォォォォンッとグーパンチをする。
神聖力ごとタガリアはぶつかって大賢者の塔の壁に貫通していき・・・
そしてゆっくりと10秒掛けて、8階建ての大賢者の塔はトルオンから見て右側に根元から折れて倒壊したのだった。
「えっ、何やってんの?」
と呆れながらもトルオンは足元に転がってたエルフの方の賢者が持ってた青色の綺麗な竜玉が嵌った杖を拾って杖として突いたのだった。
「見てたか、トルオン?」
「まあね。それが?」
「トルオンは今のよりも高い攻撃力が出せるか?」
「えっと、素手で?」
「当然だろ」
「魔法強化はあり?」
「なしに決まってるだろ」
「なら無理だな。タガリアの方が元々肉体は強いし」
どうやらそれをトルオンに認めさせたかったらしい。
嬉しそうな顔をして、
「私の方が強いって分かってるんなら、それでいい」
「ってか、何か塔の瓦礫の中から結構良さげなのが出てきてるけど? この杖なんかも」
手にした杖を振りながらトルオンが言うも、タガリアは、
「興味無いな。荷物が嵩張るだけだし。アイテムボックスがあるトルオンは欲しけりゃ拾えば?」
自分のボロボロのローブや荷物を拾って、
「じゃあな」
「もう行っちゃうの?」
「ああ。空振りだったみたいだからな」
「待った。オレ、屋敷を変えたから。アースレナからネレシオってところに。間違えないでね」
トルオンがそう声を掛ける中、タガリアは本当に歩いていった。
トルオンの方は倒れた塔の瓦礫の中から良さげな魔法書やら材質不明の石版のかけらやらを20個ほど回収した。
ペガサスが降りてきたので、
「マジでもう振り落とすなよ」
「ヒヒン」
『あの女がピンチだったから運んでやったんだろうが』とペガサスが嘶き、
「確かにそうだけどさ」
とか喋りながらペガサスに乗ったのだった。
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