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帝国誕生

トルオン、ズッコケて親衛隊が増える

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 通常、この世界では自ら戦わない者は強くなれない。

 原理としては倒した魔物の生命エネルギーの一部が討伐者に流れて強くなるのだが・・・

 トルオンは知恵の女神ジュピマーズから貰った知識によって経験値(生命エネルギー)の流れを変える秘術が使えた。





 なので、トルオンは関係を持った親衛隊のアナリア、エイチェナ、ネイナの3人人を転移魔法で(トルオンは秘密だと思ってる。もうバレバレだが)遠征に出ていた。

 ドラゴン退治だ。

 ドラゴンは金になる。

 その上、トルオンの英雄志向も満たしてくれるので。

 そんな訳で遠斬りの一刀でズシャァァッと斬って、

「アギャアアアアアアア」

 ドラゴンが断末魔を上げるのを親衛隊3人は目撃していた。

「やっぱりドラゴンも1撃で倒すんだぁ」

「そこが素敵なんじゃないの」

「私達、護衛よね、トルオン様の?」

 と喋る中、ドラゴン4頭を狩猟したトルオンは、

「じゅあ、帰ろうか」

 転移魔法でネレシオ砦に帰還し・・・・・・





 翌日から3人は大物喰い熱でうなされる事となった。

 それも最長10日間という長期に渡って。





 3人が寝込む間に、親衛隊に新たに加わった者が現れた。

 トルオンの寝室にやってきたのは地下牢から解放されて風呂場で身体を磨かれたドラゴニュートのネルネだった。

 主家のセレシレル、セレーリュ姉妹にちゃんと言い含められており、

「好きにしろ」

 色っぽい下着姿で赤面し、期待しながらそっぽを向いてトルオンに言ったのだった。

「ええぇ~。そこはさぁ~、もう少し可愛く・・・」

 と不平を言ったトルオンが速攻で、

「のわっとっ!」

 ズルッとズッコケた。

「キャ」

 ドラゴニュートのネルネをベッドに押し倒す。

 トルオンは胸の谷間にダイブしていたが、ネルネが、

「翼持ちの種族を支配するように押し倒すなんて・・・・・・」

 と言われて、ドラゴニュート族の2人を妻に、1人を愛人にしてるトルオンもダメだと学習してたので、慌てて、

「違っ、これは・・・」

「ここまで支配するように求愛されては仕方ない。好きにしろ」

 ネルネが何故かデレて赤面してたので、

「痛くないの、翼?」

「少し痛いが、それがおまえの愛し方なのだろう?」

 OKだったので、トルオンはそのままキスしてネイネを親衛隊に加えたのだった。





 それともう1人、セレシレル、セレーリュを頼って、

「トルオン、こちらはアジャ公国のベリラベート姫だ」

 アジャ公国の公王の大叔母に当たるハーフエルフのベリラベートがエトリア王国のネレシオ砦に流れてきていた。

「お初にお目にかかります、トルオン殿」

 そう挨拶したベリラベートは身長169センチ。外見年齢18歳だった。だが長寿種のエルフの血を引いてるので実年齢は違う。

 艶やかな黒髪をアップにし、エルフの血を引くので美貌も整っている。とんがり耳は純血種よりも小さい。

 恰好は青色の魔術師ビキニにマントで、白肌のスタイルも良かった。

「これはどうも。知り合いなの、レル?」

「都市国家ヒーナとは近所だったからな」

「で、そのお姫様がどうしてお忍びで?」

「ん? トルオンはまだ聞いていないのか? 旧テーレ連合領の主導権争いの中、背後から同盟国のレーゼ王国に攻められたそうだぞ」

「もしかしてレル達が窮地の時には援軍を出さずに『助けて』とかそういう?」

「いえいえ、アジャ公国所属ですが、元々好き勝手してましたので」

「へぇ~」

 着席前の挨拶でトルオンが速攻でズルッとズッコケ、

「ほへっ?」

「キャァ」

 セレシレルの見てる前でベリラベートを押し倒して腹に顔をうずめたのだった。

「・・・なっ」

 ベルラベートが赤面し、トルオンが、

「あっ、ゴメン」

「トルオンは本当によく転ぶよな」

 とセレシレルは呆れたが、赤面中のベリラレートが、

「わ、私はハーフエルフなので恋愛はしませんからね」

 ハーフの出自だから恋愛観をこじらせてる事を自ら暴露してきたが・・・

 滞在2日目のトルオンのズッコケ8連続攻撃の前に完全に陥落し、8回目のパンツズラシ、ノーパン股間顔面ダイブで、赤面しながら、

「・・・責任を取って貰いますからね、トルオン殿」

「結婚しろって事?」

「結婚っ? 親衛隊でいいですっ! ってか、いい加減、顔をそこから上げて下さい」

「いい匂いだよ」

「・・・知りません」

 こうしてベルラベートも親衛隊に加わったのだった。
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