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安全地帯
トルオン、城門前で狩猟する
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エトリア王国内のヨルデの森の傍のネレシオ砦に拠点を移したトルオンは3日後には昼間に大々的にヨルデの森の魔物の狩猟を行った。
夜な夜なヨルデの森から這い出た魔物が砦に接近する度に警戒の鐘が鳴って、妻達との閨の興を削ぐからだ。
そんな訳で、トルオンは現在、ネレシオ砦に誘致した道具屋にあった魔物寄せの香を全部購入して、北門(森側)の城門を閉じさせた後、城門の外側で魔物寄せの香32個を一度に焚いて煙塗れにして、ヨルデの森から出てきたランク度外視で大小の魔物4000匹ほどを遠斬りで無双中だった。
城壁の上からそんなトルオンに熱い視線を送ってるのは3人の妻のルーヴァ、セレシレル、セレーリュだけである。
城壁の上に居た他のドラゴニュートや王都アースレナからネレシオ砦に派遣されてきた騎士達はドン引きだった。
「何だ? もう魔物寄せの香の効果切れか?」
最終的に6000匹くらいの魔物を撃破した後、砦の外側の城門前に魔物が集まらなくなったのでトルオンはそう呟くと、
「食用の魔物は全部、先に砦の内側に運んでくれ。解体はその後に。食肉にならない魔物は素材を綺麗に剥ぐ事。ランクに関係なく全部換金する方向で頼むな。剥ぎの練習だと思って。じゃあ、みんなよろしく」
城壁で見てた兵士達に指図して、自分は軽々と【跳躍】【空中ジャンプ】で城壁を乗り越えてネレシオ砦の本殿の風呂に入りにいった。
城門前の広がる大猟の獲物の運搬と剥ぎでこの後、ネレシオ砦がお祭り騒ぎになったのは言うまでもない。
それと、ヨルデの森から魔物の数が一時的に激減した事も。
◇
夕食を終えてもネレシオ砦内のお祭り騒ぎの様子を執務室の窓から眺め、トルオンが思った事は『狭いな、この砦』だった。
実際には十分デカイのだが、ドラゴニュート500人に、エトリア王国からの派遣組20人、ドーベルが斡旋してくれた治癒職や文官や使用人30人、それに誘致した店の者達20人弱が住むにはこの砦は手狭過ぎる。
「ネレシオ砦の拡張工事って出来たんだっけ?」
執務室内に居た派遣された身長241センチ、40代の狼人族で、銀髪銀耳銀尻尾で左眼に2本の傷痕があるが眼は見えてるバルトという騎士の小隊長に質問すると、
「エトリア王国は金を出しませんが」
「自前でやるさ。金はあるから」
「噂通り、ドラゴン21頭を売ったのってトルオン殿なんですか?」
「内緒だぞ」
「ええ、『他言するな』と言われてますから」
「拡張工事の為に男手って集めていいのか? 間もなく戦争をするんだよな、エトリア王国って?」
「それは見送りになるそうですよ。女王陛下が戦争を嫌がってるそうですから」
「へぇ~。そんな事まで知ってるなんてバルト殿は意外と政権中枢に近いんだな」
「そりゃ、トルオン殿とドラゴニュート500人の監視任務を務めてるくらいですから」
「ふむ。まあ、これからよろしく」
そうトルオンは声を掛けたのだった。
夜な夜なヨルデの森から這い出た魔物が砦に接近する度に警戒の鐘が鳴って、妻達との閨の興を削ぐからだ。
そんな訳で、トルオンは現在、ネレシオ砦に誘致した道具屋にあった魔物寄せの香を全部購入して、北門(森側)の城門を閉じさせた後、城門の外側で魔物寄せの香32個を一度に焚いて煙塗れにして、ヨルデの森から出てきたランク度外視で大小の魔物4000匹ほどを遠斬りで無双中だった。
城壁の上からそんなトルオンに熱い視線を送ってるのは3人の妻のルーヴァ、セレシレル、セレーリュだけである。
城壁の上に居た他のドラゴニュートや王都アースレナからネレシオ砦に派遣されてきた騎士達はドン引きだった。
「何だ? もう魔物寄せの香の効果切れか?」
最終的に6000匹くらいの魔物を撃破した後、砦の外側の城門前に魔物が集まらなくなったのでトルオンはそう呟くと、
「食用の魔物は全部、先に砦の内側に運んでくれ。解体はその後に。食肉にならない魔物は素材を綺麗に剥ぐ事。ランクに関係なく全部換金する方向で頼むな。剥ぎの練習だと思って。じゃあ、みんなよろしく」
城壁で見てた兵士達に指図して、自分は軽々と【跳躍】【空中ジャンプ】で城壁を乗り越えてネレシオ砦の本殿の風呂に入りにいった。
城門前の広がる大猟の獲物の運搬と剥ぎでこの後、ネレシオ砦がお祭り騒ぎになったのは言うまでもない。
それと、ヨルデの森から魔物の数が一時的に激減した事も。
◇
夕食を終えてもネレシオ砦内のお祭り騒ぎの様子を執務室の窓から眺め、トルオンが思った事は『狭いな、この砦』だった。
実際には十分デカイのだが、ドラゴニュート500人に、エトリア王国からの派遣組20人、ドーベルが斡旋してくれた治癒職や文官や使用人30人、それに誘致した店の者達20人弱が住むにはこの砦は手狭過ぎる。
「ネレシオ砦の拡張工事って出来たんだっけ?」
執務室内に居た派遣された身長241センチ、40代の狼人族で、銀髪銀耳銀尻尾で左眼に2本の傷痕があるが眼は見えてるバルトという騎士の小隊長に質問すると、
「エトリア王国は金を出しませんが」
「自前でやるさ。金はあるから」
「噂通り、ドラゴン21頭を売ったのってトルオン殿なんですか?」
「内緒だぞ」
「ええ、『他言するな』と言われてますから」
「拡張工事の為に男手って集めていいのか? 間もなく戦争をするんだよな、エトリア王国って?」
「それは見送りになるそうですよ。女王陛下が戦争を嫌がってるそうですから」
「へぇ~。そんな事まで知ってるなんてバルト殿は意外と政権中枢に近いんだな」
「そりゃ、トルオン殿とドラゴニュート500人の監視任務を務めてるくらいですから」
「ふむ。まあ、これからよろしく」
そうトルオンは声を掛けたのだった。
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