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ペガサス騎士トルオン

【元議員side】秒で部下に裏切られる

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 テレ連合の元老院の議員でトルオン関連で処刑されたのはベートーニ議員だけだったが議員資格を剥奪されたのは他にも居た。

 トルオンに接触したアイスシア議員。

 モード獣王国との全権外交を任されていたプラス議員。

 この2人だ。

 アイスシア議員は『都市国家ビーナの奴隷王女2人の譲渡を頼んだだけよ』、プラス議員は『部下が勝手にタワーホテルに王女を連れ出したからだ』と抗弁したが、無駄に終わった。

 お陰で元老院の議員資格を失った。





 アイスシアは、

「あのクソガキぃぃぃっ! この私に恥を掻かせてっ!」

 と当たり散らしたが、実は当たり散らしてる時間もアイスシアにはなかった。

 沈む舟からは鼠も逃げ出す。

 あのトルオンの屋敷での会談の時、アイスシアの部下が5人同席していた訳だが、その内の3人が議員資格を失った直後に、アイスシアから秒で他の元老院議員に鞍替えした為にアイスシアはその日の内に元老院の親衛隊に捕縛された。





 特別な牢屋の鉄格子の外側に立った政敵のイーピン議員が、

「このような事になって実に残念じゃよ、アイスシア議員」

 と勝ち誇った。

 80代の人間でヨボヨボだ。背中も曲がってる。長い杖を持って身体を支えていた。

 だが、知力や政治力は異常にあった。

 対する独房の中に座るアイスシアも、

「私もよ。当分は地下に潜ってるから。また会いましょ」

 と不敵に笑い、次の瞬間には鉄格子の中で両眼と耳から血を流してアイスシアは倒れた。

 そして絶命した時には分身が解けて、別人の側近の1人の姿に戻っていたのだった。

「ふん、やはり分身体か。魔法かギフトかは知らんが便利なのを持ってて羨ましいわい」

 そう笑ったイーピン議員は杖を突きながら親衛隊を引き連れて廊下を歩いて行ったのだった。
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