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世界地図
トルオン、ペガサスでラムネイ氷原に出向きズッコケる
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トルオンの光転移魔法は一度言った場所にしか移動出来ない。
その為、レーゼ王国からテーレ連合に来る時は大変で、大金をはたいて、グリフォンを使う運搬業者を数回経由してどうにか移動した訳だが。
今はもうペガサスが居る。
お陰で世界を飛び回る事が出来、各地に出向いていた。
なので、各地でペガサスに乗った男が目撃されており、一部ではもう有名人になりつつあった。
仮面を付けずにペガサスに騎乗した為に、トルオンの容姿が、である。
まあ、レーゼ王国内では乗らなかったので関係なかったが。
そんな訳でトルオンは現在、大陸北部の雪が吹雪く氷河地帯、ラムネイ氷原に来ていた。
国名はない。
ラムネイ氷原という空白地だ。
極寒で人が住むのに適さない場所で、生きるのに精一杯で、税を納める余裕がないのだ。
下手にむしり取ろうとしたら暴動が多発する。
なので、誰も統治しようとは思わない土地だった。
そのラムネイ氷原にトルオンは居た訳だが、トルオンは普段着で、極寒の気候を考えれば薄着だった。
なのに、信じられない事だが、トルオンはまったく寒くなかった。
さすがは聖獣のペガサスだ。
ペガサスの周辺では快適な温度だったのだ。
ラムネイ氷原の目印っぽい無人の塔の前で降り立ち、転移魔法の場所として記憶したので、トルオンはペガサスの背に乗ろうとしたのだが、ヒヒンッとペガサスが首を向けた。
ペガサスが向けた鼻先の方角には5メートル級の2足歩行の氷製のゴーレムに追われてる犬ソリがあった。
「はあ? 助けろってか。無理無理無理。寒いって」
とトルオンは言ったが、さっさと行け、とばかりにペガサスがヒヒンッと嘶いたので、
「ええっと、一応、オレが主人だよな?」
とか文句を言いながらも、トルオンはペガサスの背に乗らず【瞬動】で助けに向かったのだが、
(あれ、寒くない? ペガサスから離れたのにどうして? もしかして・・・オレの方か? オレが四半神だから気温なんてヘッチャラになったのか? ・・・・・・さすがは4分の1が神様なだけの事はある)
なんて思いながら、氷のゴーレムをそれなりの剣で一刀で両断にした。
「ありがとうございました」
犬ゾリに乗ってた搭乗者にお礼を言われた。
顔までゴーグルやマスクで覆っているので気付かなかったが女だった。
それも若い。
「どうぞ、ソリにお乗り下さい。狭いところですが私のテントまでお送りしますから」
「いや、いらな・・・おわっと」
トルオンはズッコケて相手をモロに押し倒したのだった。
ギフト【ズッコケ】か、素で氷に滑ったのか判定が難しいズッコケだった。
「そういう事がお望みなら、私のテントで」
「いや、そういう気は全然なく・・・・・・それにほら、あそこに・・・・・・」
トルオンが視線を向けた無人の塔の前にはペガサスは居なかった。
(あんにゃろう)
トルオンは犬ゾリに乗せて貰い、氷穴内に設置された防寒対策バッチリのデカイテントに1人で住む虎人族の娘タガナから氷のゴーレムから助けたお礼の身体の接待を受けたのだった。
その為、レーゼ王国からテーレ連合に来る時は大変で、大金をはたいて、グリフォンを使う運搬業者を数回経由してどうにか移動した訳だが。
今はもうペガサスが居る。
お陰で世界を飛び回る事が出来、各地に出向いていた。
なので、各地でペガサスに乗った男が目撃されており、一部ではもう有名人になりつつあった。
仮面を付けずにペガサスに騎乗した為に、トルオンの容姿が、である。
まあ、レーゼ王国内では乗らなかったので関係なかったが。
そんな訳でトルオンは現在、大陸北部の雪が吹雪く氷河地帯、ラムネイ氷原に来ていた。
国名はない。
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極寒で人が住むのに適さない場所で、生きるのに精一杯で、税を納める余裕がないのだ。
下手にむしり取ろうとしたら暴動が多発する。
なので、誰も統治しようとは思わない土地だった。
そのラムネイ氷原にトルオンは居た訳だが、トルオンは普段着で、極寒の気候を考えれば薄着だった。
なのに、信じられない事だが、トルオンはまったく寒くなかった。
さすがは聖獣のペガサスだ。
ペガサスの周辺では快適な温度だったのだ。
ラムネイ氷原の目印っぽい無人の塔の前で降り立ち、転移魔法の場所として記憶したので、トルオンはペガサスの背に乗ろうとしたのだが、ヒヒンッとペガサスが首を向けた。
ペガサスが向けた鼻先の方角には5メートル級の2足歩行の氷製のゴーレムに追われてる犬ソリがあった。
「はあ? 助けろってか。無理無理無理。寒いって」
とトルオンは言ったが、さっさと行け、とばかりにペガサスがヒヒンッと嘶いたので、
「ええっと、一応、オレが主人だよな?」
とか文句を言いながらも、トルオンはペガサスの背に乗らず【瞬動】で助けに向かったのだが、
(あれ、寒くない? ペガサスから離れたのにどうして? もしかして・・・オレの方か? オレが四半神だから気温なんてヘッチャラになったのか? ・・・・・・さすがは4分の1が神様なだけの事はある)
なんて思いながら、氷のゴーレムをそれなりの剣で一刀で両断にした。
「ありがとうございました」
犬ゾリに乗ってた搭乗者にお礼を言われた。
顔までゴーグルやマスクで覆っているので気付かなかったが女だった。
それも若い。
「どうぞ、ソリにお乗り下さい。狭いところですが私のテントまでお送りしますから」
「いや、いらな・・・おわっと」
トルオンはズッコケて相手をモロに押し倒したのだった。
ギフト【ズッコケ】か、素で氷に滑ったのか判定が難しいズッコケだった。
「そういう事がお望みなら、私のテントで」
「いや、そういう気は全然なく・・・・・・それにほら、あそこに・・・・・・」
トルオンが視線を向けた無人の塔の前にはペガサスは居なかった。
(あんにゃろう)
トルオンは犬ゾリに乗せて貰い、氷穴内に設置された防寒対策バッチリのデカイテントに1人で住む虎人族の娘タガナから氷のゴーレムから助けたお礼の身体の接待を受けたのだった。
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