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世界地図2

【四天王side】運悪く四半神に遭遇する

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 魔族が住む魔王領は世界のどこにもない。

 少なくともトルオンが契約したペガサスでは絶対に『出向けない場所』にあった。

 タガリアからの情報では、どうも異空間を挟んだ『飛び地』らしい。

 そこからこちらの世界の六柱神の祝福が弱い西の最果ての『死の大地』や南の最果ての『活火山地帯』に穴を開けて通ってくるのだとか。

 『強い奴ボコり旅』をしてるタガリアも数回、『こちら側』から魔王領への移動試みたが・・・・・・

 無理だったそうだ。

 原因は四半神で六柱神の力が強過ぎるから。

 それが理由でタガリアが来訪出来ないのなら、トルオンにも無理だろう。

 稀に勇者が穴から出向いて魔王領に出向いて魔王を殺してる。

 まあ、それも数百年で復活するらしいが。





 さて。

 そんな訳で魔族は魔王領に居る限り手が出せない。

 精々、こちらの世界への侵攻を企む魔王軍を撃退するくらいなのだが・・・





 トルオンは無自覚ながら既に・・・・・・

 レーゼ王国南部の火山地帯でダースデニー。

 ゼッタリア聖王国の聖王宮でロストネーク。

 エトリア王国の即位祭でマレーシオ。





 魔王軍四天王の3人を始末していた。

 四天王とか名乗ってるが全員、瞬殺だった。

 本当に魔王軍四天王かどうか怪しいものだったがーー

 本当に本物だった。

 六柱神の加護が強く働く『こちら側』では魔族はその程度なのだ。

 まあ、それでも他の者達からしたら信じられないくらい強いはず・・なのだが。

 弱体化するのを承知で魔族が『こちら側』に出向いてるのは、こちら側から魔王領に出向くような奴は勇者一行くらいしかいないからだった。

 なので、戦略的に迎え撃つなどという事はあり得ず、出向いていた。





 魔王軍四天王最後の1人、エスディータロットも実は『こちら側』に既に来ていた。

 そして、マレーシオ撃退の情報を得て、エトリア王国に向かったのだが、その際に運悪くエトリア王国の王都アースレナを旅立った四半神のタガリアと遭遇した。

 場所はエトリア王国の東隣国のナスナ熊王国だ。

 夜空を飛んで移動中に、地上から【空中ジャンプ】で同じ高度にやってきたタガリアが、

「あれれ? 強そうな魔族だけど、もしかして魔王軍の幹部だったりするのか?」

 エスディータロットに好戦的に質問した。

 エスディータロットは全長310センチ。青髪で筋肉マッチョ。上半身裸だが、鱗が鎧のように肩や腹で高質化してる。背中には魔族の翼まで持ってた。

 脳筋の外見とは裏腹にキレ者で、瞬時に相手が誰かまで気付いた。

「血祭りのタガリア・・・・・・そうか、おまえか。マレーシオをやったのは」

「はん? 何それ? とりあえず、死ねっ!」
 『強い奴は全ボコり』が信条のタガリアがいきなり攻撃を開始して、それで戦闘が始まった。

 エスディータロットは魔王軍四天王最強の魔族だ。

 だが、四半神のトルオンよりも強いタガリアの敵ではなく、一方的にボッコボコに殴られたのだった。

 唯一トルオンと違うところは、タガリアは相手にとどめを刺さなかった。





 5分後、

「バケモノめ・・・・・・ ゲフッ」

 大地に出来た30メートル級のクレーターの中で気絶したエスディータロットを見て、

「チッ、見かけ倒しが。やっぱり『こっち』だと魔族なんてこの程度か。トルオンの50分の1じゃねぇか。やっぱ暗黒騎士ソーデアか、大賢者エレスティーを探そうっと」

 そう呟き、とどめを刺さずに夜道を歩いていった訳だが・・・・・・・





 更に10分後には、ナスナ熊王国のグリフォン部隊が大部隊でやってきた。

 グリフォン部隊が大挙してやってきたのは、突然、ナスナ熊王国の領内で激しい力の激突があったからだ。

 夜空に爆発に似た閃光すら何度も走ってる。

 それで緊急出動で出向いた訳だが・・・

 そこで30メートル級のクレーターの中で気絶中の魔族を発見した。

「こいつが元凶か?」

「だが半殺しにされてるぞ。この魔族を倒した連中はどこに居るんだ? 我々の接近に気付いて逃げた?」

「それよりも魔族の始末が先だろう」

 こうして魔王軍四天王最後の1人、エスディータロットは意識を失ったまま名もない騎士達にとどめを刺されたのだった。
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