133 / 211
帝国誕生
トルオン、爵位の打診を拒否する
しおりを挟む
エトリア王国がまた戦争を始めた。
今度は救援要請に応えた援軍だ。
援軍場所は旧ネイチェ王国領の東隣国で、同時に旧ナスナ能王国領の北隣国でもあるファイアス魔法王国だった。
ファイアス魔法王国は魔術師を多数輩出する国家だ。
このファイアス魔法王国はネイチェ王国と同盟関係にあったが、エトリア王国が侵攻した時には自国領にて悪の道に走ったファイアス魔法王国出身の魔術師ドスカルスキーというゴーレム使いの侵攻を内側から受けてる最中で、同盟国への派兵どころではなかった。
まあ、その事情を知っていてエトリア王国もネイチェ王国に進軍していたのだが。
そのファイアス魔法王国はその悪の道に走ったゴーレム使いに敗北するという顛末となり、エトリア王国が登用した旧ネイチェ王国の将軍経由でファイアス魔法王国の高官から援軍要請が来たのだった。
これまで隣接国でもなかったのだ。
ファイアス魔法王国とは縁もゆかりもない。
だが、王族が逃げずに全員戦死、または捕縛された事で、援軍派遣という名の国土切り取りの為に進軍したのだった。
空白地は拾うに限る。
勝算もかなりある国土切り取り戦争だった。
◇
王都アースレナからネレシオ砦に公爵のドーベルがやってきたのはファイアス魔法王国に援軍を派遣した5日後だった。
『援軍派遣』は言葉遊びで、実質は開戦だ。それも3連戦。
後方も物資の輸送等々で忙しいのに、それでも公爵が田舎に出向いたのには当然、理由がある。
「ドラゴン3頭の売却ありがとうございました、トルオン殿」
「いえいえ、後5頭ありますから。それもおいおい」
「さすがはトルオン殿」
と2人して儲け話をした後、ドーベルが世間話でもするように、
「時に、トルオン殿。今、このネレシオ砦にドラゴニュート族は何人居ましたっけ?」
「ええっと、500人だと思いますけど?」
トルオンとしては頑張って淀みなく嘘をついた方だ。
「本気でそんな戯言が通るとでも?」
だが事前に情報をキャッチしていたドーベルはジト眼で追及した。
実はもうネレシオ砦にはドラゴニュートが2300人も住んでいた。
実際に数えてはいないが、文官筆頭のミタザクがそう伝えたのだからそうなのだろう。
2300人とはエトリア王国が認めた500人の4倍強、いや5倍に迫る人数だ。
無論、情勢が不安な都市国家ヒーナから更に流れてきた訳だが、エトリア王国側からしてみれば見過ごせない人数だった。ドラゴニュート族が強い種族な以上は。
「2300人はさすがに見過ごせませんよ、トルオン殿」
「いやいや、勝手に集まってきちゃって。ほら、人間や獣人やダークエルフやケンタウロスや蛮族だって集まって街になり始めてますし」
既にネレシオ砦では拡張工事も終わっており、更なる2画目の拡張工事に入っている。
ネレシオ砦の現人口は5000人前後。
都市国家ヒーナからのドラゴニュートの移動に釣られてか、戦況が最悪な旧テーレ連合領の隣の都市国家ボーレの住民の一部もバーラ平原越えのルートで避難してきている。
情勢によってはもっと人口が増えるだろう。
バーラ平原の部族も幾つかネレシオ砦に顔を出している。都市国家ボーレと交易をしていた部族が情勢悪化の物価高で食糧が手に入らず、エトリア王国側に流れて来ているのだ。
ネレシオ砦の周囲の田畑も既に広大に整備されてるし(トルオンが開墾した)、用水路も既に完成している。
ヨルデの森はトルオンが無双するまでもなく、強いドラゴニュートやネレシオ砦を拠点にしてる冒険者達が狩猟してる。
治安上の問題は何もない。
