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邪神軍包囲網
ドス将軍からの救援要請
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マンデロ連盟に60日間、侵攻して・・・・・・・
更にマンデロ領に併合した後も、第3師団の主力が50日間・・・
つまりは計110日間もリンデア領を不在にしてるのに、コール神殿国は餌に食い付かなかった。
やはり精霊砲を使うつもりのようだ。
古代文字の表はちゃんと原本の石版とそれらしいのをすり替えた。
気付く事はないだろう。
ドワーフ族のプロに同形の材質でそれらしく見えるように作らせたから。
石版の傷まで再現させたし。
さてと。
光がどこに落ちるのか楽しみな今日この頃な訳だが・・・
それはともかくとして困った事が起きた。
ドス将軍から救援要請が来たからだ。
リザードマンの騎士がグリフォンに乗ってやってきて書簡をオレに渡した。
本当に援軍要請で、騎士の口からも、
「助けて下さい、ライザス将軍。第5師団は既に壊滅。第4師団と第2師団も持ちそうにありません」
そう言われた。
前回の将軍会議で第6師団を潰した件でドス将軍はオレを犯人と名指視して激しくやり合ってる。
その舌の根も乾かぬ内にオレに救援要請してるって事は・・・
ドス将軍の方は相当ヤバイ状況らしい。
仲間のピンチだ。
お人好しなら助けに向かうが、オレは性悪の悪魔だから、
「冗談は程々にしろ。あのドス将軍が大嫌いなオレに泣き付く訳がないだろうが。ユーロエス将軍に助けを求めな」
そう突っ撥ねた。
「ユーロエス将軍には再三の援軍要請も総て拒否されました」
「ユーロエス将軍の第1師団はベール西岸諸国連合と対峙していたな? 向こうも手こずってるのか?」
「いえ。ダークエルフ族は他種族を見下してますから。手助けなどして下さいませんし」
悔しそうにリザードマンの騎士が答えた。
なるほどね。
「それでも答えは『援軍は出さない』だ。援軍拒否の理由は『第6師団の氷漬けの犯人にされたから』だ。そう伝えろ」
まあ、犯人はオレなんだけどね。
「お待ち下さい。我々が負ければ・・・・・・ラスタロス領の西側のレーゼル領が奪われて、ライザス将軍の軍も孤立しますぞ?」
「それがどうした? オレの軍はドス将軍の軍と違って弱くないぞ」
あれ、今、もしかしてコイツに脅迫された?
「そんな事を言わずに、お願いします。何卒、援軍を・・・・・・」
跪いてオレの足を掴んできた。
必死だ。
つまりは本当に切羽詰まった事態らしい。
オレはそれを足蹴にして、
「しつこい。さっさと帰れ」
そのリザードマンの騎士を帰らせたのだった。
リザードマンの騎士が帰った後で、第3師団の最高幹部が集まり、
「ライザス将軍、今からでは陸軍で構成された第3師団の援軍を派遣してもおそらくは間に合いませんが・・・レーゼル領が落ちるのは拙いです。完全に邪神軍が分断されます」
「分かってるよ」
と答えたオレは、
「ユーロエス将軍はどうしてドス将軍からの援軍要請を断ったのだと思う?」
ユーロエス将軍の密偵っぽいダークエルフ族のエリエリに質問した。
「邪神軍の双頭体制を臨まれたのでは?」
「ドス将軍をここで退場させるつもりか」
「私が調べた情報では、ドス将軍が苦戦してるのはローダ魔法国の部隊のようです。数百人の魔法兵団による遠距離からの攻撃魔法の一斉射撃の前に手も足も出ないのだとか」
ドレサードがそう言い、
「それは厄介そうだな」
オレは他人事のように答えた。
つまりはオレなら余裕な訳か。
援軍に出掛けて、ドス将軍を助けて恩を売る?
ないな。
援軍を出さず、ドス将軍が生き延びて怨みを買う?
