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三光妃
【王弟side】秒で兄王の忠臣に誅殺される
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エトリア王国の王都アースレナにある本宮殿から離宮に国王カミオンが幽閉されて30日。
国王幽閉を強行した王弟で、侯爵のカミレンは絶頂を極めていた。
王妃派の全面支持で、カミレンが国王へ進む準備が着々と進んでいたからだ。
カミレンの妻は侯爵夫人から王妃になるべく王妃教育を開始し、カミレンは国政の最終決定会議に参加している。王妃の実弟からはもう多額の上納金を数度に渡り送られ、カミレンの側近は要職にはいきなりは無理だが、その補佐官や書記官になって仕事を学んでいた。
それもこれも後継者の第1王子カミロが死霊に殺され、16歳の第1王女カミビーレが王位を継承する気概も能力もないお陰だった。
もう王宮の一室に居住を構えて国王のようにカミレンは振る舞っている。
先代国王の御代では第3王子。
それも最後まで王太子になるべく暗躍して、侯爵に臣籍降下させられたが、王籍復帰を果たしたカミレンはこれまでの屈辱も良い思い出として、ワインを呷っていた。
側近達は居ない。
カミレンが婿入りした侯爵家の出身の妻のサミレと一緒に美酒を飲んでいた。
サミレは27歳の兎人族で、橙髪と橙兎耳をしていたが、カミレンと同様、王妃の野望を内に秘めており似た者同士だった。
「それで陛下、あのトルオンってのはどうなさりますの?」
サミレが国王扱いして『陛下』と呼称した事が当然のようにカミレンが、
「第1王子を殺してくれた功労者か。恩賞をくれてやりたいところだが・・・その内、殺す事になろうな。ドラゴンを売って相当貯め込んでるらしいし、資産の隠し場所さえ判明すれば」
「それがいいですわ、オホホ」
エトリア王国支配を盤石にする為にワイングラスを片手に今後の計画を語ってると、サミレが耳をピクリとした。
「どうした?」
「廊下で鎧を着た兵士が走ってますわ」
「何だ。こんな時間に?」
この世の春を謳歌しており、このアースレナ宮殿に逆らう者などもう居ないと信じて疑わなかったカミレンは自室のドアが乱暴に開けられて、覆面をした騎士装備の男達が5人、乱入してきても、
「何の騒ぎだ?」
とマヌケな対応をしてしまった。
「黙れ、陛下を幽閉した大罪人めっ! 陛下の命によりお前を誅殺する、死ねっ!」
騎士がそう宣言して剣を抜き、斬撃を繰り出した。
「はあ? ギャアアア」
咄嗟に身を引いたので致命傷は避けたが、カミレンが傷を負う。
「出あえっ! 出あえっ! 乱心者だぞっ! 取り押さえろっ!」
「黙れ、王家のクズがっ!」
「覚悟っ!」
「陛下の温情を忘れた愚か者がっ!」
次々に斬られて、遂には、
「グフっ・・・アースレナ宮殿でこのような蛮行が許される訳が・・・そうか、あの女狐、最初から・・・ギャアアア」
王弟カミレンはこの騎士達が王妃ビレリアの差し金だと最後の最後で気付いたが、その時にはアースレナ宮殿の室内で誅殺されたのだった。
王弟カミレンに3本の剣を突き刺した覆面の騎士達が剣を抜きながら、
「こっちの毒婦はどうする?」
「た、助けて」
「殺せ。この女もこのクズを止めなかった同罪だ」
こうしてサミレもついでに誅殺されて国王カミオンの殺害命令書を室内に残して騎士達は去っていった。
この騒ぎの現場はアースレナ宮殿だ。
それでも誰も駆け付けなかったのだから、アースレナ宮殿の今の真の主が殺されたカミレンではなく、またその者がこの謀殺に関与してたのは言うまでもない。
