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創造の女神リュアラビーテ
トルオン、天空神殿でズッコケて聖剣、林檎、魔法を得る
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天空神殿で1人となったトルオンはこんな訳の分からない場所からはさっさと退散するつもりだった。
本当だ。
1人は心細いから。
なのに、帰り道でもズルッとズッコケて、
「おわっ!」
別の通路側に踏み出して倒れてしまった。
「イタタタ・・・これって、こっちに迎えって事か?」
自身のギフト【ズッコケ】の能力を信じて疑わないトルオンはそのままその通路を進んだ。
すると屋外の花畑に1本の剣が突き刺さっていた。
正確には鞘付きのが。
「おっ、何やら、良さげな剣」
トルオンは鞘付き剣に無造作に手を伸ばした。
この剣は聖剣で、通常は選ばれた勇者のみが所有可能で、資格のない者が握れば雷撃によって焼け焦げる運命なのだが、トルオンは既に種族が人間ではなく四半神だったので、聖剣を所持する資格を持っており、握れた。
鞘から剣を抜く。
聖剣なので神々しい。
「記念に貰っていくか」
アイテムボックスに入れようとしたが入らず、
「うん? アイテムボックスには入れれないのか?」
そう理解したトルオンは腰に携えた剣をアイテムボックスに入れて、聖剣を剣ベルトに通して帰路を目指そうとして、
「他にも何かあるかも・・・探索するのもありかもな」
そう呟いて探索を始めた。
次に発見したのは林檎の木だった。
天空神殿で実ってる林檎の木だ。
明らかに普通じゃないのだが、トルオンは無警戒に小腹が減ってたので林檎をかじった。
それも、
「おっ、美味いな、この林檎」
と4つも喰らった。
「持って帰ろうと」
更にもう1個をもぎってアイテムボックスに入れようとして入らない事に気付く。
「これもかよ。それともこの神殿ではアイテムボックスは使用禁止なのか?」
そう呟きながら満腹ながら5個目の林檎をシャリッと食べながら歩いたのだった。
次に行き着いた場所は石版に何やら文字が刻まれた屋外の場所だった。
石版は全部で13枚。
「何だ、これ」
その内の1枚にトルオンが手を伸ばすと、触れた瞬間に石版の文字が輝き、その光りがトルオンの身体に入っていった。
気持ち悪いとはトルオンは思わなかった。
「あれ? もしかして光魔法を習得したのか、これって?」
四半神のトルオンは理屈ではなく本能で理解した。
頭の中に使用出来る魔法が流れ込んできてる事には遅蒔きに気付いた。
「へぇ~。だったら他のも・・・」
もう1枚の石板にも触る。
今度は文字が光らずさっきの現象は起こらなかった。
それで諦めなかったトルオンは他の石版にも全部触れた。
だが、光ったのは最初の1枚だけだった。
「何だよ、1人1枚だけってか。ケチ臭いな、意外と」
そう言ってトルオンは天空神殿の別の場所へと移動したのだった。
その後も天空神殿を探検したが、他にはめぼしいモノを発見出来なかった。
なので、トルオンは行きに使用した魔法陣を使って道具屋の地下の魔法陣部屋から井戸の横穴を通って道具屋に戻ったのだった。
◇
道具屋に戻ると老婆が驚いた顔で、
「おっ、アンタ、今までどこにいっていたんだい?」
「? 『今まで』って?」
「もう60日は経過してるよ」
「えっ、そうなの?」
トルオンの感覚では1時間前後だったので、それには驚いた。
「ったく、心配を掛けて。そう言えばもう1人の子は?」
「別の出口から出ちゃいましたよ」
「へぇ~」
「ありがとうございました、お婆さん」
「別にいいよ。ポーションを買ってくれたらね」
「では、もう12本いただきましょう」
こうしてトルオンはまたポーションを購入したのだった。
本当だ。
1人は心細いから。
なのに、帰り道でもズルッとズッコケて、
「おわっ!」
別の通路側に踏み出して倒れてしまった。
「イタタタ・・・これって、こっちに迎えって事か?」
自身のギフト【ズッコケ】の能力を信じて疑わないトルオンはそのままその通路を進んだ。
すると屋外の花畑に1本の剣が突き刺さっていた。
正確には鞘付きのが。
「おっ、何やら、良さげな剣」
トルオンは鞘付き剣に無造作に手を伸ばした。
この剣は聖剣で、通常は選ばれた勇者のみが所有可能で、資格のない者が握れば雷撃によって焼け焦げる運命なのだが、トルオンは既に種族が人間ではなく四半神だったので、聖剣を所持する資格を持っており、握れた。
鞘から剣を抜く。
聖剣なので神々しい。
「記念に貰っていくか」
アイテムボックスに入れようとしたが入らず、
「うん? アイテムボックスには入れれないのか?」
そう理解したトルオンは腰に携えた剣をアイテムボックスに入れて、聖剣を剣ベルトに通して帰路を目指そうとして、
「他にも何かあるかも・・・探索するのもありかもな」
そう呟いて探索を始めた。
次に発見したのは林檎の木だった。
天空神殿で実ってる林檎の木だ。
明らかに普通じゃないのだが、トルオンは無警戒に小腹が減ってたので林檎をかじった。
それも、
「おっ、美味いな、この林檎」
と4つも喰らった。
「持って帰ろうと」
更にもう1個をもぎってアイテムボックスに入れようとして入らない事に気付く。
「これもかよ。それともこの神殿ではアイテムボックスは使用禁止なのか?」
そう呟きながら満腹ながら5個目の林檎をシャリッと食べながら歩いたのだった。
次に行き着いた場所は石版に何やら文字が刻まれた屋外の場所だった。
石版は全部で13枚。
「何だ、これ」
その内の1枚にトルオンが手を伸ばすと、触れた瞬間に石版の文字が輝き、その光りがトルオンの身体に入っていった。
気持ち悪いとはトルオンは思わなかった。
「あれ? もしかして光魔法を習得したのか、これって?」
四半神のトルオンは理屈ではなく本能で理解した。
頭の中に使用出来る魔法が流れ込んできてる事には遅蒔きに気付いた。
「へぇ~。だったら他のも・・・」
もう1枚の石板にも触る。
今度は文字が光らずさっきの現象は起こらなかった。
それで諦めなかったトルオンは他の石版にも全部触れた。
だが、光ったのは最初の1枚だけだった。
「何だよ、1人1枚だけってか。ケチ臭いな、意外と」
そう言ってトルオンは天空神殿の別の場所へと移動したのだった。
その後も天空神殿を探検したが、他にはめぼしいモノを発見出来なかった。
なので、トルオンは行きに使用した魔法陣を使って道具屋の地下の魔法陣部屋から井戸の横穴を通って道具屋に戻ったのだった。
◇
道具屋に戻ると老婆が驚いた顔で、
「おっ、アンタ、今までどこにいっていたんだい?」
「? 『今まで』って?」
「もう60日は経過してるよ」
「えっ、そうなの?」
トルオンの感覚では1時間前後だったので、それには驚いた。
「ったく、心配を掛けて。そう言えばもう1人の子は?」
「別の出口から出ちゃいましたよ」
「へぇ~」
「ありがとうございました、お婆さん」
「別にいいよ。ポーションを買ってくれたらね」
「では、もう12本いただきましょう」
こうしてトルオンはまたポーションを購入したのだった。
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