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知恵の女神ジュピマーズ

トルオン、タガナの素性を知る

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 半神半人の虎人族の女、タガナ。

 自称、考古学者。

 20代前半の若い肉体ながら実年齢は1600歳以上。

 芸術の女神ララービーが聖虎との間に作った子供。それがタガナなのだとか。

 それだけ生きてるのだから、子供の数は200人以上(トルオンは知りたくない情報だったが)。

 そのタガナの末裔は今も大陸の各地で偉そうにしてる。

 何せ、神の系譜だから薄まっても他の虎人族よりも強くて。





 さて。

 そんなタガナが過酷なラムネイ氷原で(本当は半神だから余裕なのだが)800年以上暮らすのは悪の巨神ゾワメード・モカの左足。

 つまりは北の最果ての氷の山脈の断崖から伸びた左足の爪先を連想させる岩の山脈の封印を解く事が目的だった。

 タガナの最終目的は悪の巨神ゾワメード・モカの復活による世界の終焉とかではない。

 『この世界に飽きた』とかいうふざけた理由による他世界への移動が目的なのだから。

 他世界に出向くには、この世界の外側を囲んでる岩の山脈が邪魔だって事で、封印の解き方を探ってるらしい。

 出来るのかって?

 無理無理無理。

 そんなの今更出来るかっての。

 創世神話の時代から3000万年以上が経ってるんだぞ。

 そもそも封印したのは六柱神様なのに。

 でも六柱神様曰く、一部だけなら封印を解く事が出来るそうだ。

 そして悪の巨神ゾワメード・モカの力が半神半人のタガナに流れて大暴走。

 世界を壊しまくる未来しか待ってないらしい。

 それを止めるのが今回の使命なんだとさ。

 えっ、六柱神様達はこれまでタガナを放っておいたのかって?

 うんにゃあ。

 何百回と説得しようとしたがタガナの方が『やってみなきゃ分からいでしょ』って聞く耳を持たず、仕方なく何度か抹殺しようとしたらしいぜ。

 母親の芸術の女神ララービー様や父親の聖虎が出向くも、父親の聖虎はとっくにタガナに喰われて、父親を喰ってタガナはパワーアップ(マジで神話的な逸話だな)。直後に怒った芸術の女神ララービー様が無理に降臨するも(何かこちら側だと実力が出せないらしい)逆に返り討ちにあって神界に押し返されて、この世界に来れないように封印される始末。

 手駒の天使や勇者とかも何度となく派遣したらしいぜ。

 でもな。

 あのタガナが乗ってた犬ゾリ、覚えてるか?

 10匹の犬が引いてた訳だけど、あれ、全部、犬じゃなくてフェンリルとその子供ハーフクオーター達なんだってよ。

 1600年間も生きてたら、フェンリルを子供の頃から飼い慣らせるらしいぜ。

 そんな訳で六柱神サイドが放った尖兵は全滅。

 どうしようかって時に天空神殿にズルして試練を越えずにやってきた人間2人の内、1人がズッコケて四半神を望んだ事で『使えるかも』って様子を見てたらペガサスにまで気に入られて『よし、やらせてみよう』って事になったらしい。





 ホント、勘弁してくれよな。
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