もっとないな。
ふむ。意外に匙加減が難しいかも。
まあ、ドス将軍は見殺しだな。
そうオレは決めた訳だが、ドレサードが、
「このような事を進言するとライザス将軍に『このオレを操る気か?』と逆鱗に触れますが、黙ってて後で露見するともっと拙いので進言しますが」
そう勿体ぶった前置きしてから、
「第4師団に最近『小悪魔族の娘が1人入隊した』との情報があったと記憶しております」
そう言われた瞬間、オレは方針を固めた。
更にマンデロ領に併合した後も、第3師団の主力が50日間・・・
つまりは計110日間もリンデア領を不在にしてるのに、コール神殿国は餌に食い付かなかった。
やはり精霊砲を使うつもりのようだ。
古代文字の表はちゃんと原本の石版とそれらしいのをすり替えた。
気付く事はないだろう。
ドワーフ族のプロに同形の材質でそれらしく見えるように作らせたから。
石版の傷まで再現させたし。
さてと。
光がどこに落ちるのか楽しみな今日この頃な訳だが・・・
それはともかくとして困った事が起きた。
ドス将軍から救援要請が来たからだ。
リザードマンの騎士がグリフォンに乗ってやってきて書簡をオレに渡した。
本当に援軍要請で、騎士の口からも、
「助けて下さい、ライザス将軍。第5師団は既に壊滅。第4師団と第2師団も持ちそうにありません」
そう言われた。
前回の将軍会議で第6師団を潰した件でドス将軍はオレを犯人と名指視して激しくやり合ってる。
その舌の根も乾かぬ内にオレに救援要請してるって事は・・・
ドス将軍の方は相当ヤバイ状況らしい。
仲間のピンチだ。
お人好しなら助けに向かうが、オレは性悪の悪魔だから、
「冗談は程々にしろ。あのドス将軍が大嫌いなオレに泣き付く訳がないだろうが。ユーロエス将軍に助けを求めな」
そう突っ撥ねた。
「ユーロエス将軍には再三の援軍要請も総て拒否されました」
「ユーロエス将軍の第1師団はベール西岸諸国連合と対峙していたな? 向こうも手こずってるのか?」
「いえ。ダークエルフ族は他種族を見下してますから。手助けなどして下さいませんし」
悔しそうにリザードマンの騎士が答えた。
なるほどね。
「それでも答えは『援軍は出さない』だ。援軍拒否の理由は『第6師団の氷漬けの犯人にされたから』だ。そう伝えろ」
まあ、犯人はオレなんだけどね。
「お待ち下さい。我々が負ければ・・・・・・ラスタロス領の西側のレーゼル領が奪われて、ライザス将軍の軍も孤立しますぞ?」
「それがどうした? オレの軍はドス将軍の軍と違って弱くないぞ」
あれ、今、もしかしてコイツに脅迫された?
「そんな事を言わずに、お願いします。何卒、援軍を・・・・・・」
跪いてオレの足を掴んできた。
必死だ。
つまりは本当に切羽詰まった事態らしい。
オレはそれを足蹴にして、
「しつこい。さっさと帰れ」
そのリザードマンの騎士を帰らせたのだった。
リザードマンの騎士が帰った後で、第3師団の最高幹部が集まり、
「ライザス将軍、今からでは陸軍で構成された第3師団の援軍を派遣してもおそらくは間に合いませんが・・・レーゼル領が落ちるのは拙いです。完全に邪神軍が分断されます」
「分かってるよ」
と答えたオレは、
「ユーロエス将軍はどうしてドス将軍からの援軍要請を断ったのだと思う?」
ユーロエス将軍の密偵っぽいダークエルフ族のエリエリに質問した。
「邪神軍の双頭体制を臨まれたのでは?」
「ドス将軍をここで退場させるつもりか」
「私が調べた情報では、ドス将軍が苦戦してるのはローダ魔法国の部隊のようです。数百人の魔法兵団による遠距離からの攻撃魔法の一斉射撃の前に手も足も出ないのだとか」
ドレサードがそう言い、
「それは厄介そうだな」
オレは他人事のように答えた。
つまりはオレなら余裕な訳か。
援軍に出掛けて、ドス将軍を助けて恩を売る?
ないな。
援軍を出さず、ドス将軍が生き延びて怨みを買う?
もっとないな。
ふむ。意外に匙加減が難しいかも。
まあ、ドス将軍は見殺しだな。
そうオレは決めた訳だが、ドレサードが、
「このような事を進言するとライザス将軍に『このオレを操る気か?』と逆鱗に触れますが、黙ってて後で露見するともっと拙いので進言しますが」
そう勿体ぶった前置きしてから、
「第4師団に最近『小悪魔族の娘が1人入隊した』との情報があったと記憶しております」
そう言われた瞬間、オレは方針を固めた。
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