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アリシアンの腕輪
何、妬いてたの?【セーラside】
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妹のスライアが話があると言うので、放課後にラディーゼル公爵家の狼車に乗ったのだけど、スライアが窓の風景を見ながら世間話でもするように、
「お姉さま、泳げないらしいですね」
ギクリッ。
姉の威厳を保つ為、私は眼を泳がせながら、
「な、何の事かしら?」
「とぼけないで下さい。アテニナから聞いてお姉さまが泳げなかった事はもう知ってるんですから」
アステナ嬢め、と思いながらも私は、
「前は泳げたのよ」
「らしいですね。【黒ミスリル】になった弊害だとか」
「そうなの。だから、ちゃんとスライアも水泳が出来るように・・・・・・」
「嫌ですよ。【雷剣】の雷が水の中だと散るんですから。入るのも厳禁ですのに」
きっぱりと否定したスライアは、
「って、そっちはいいんです。用件は別ですから」
「なら、何?」
「お姉さま、2年生の冬休みに下宿人のエニスに肌を磨かせてたんですってね?」
ギクリッ。
「この前、食堂でエニスがエステの施術役とか言ってて、その時は何の事か分からずに流しましたが、後日、アテニナに聞いたら・・・お姉さま、エニスを使用人扱いしてエステの施術役をやらせて楽しんでたって。アテニナが羨ましがってましたよ」
「ちょっと待って。それは全然違うからっ!」
「なら、何なんですか?」
「私、元は【鋼】の【8分の1】でね。能力が使えない落ちこぼれだったんだけど、エニスさんが【8分の1】でも【部分硬化】出来るって教えてくれて、私も使えるなら使いたいなぁ~って思って」
「それで?」
「こんな風に・・・」
私は遠慮なくスライアの胸を触った。
「キャン、突然、何するんですか、お姉さま」
スライアが可愛い反応をする中、私は、
「だから、こんな風に触って最初はエニスさんが外部から私の血を集めて【鋼】の【部分硬化】をしてくれてたのよ。身体を慣らす為に全身ね」
「全身?」
「ええ」
触っちゃイケナイ箇所もエニスさんに触られて。
お陰でどの部分でも【部分硬化】出来るようになったんだけど。
ヤダ、思い出したらイケナイ気持ちになってきたわ。
「でも、私のお父様は騎士団長で、屋敷の使用人は全員が密偵クラス。下手をしたらお父様の敵対勢力の密偵だって紛れ込んでるかもしれないのに、屋敷がそんな状況で、部屋でこんな事をやってたら大問題でしょ? だからエステ室でやる事になって。私も【部分硬化】をマスターするまではエニスさんに黙っててって言ったら、エニスさんがコキ使われてるって言い始めて、その言葉が独り歩きして」
「エニスにどのくらい触られたんですか?」
「1日、10時間の日もあったわね」
私が本当の事を言うと、スライアが、
「・・・お姉さまはエニスの事、どう思ってます?」
「友達・・・と、少し迷惑とは言わないまでも手の掛かる下宿人ね。それが?」
「いえ、お姉さまが時々エニスを見る眼が恋人のように見えたので。アテニナも怪しがってましたし」
「何? もしかして私とエニスさんの仲を妬いてたの、スライア?」
「違いますよ。私は妹として姉の素行を・・・」
スライアが何か言い訳してたけど、私はスライアの腕を組みながら、
「馬鹿ね。何もないわよ、エニスさんとは。この前、屋敷のお風呂で一緒になったけど、お背中流し係の使用人も2人居たし」
あの時はお父様も顔を出したけど。
「だから、違いますって」
スライアは少し赤面しつつも、私の腕を引き離さず、その後はエステ室の事は追及しなくなったのだった。
おわり。
「お姉さま、泳げないらしいですね」
ギクリッ。
姉の威厳を保つ為、私は眼を泳がせながら、
「な、何の事かしら?」
「とぼけないで下さい。アテニナから聞いてお姉さまが泳げなかった事はもう知ってるんですから」
アステナ嬢め、と思いながらも私は、
「前は泳げたのよ」
「らしいですね。【黒ミスリル】になった弊害だとか」
「そうなの。だから、ちゃんとスライアも水泳が出来るように・・・・・・」
「嫌ですよ。【雷剣】の雷が水の中だと散るんですから。入るのも厳禁ですのに」
きっぱりと否定したスライアは、
「って、そっちはいいんです。用件は別ですから」
「なら、何?」
「お姉さま、2年生の冬休みに下宿人のエニスに肌を磨かせてたんですってね?」
ギクリッ。
「この前、食堂でエニスがエステの施術役とか言ってて、その時は何の事か分からずに流しましたが、後日、アテニナに聞いたら・・・お姉さま、エニスを使用人扱いしてエステの施術役をやらせて楽しんでたって。アテニナが羨ましがってましたよ」
「ちょっと待って。それは全然違うからっ!」
「なら、何なんですか?」
「私、元は【鋼】の【8分の1】でね。能力が使えない落ちこぼれだったんだけど、エニスさんが【8分の1】でも【部分硬化】出来るって教えてくれて、私も使えるなら使いたいなぁ~って思って」
「それで?」
「こんな風に・・・」
私は遠慮なくスライアの胸を触った。
「キャン、突然、何するんですか、お姉さま」
スライアが可愛い反応をする中、私は、
「だから、こんな風に触って最初はエニスさんが外部から私の血を集めて【鋼】の【部分硬化】をしてくれてたのよ。身体を慣らす為に全身ね」
「全身?」
「ええ」
触っちゃイケナイ箇所もエニスさんに触られて。
お陰でどの部分でも【部分硬化】出来るようになったんだけど。
ヤダ、思い出したらイケナイ気持ちになってきたわ。
「でも、私のお父様は騎士団長で、屋敷の使用人は全員が密偵クラス。下手をしたらお父様の敵対勢力の密偵だって紛れ込んでるかもしれないのに、屋敷がそんな状況で、部屋でこんな事をやってたら大問題でしょ? だからエステ室でやる事になって。私も【部分硬化】をマスターするまではエニスさんに黙っててって言ったら、エニスさんがコキ使われてるって言い始めて、その言葉が独り歩きして」
「エニスにどのくらい触られたんですか?」
「1日、10時間の日もあったわね」
私が本当の事を言うと、スライアが、
「・・・お姉さまはエニスの事、どう思ってます?」
「友達・・・と、少し迷惑とは言わないまでも手の掛かる下宿人ね。それが?」
「いえ、お姉さまが時々エニスを見る眼が恋人のように見えたので。アテニナも怪しがってましたし」
「何? もしかして私とエニスさんの仲を妬いてたの、スライア?」
「違いますよ。私は妹として姉の素行を・・・」
スライアが何か言い訳してたけど、私はスライアの腕を組みながら、
「馬鹿ね。何もないわよ、エニスさんとは。この前、屋敷のお風呂で一緒になったけど、お背中流し係の使用人も2人居たし」
あの時はお父様も顔を出したけど。
「だから、違いますって」
スライアは少し赤面しつつも、私の腕を引き離さず、その後はエステ室の事は追及しなくなったのだった。
おわり。
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