今ではネレシオ砦の周辺までトルオンが私財で土の街道にレンガを敷き、森側の城壁傍の地面もレンガを敷き詰めて補強してるくらいだ。
田舎とは思えぬ近代都市へと変化していた。
「のようですね。到着の際に拡張されたネレシオ砦を見た限り」
ドーベルはトルオンをネレシオ砦に追いやるよう姉に進言した事を完全に後悔していた。
僅か200日でこの発展なら、その内、このネレシオ砦は都市国家に成長する。
「トルオン殿、エトリア王国の爵位を受けて下さい」
「嫌ですよ、面倒臭い」
「トルオン殿が爵位を受けとってくれないと、いざという時、守れません」
「じゃあ、代わりに妻が爵位を受けるのは?」
「都市国家ヒーナの元王族のドラゴニュートの姉妹がですか?」
それだと話が違ってくる。
都市国家ヒーナも傘下に組み込めるのだから。
そうドーベルは考えたが、トルオンが、
「いえ、ダークエルフの妻の方ですけど」
「長寿種は寿命の関係で一度、爵位を与えると・・・いや、ありかな? ダークエルフを引き入れられるから? いえ、ですが、やはりトルオン殿が」
「あの、ドーベル殿、忘れてません? オレが王太后陛下に嫌われてるの? 爵位の承認なんて下りませんよ」
「それはこっちで何とかしますから」
「じゃあ、何とかしてからにしましょう、この話は」
とトルオンは逃げ切ったのだった。
◇
公爵にして王家の影の長官でもあるドーベルの懸案事項の1つが、姉である王太后ビレリアである。
夫である前王カミオンを亡くして早1年。
38歳になった王太后ビレリアは弟のドーベルがどんなに否定的に見ても色香が増していた。
元々美人な姉だったが、今頃『花開いた』と表現するべきか。
前王の喪を装い、どんなに地味なドレスを纏っても艶っぽく見える。
もう『王太后陛下には愛人がいる』とアースレナ宮殿内ではもっぱらの噂だ。
事実、男は居るのだろう。
王太子妃教育で冷たい表情をするようになった姉が、ここまで変わったのだから。
王家の影を総動員して、アースレナ宮殿の寝室から時折、隠し通路の中に姿を消すところまではどうにか掴んでいるが、そこから先が分からない。
相手も不明だ。
姉の男関係も頭痛の種だが、それよりも今問題なのが、ネレシオ砦のめざましい発展だ。
早めに対策を講じなければ取り返しが付かなくなる。
そんな訳で王太后と面談して『トルオンに爵位を与えようと思うのですが』と相談したが、
「却下ね。あの色男が私に何をしたのか忘れたの、ドーベル?」
「ですが、姉上。トルオンの暗殺は不可能に近く、もう取り込むしか」
「暗殺も取り込みも必要ないわ。都市国家ヒーナのドラゴニュートを丸々、そのネレシオ砦に引き抜けばいいのだから」
「その後に独立されたら?」
「しないわよ。報告では執務は全部、部下に丸投げなんでしょ?」
「ですが、ドラゴンを倒せるほど強いので、周囲が担ぐかもしれませんよ」
「あのね。そんな事よりもゴーレム兵が跋扈するファイアス魔法王国の侵攻が遅れてるわよ。そのトルオンに、ドラゴン素材が更に欲しいとねだりなさい。それとファイアス魔法王国の魔術師の諜略をもっと続けて・・・」
その後、ファイアス魔法王国戦の軍事作戦に話が流れてトルオンの爵位の承諾は取れなかった。
今度は救援要請に応えた援軍だ。
援軍場所は旧ネイチェ王国領の東隣国で、同時に旧ナスナ能王国領の北隣国でもあるファイアス魔法王国だった。
ファイアス魔法王国は魔術師を多数輩出する国家だ。
このファイアス魔法王国はネイチェ王国と同盟関係にあったが、エトリア王国が侵攻した時には自国領にて悪の道に走ったファイアス魔法王国出身の魔術師ドスカルスキーというゴーレム使いの侵攻を内側から受けてる最中で、同盟国への派兵どころではなかった。