この件により、王弟カミレンは排除され、残された命令書から国王カミオンには更なる狂乱疑惑が浮上して離宮で幽閉され続ける事になるのだった。
国王幽閉を強行した王弟で、侯爵のカミレンは絶頂を極めていた。
王妃派の全面支持で、カミレンが国王へ進む準備が着々と進んでいたからだ。
カミレンの妻は侯爵夫人から王妃になるべく王妃教育を開始し、カミレンは国政の最終決定会議に参加している。王妃の実弟からはもう多額の上納金を数度に渡り送られ、カミレンの側近は要職にはいきなりは無理だが、その補佐官や書記官になって仕事を学んでいた。
それもこれも後継者の第1王子カミロが死霊に殺され、16歳の第1王女カミビーレが王位を継承する気概も能力もないお陰だった。
もう王宮の一室に居住を構えて国王のようにカミレンは振る舞っている。
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それも最後まで王太子になるべく暗躍して、侯爵に臣籍降下させられたが、王籍復帰を果たしたカミレンはこれまでの屈辱も良い思い出として、ワインを呷っていた。
側近達は居ない。
カミレンが婿入りした侯爵家の出身の妻のサミレと一緒に美酒を飲んでいた。
サミレは27歳の兎人族で、橙髪と橙兎耳をしていたが、カミレンと同様、王妃の野望を内に秘めており似た者同士だった。
「それで陛下、あのトルオンってのはどうなさりますの?」
サミレが国王扱いして『陛下』と呼称した事が当然のようにカミレンが、
「第1王子を殺してくれた功労者か。恩賞をくれてやりたいところだが・・・その内、殺す事になろうな。ドラゴンを売って相当貯め込んでるらしいし、資産の隠し場所さえ判明すれば」
「それがいいですわ、オホホ」
エトリア王国支配を盤石にする為にワイングラスを片手に今後の計画を語ってると、サミレが耳をピクリとした。
「どうした?」
「廊下で鎧を着た兵士が走ってますわ」
「何だ。こんな時間に?」
この世の春を謳歌しており、このアースレナ宮殿に逆らう者などもう居ないと信じて疑わなかったカミレンは自室のドアが乱暴に開けられて、覆面をした騎士装備の男達が5人、乱入してきても、
「何の騒ぎだ?」
とマヌケな対応をしてしまった。
「黙れ、陛下を幽閉した大罪人めっ! 陛下の命によりお前を誅殺する、死ねっ!」
騎士がそう宣言して剣を抜き、斬撃を繰り出した。
「はあ? ギャアアア」
咄嗟に身を引いたので致命傷は避けたが、カミレンが傷を負う。
「出あえっ! 出あえっ! 乱心者だぞっ! 取り押さえろっ!」
「黙れ、王家のクズがっ!」
「覚悟っ!」
「陛下の温情を忘れた愚か者がっ!」
次々に斬られて、遂には、
「グフっ・・・アースレナ宮殿でこのような蛮行が許される訳が・・・そうか、あの女狐、最初から・・・ギャアアア」
王弟カミレンはこの騎士達が王妃ビレリアの差し金だと最後の最後で気付いたが、その時にはアースレナ宮殿の室内で誅殺されたのだった。
王弟カミレンに3本の剣を突き刺した覆面の騎士達が剣を抜きながら、
「こっちの毒婦はどうする?」
「た、助けて」
「殺せ。この女もこのクズを止めなかった同罪だ」
こうしてサミレもついでに誅殺されて国王カミオンの殺害命令書を室内に残して騎士達は去っていった。
この騒ぎの現場はアースレナ宮殿だ。
それでも誰も駆け付けなかったのだから、アースレナ宮殿の今の真の主が殺されたカミレンではなく、またその者がこの謀殺に関与してたのは言うまでもない。
この件により、王弟カミレンは排除され、残された命令書から国王カミオンには更なる狂乱疑惑が浮上して離宮で幽閉され続ける事になるのだった。
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