まあ、その事情を知っていてエトリア王国もネイチェ王国に進軍していたのだが。
そのファイアス魔法王国はその悪の道に走ったゴーレム使いに敗北するという顛末となり、エトリア王国が登用した旧ネイチェ王国の将軍経由でファイアス魔法王国の高官から援軍要請が来たのだった。
これまで隣接国でもなかったのだ。
ファイアス魔法王国とは縁もゆかりもない。
だが、王族が逃げずに全員戦死、または捕縛された事で、援軍派遣という名の国土切り取りの為に進軍したのだった。
空白地は拾うに限る。
勝算もかなりある国土切り取り戦争だった。
◇
王都アースレナからネレシオ砦に公爵のドーベルがやってきたのはファイアス魔法王国に援軍を派遣した5日後だった。
『援軍派遣』は言葉遊びで、実質は開戦だ。それも3連戦。
後方も物資の輸送等々で忙しいのに、それでも公爵が田舎に出向いたのには当然、理由がある。
「ドラゴン3頭の売却ありがとうございました、トルオン殿」
「いえいえ、後5頭ありますから。それもおいおい」
「さすがはトルオン殿」
と2人して儲け話をした後、ドーベルが世間話でもするように、
「時に、トルオン殿。今、このネレシオ砦にドラゴニュート族は何人居ましたっけ?」
「ええっと、500人だと思いますけど?」
トルオンとしては頑張って淀みなく嘘をついた方だ。
「本気でそんな戯言が通るとでも?」
だが事前に情報をキャッチしていたドーベルはジト眼で追及した。
実はもうネレシオ砦にはドラゴニュートが2300人も住んでいた。
実際に数えてはいないが、文官筆頭のミタザクがそう伝えたのだからそうなのだろう。
2300人とはエトリア王国が認めた500人の4倍強、いや5倍に迫る人数だ。
無論、情勢が不安な都市国家ヒーナから更に流れてきた訳だが、エトリア王国側からしてみれば見過ごせない人数だった。ドラゴニュート族が強い種族な以上は。
「2300人はさすがに見過ごせませんよ、トルオン殿」
「いやいや、勝手に集まってきちゃって。ほら、人間や獣人やダークエルフやケンタウロスや蛮族だって集まって街になり始めてますし」
既にネレシオ砦では拡張工事も終わっており、更なる2画目の拡張工事に入っている。
ネレシオ砦の現人口は5000人前後。
都市国家ヒーナからのドラゴニュートの移動に釣られてか、戦況が最悪な旧テーレ連合領の隣の都市国家ボーレの住民の一部もバーラ平原越えのルートで避難してきている。
情勢によってはもっと人口が増えるだろう。
バーラ平原の部族も幾つかネレシオ砦に顔を出している。都市国家ボーレと交易をしていた部族が情勢悪化の物価高で食糧が手に入らず、エトリア王国側に流れて来ているのだ。
ネレシオ砦の周囲の田畑も既に広大に整備されてるし(トルオンが開墾した)、用水路も既に完成している。
ヨルデの森はトルオンが無双するまでもなく、強いドラゴニュートやネレシオ砦を拠点にしてる冒険者達が狩猟してる。
治安上の問題は何もない。
今ではネレシオ砦の周辺までトルオンが私財で土の街道にレンガを敷き、森側の城壁傍の地面もレンガを敷き詰めて補強してるくらいだ。
田舎とは思えぬ近代都市へと変化していた。
「のようですね。到着の際に拡張されたネレシオ砦を見た限り」
ドーベルはトルオンをネレシオ砦に追いやるよう姉に進言した事を完全に後悔していた。
僅か200日でこの発展なら、その内、このネレシオ砦は都市国家に成長する。
「トルオン殿、エトリア王国の爵位を受けて下さい」
「嫌ですよ、面倒臭い」
「トルオン殿が爵位を受けとってくれないと、いざという時、守れません」
「じゃあ、代わりに妻が爵位を受けるのは?」
「都市国家ヒーナの元王族のドラゴニュートの姉妹がですか?」
それだと話が違ってくる。
都市国家ヒーナも傘下に組み込めるのだから。
そうドーベルは考えたが、トルオンが、
「いえ、ダークエルフの妻の方ですけど」
「長寿種は寿命の関係で一度、爵位を与えると・・・いや、ありかな? ダークエルフを引き入れられるから? いえ、ですが、やはりトルオン殿が」
「あの、ドーベル殿、忘れてません? オレが王太后陛下に嫌われてるの? 爵位の承認なんて下りませんよ」
「それはこっちで何とかしますから」
「じゃあ、何とかしてからにしましょう、この話は」
とトルオンは逃げ切ったのだった。
◇
公爵にして王家の影の長官でもあるドーベルの懸案事項の1つが、姉である王太后ビレリアである。
夫である前王カミオンを亡くして早1年。
38歳になった王太后ビレリアは弟のドーベルがどんなに否定的に見ても色香が増していた。
元々美人な姉だったが、今頃『花開いた』と表現するべきか。
前王の喪を装い、どんなに地味なドレスを纏っても艶っぽく見える。
もう『王太后陛下には愛人がいる』とアースレナ宮殿内ではもっぱらの噂だ。
事実、男は居るのだろう。
王太子妃教育で冷たい表情をするようになった姉が、ここまで変わったのだから。
王家の影を総動員して、アースレナ宮殿の寝室から時折、隠し通路の中に姿を消すところまではどうにか掴んでいるが、そこから先が分からない。
相手も不明だ。
姉の男関係も頭痛の種だが、それよりも今問題なのが、ネレシオ砦のめざましい発展だ。
早めに対策を講じなければ取り返しが付かなくなる。
そんな訳で王太后と面談して『トルオンに爵位を与えようと思うのですが』と相談したが、
「却下ね。あの色男が私に何をしたのか忘れたの、ドーベル?」
「ですが、姉上。トルオンの暗殺は不可能に近く、もう取り込むしか」
「暗殺も取り込みも必要ないわ。都市国家ヒーナのドラゴニュートを丸々、そのネレシオ砦に引き抜けばいいのだから」
「その後に独立されたら?」
「しないわよ。報告では執務は全部、部下に丸投げなんでしょ?」
「ですが、ドラゴンを倒せるほど強いので、周囲が担ぐかもしれませんよ」
「あのね。そんな事よりもゴーレム兵が跋扈するファイアス魔法王国の侵攻が遅れてるわよ。そのトルオンに、ドラゴン素材が更に欲しいとねだりなさい。それとファイアス魔法王国の魔術師の諜略をもっと続けて・・・」
その後、ファイアス魔法王国戦の軍事作戦に話が流れてトルオンの爵位の承諾は取れなかった。
0
お気に入りに追加
565
あなたにおすすめの小説
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、実は異世界最強 〜俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜
蒼月浩二
ファンタジー
突然高校のクラス丸ごと異世界に召喚され、一人に一つ職業が与えられた。クラス会議の結果、旭川和也はハズレ職である『ガチャテイマー』を押し付けられてしまう。
当初は皆で協力して困難を乗り越えようとしていたクラスだったが、厳しい現実を目の当たりにすると、最弱の和也は裏切られ、捨てられてしまう。
しかし、実は最弱と思われていた『ガチャテイマー』は使役する魔物を《限界突破》することで際限なく強化することのできる最強職だった!
和也は、最強職を駆使して無限に強くなり、いずれ異世界最強に至る。
カクヨム・なろうで
クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、《限界突破》で異世界最強 〜★1魔物しか召喚できない無能だと思われていたが、実は俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜
というタイトルで連載しているものです
あなたの冒険者資格は失効しました〜最強パーティが最下級から成り上がるお話
此寺 美津己
ファンタジー
祖国が田舎だってわかってた。
電車もねえ、駅もねえ、騎士さま馬でぐーるぐる。
信号ねえ、あるわけねえ、おらの国には電気がねえ。
そうだ。西へ行こう。
西域の大国、別名冒険者の国ランゴバルドへ、ぼくらはやってきた。迷宮内で知り合った仲間は強者ぞろい。
ここで、ぼくらは名をあげる!
ランゴバルドを皮切りに世界中を冒険してまわるんだ。
と、思ってた時期がぼくにもありました…
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?
桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」
その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。
影響するステータスは『運』。
聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。
第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。
すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。
より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!
真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。
【簡単な流れ】
勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ
【原題】
『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』
【物真似(モノマネ)】の力を嫉妬され仲間を外された俺が一人旅を始めたら……頼られるし、可愛い女の子たちとも仲良くなれて前より幸せなんですが?
シトラス=ライス
ファンタジー
銀髪の冒険者アルビスの持つ「物真似士(ものまねし)」という能力はとても優秀な能力だ。直前に他人が発動させた行動や技をそっくりそのまま真似て放つことができる……しかし先行して行動することが出来ず、誰かの後追いばかりになってしまうのが唯一の欠点だった。それでも優秀な能力であることは変わりがない。そんな能力を持つアルビスへリーダーで同郷出身のノワルは、パーティーからの離脱を宣告してくる。ノワル達は後追い行動ばかりで、更に自然とではあるが、トドメなどの美味しいところを全て持っていってしまうアルビスに不満を抱いていたからだった。
半ば強引にパーティーから外されてしまったアルビス。一人にされこの先どうしようとか途方に暮れる。
しかし自分の授かった能力を、世のため人のために使いたいという意志が変わることは無かったのだ。
こうして彼は広大なる大陸へ新たな一歩を踏み出してゆく――アルビス、16歳の決断だった。
それから2年後……東の山の都で、“なんでもできる凄い奴”と皆に引っ張りだこな、冒険者アルビスの姿があった。
救助者ギルドから追放された俺は、ハズレだと思われていたスキル【思念収集】でやり返す
名無し
ファンタジー
アセンドラの都で暮らす少年テッドは救助者ギルドに在籍しており、【思念収集】というスキルによって、ダンジョンで亡くなった冒険者の最期の思いを遺族に伝える仕事をしていた。
だが、ある日思わぬ冤罪をかけられ、幼馴染で親友だったはずのギルド長ライルによって除名を言い渡された挙句、最凶最悪と言われる異次元の監獄へと送り込まれてしまう。
それでも、幼馴染の少女シェリアとの面会をきっかけに、ハズレ認定されていた【思念収集】のスキルが本領を発揮する。喧嘩で最も強い者がここから出られることを知ったテッドは、最強の囚人王を目指すとともに、自分を陥れた者たちへの復讐を誓うのであった……。
白雪姫症候群-スノーホワイト・シンドロームー
しらす丼
ファンタジー
20年ほど前。この世界に『白雪姫症候群-スノーホワイト・シンドロームー』という能力が出現した。
その能力は様々だったが、能力を宿すことができるのは、思春期の少年少女のみ。
そしてのちにその力は、当たり前のように世界に存在することとなる。
—―しかし当たり前になったその力は、世界の至る場所で事件や事故を引き起こしていった。
ある時には、大切な家族を傷つけ、またある時には、大事なものを失う…。
事件の度に、傷つく人間が数多く存在していたことが報告された。
そんな人々を救うために、能力者を管理する施設が誕生することとなった。
これは、この施設を中心に送る、一人の男性教師・三谷暁と能力に人生を狂わされた子供たちとの成長と絆を描いた青春物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる